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公開番号
2024129784
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-27
出願番号
2023204015
出願日
2023-12-01
発明の名称
レジスト下層膜形成方法、パターン形成方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G03F
7/11 20060101AFI20240919BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】埋め込み性とドライエッチング耐性を高次元に両立した金属を含有したレジスト下層膜形成方法およびこれを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】レジスト下層膜形成方法であって、金属-酸素共有結合を有する金属化合物と有機溶媒とを含むレジスト下層膜形成用組成物を基板に塗布する塗布工程と、前記塗布された基板を酸素濃度が1体積%未満の雰囲気中、450℃以上800℃以下の温度で加熱する加熱工程と、を備え、前記金属化合物として下記一般式(a-1)~(a-4)、及び、特定の式で示される架橋基を少なくとも1つ以上含むものを用いることを特徴とするレジスト下層膜形成方法。
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【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
レジスト下層膜形成方法であって、
金属-酸素共有結合を有する金属化合物と有機溶媒とを含むレジスト下層膜形成用組成物を基板に塗布する塗布工程と、
前記塗布された基板を酸素濃度が1体積%未満の雰囲気中、450℃以上800℃以下の温度で加熱する加熱工程と、を備え、
前記金属化合物として下記一般式(a-1)~(a-4)、(b-1)~(b-4)、及び(c-1)~(c-3)で示される架橋基を少なくとも1つ以上含むものを用いることを特徴とするレジスト下層膜形成方法。
TIFF
2024129784000087.tif
33
158
(一般式(a-1)~(a-4)中、R
a
は水素原子または炭素数1~10の1価の有機基であり、qは0または1を表し、*は結合部を表す。)
TIFF
2024129784000088.tif
58
158
(一般式(b-1)~(b-4)中、R
b
は水素原子またはメチル基であり、同一式中それらは互いに同一でも異なっていてもよく、R
c
は水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20の飽和または不飽和の1価の有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基であり、*は結合部を表す。)
TIFF
2024129784000089.tif
35
158
(一般式(c-1)~(c-3)中、Y
1
は炭素数1~20の2価の有機基であり、Rは水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20の飽和または炭素数2~20の不飽和の2価の有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基であり、R
1
は下記一般式(1)で表される酸、及び熱のいずれか、または両方の作用により保護基が脱離して1個以上の水酸基もしくはカルボキシ基を発生する有機基であり、*は結合部を表す。)
TIFF
2024129784000090.tif
23
158
(一般式(1)中、R
2
は酸、及び熱のいずれか、または両方の作用により保護基が脱離する有機基であり、*はY
1
との結合部を表す。)
続きを表示(約 2,700 文字)
【請求項2】
前記酸素濃度を0.1体積%以下とすることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成方法。
【請求項3】
前記温度を500℃以上600℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成方法。
【請求項4】
前記金属化合物に含まれる金属を、チタン、ジルコニウム、ハフニウム又はこれらの組み合わせとすることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成方法。
【請求項5】
前記金属化合物として、さらに下記一般式(2)で示されるケイ素化合物に由来する配位子を含むものを用いることを特徴とする請求項1に記載のレジスト下層膜形成方法。
TIFF
2024129784000091.tif
26
158
(一般式(2)中、R
3A
、R
3B
及びR
3C
は、下記一般式(d-1)~(d-3)で示される構造のいずれかの架橋基を有する炭素数2~30の有機基、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基、及び炭素数6~20のアリール基から選択される有機基のいずれかである。)
TIFF
2024129784000092.tif
35
158
(一般式(d-1)~(d-3)中、R
3
は水素原子または炭素数1~10の1価の有機基であり、qは0または1を表し、*は結合部を表す。)
【請求項6】
被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(I-1)被加工基板上に、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成方法によりレジスト下層膜を形成する工程、
(I-2)前記レジスト下層膜上に、ケイ素含有レジスト中間膜を形成する工程、
(I-3)前記ケイ素含有レジスト中間膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(I-4)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(I-5)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記ケイ素含有レジスト中間膜にパターンを転写する工程、
(I-6)前記パターンが転写されたケイ素含有レジスト中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写する工程、及び
(I-7)前記パターンが形成されたレジスト下層膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項7】
被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(II-1)被加工基板上に、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成方法によりレジスト下層膜を形成する工程、
(II-2)前記レジスト下層膜上に、ケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、及びケイ素酸化窒化膜から選ばれる無機ハードマスク中間膜を形成する工程、
(II-3)前記無機ハードマスク中間膜上に、有機薄膜を形成する工程、
(II-4)前記有機薄膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(II-5)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(II-6)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングで前記有機薄膜及び前記無機ハードマスク中間膜にパターンを転写する工程、
(II-7)前記パターンが転写された無機ハードマスク中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写する工程、及び
(II-8)前記パターンが形成されたレジスト下層膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項8】
被加工基板にパターンを形成する方法であって、
(III-1)被加工基板上に、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成方法によりレジスト下層膜を形成する工程、
(III-2)前記レジスト下層膜上に、有機中間膜を形成する工程、
(III-3)前記有機中間膜上に、ケイ素含有レジスト中間膜または、ケイ素酸化膜、ケイ素窒化膜、及びケイ素酸化窒化膜から選ばれる無機ハードマスク中間膜と有機薄膜の組み合わせを形成する工程、
(III-4)前記ケイ素含有レジスト中間膜または前記有機薄膜上に、フォトレジスト材料を用いてレジスト上層膜を形成する工程、
(III-5)前記レジスト上層膜をパターン露光した後、現像液で現像して、前記レジスト上層膜にパターンを形成する工程、
(III-6)前記パターンが形成されたレジスト上層膜をマスクにして、ドライエッチングでケイ素含有レジスト中間膜または前記有機薄膜及び前記無機ハードマスク中間膜にパターンを転写する工程、
(III-7)前記パターンが転写されたケイ素含有レジスト中間膜または無機ハードマスク中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記有機中間膜にパターンを転写する工程、
(III-8)前記パターンが転写された有機中間膜をマスクにして、ドライエッチングで前記レジスト下層膜にパターンを転写する工程、及び
(III-9)前記パターンが形成されたレジスト下層膜をマスクにして前記被加工基板を加工して前記被加工基板にパターンを形成する工程
を有することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項9】
レジスト下層膜形成方法であって、
周期表第3族~第15族の第3周期~第7周期に属する金属を含むレジスト下層膜形成用組成物を基板に塗布する塗布工程と、
前記塗布された基板を酸素濃度が1体積%未満の雰囲気中、450℃以上800℃以下の温度で加熱する加熱工程と、を備えることを特徴とするレジスト下層膜形成方法。
【請求項10】
前記レジスト下層膜形成用組成物として、金属-酸素共有結合を有する金属化合物または金属-炭素共有結合を有する金属化合物、を含むものを用いることを特徴とする請求項9に記載のレジスト下層膜形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト下層膜形成方法、及びパターン形成方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターン寸法の微細化が急速に進んでいる。リソグラフィー技術は、この微細化に併せ、光源の短波長化とそれに対するレジスト組成物の適切な選択により、微細パターンの形成を達成してきた。その中心となったのは単層で使用するポジ型フォトレジスト組成物である。この単層ポジ型フォトレジスト組成物は、塩素系あるいはフッ素系のガスプラズマによるドライエッチングに対しエッチング耐性を持つ骨格をレジスト樹脂中に持たせ、かつ露光部が溶解するようなスイッチング機構を持たせることによって、露光部を溶解させてパターンを形成し、残存したレジストパターンをエッチングマスクとして被加工基板をドライエッチング加工するものである。
【0003】
ところが、使用するフォトレジスト膜の膜厚をそのままで微細化、即ちパターン幅をより小さくした場合、フォトレジスト膜の解像性能が低下し、また現像液によりフォトレジスト膜をパターン現像しようとすると、いわゆるアスペクト比が大きくなりすぎ、結果としてパターン崩壊が起こってしまうという問題が発生した。このため、パターンの微細化に伴いフォトレジスト膜は薄膜化されてきた。
【0004】
一方、被加工基板の加工には、通常、パターンが形成されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして、ドライエッチングにより基板を加工する方法が用いられるが、現実的にはフォトレジスト膜と被加工基板の間に完全なエッチング選択性を取ることのできるドライエッチング方法が存在しない。そのため、基板の加工中にフォトレジスト膜もダメージを受けて崩壊し、レジストパターンを正確に被加工基板に転写できなくなるという問題があった。そこで、パターンの微細化に伴い、レジスト組成物により高いドライエッチング耐性が求められてきた。しかしながら、その一方で、解像性を高めるために、フォトレジスト組成物に使用する樹脂には、露光波長における光吸収の小さな樹脂が求められてきた。そのため、露光光がi線、KrF、ArFと短波長化するにつれて、樹脂もノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、脂肪族多環状骨格を持った樹脂と変化してきたが、現実的には基板加工時のドライエッチング条件におけるエッチング速度は速いものになってきてしまっており、解像性の高い最近のフォトレジスト組成物は、むしろエッチング耐性が弱くなる傾向にある。
【0005】
このことから、より薄くよりエッチング耐性の弱いフォトレジスト膜で被加工基板をドライエッチング加工しなければならないことになり、この加工工程における材料及びプロセスの確保は急務になってきている。
【0006】
このような問題点を解決する方法の一つとして、多層レジスト法がある。この方法は、フォトレジスト膜(即ち、レジスト上層膜)とエッチング選択性が異なるレジスト下層膜をレジスト上層膜と被加工基板の間に介在させ、レジスト上層膜にパターンを得た後、レジスト上層膜パターンをドライエッチングマスクとして、ドライエッチングによりレジスト下層膜にパターンを転写し、更にレジスト下層膜をドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより被加工基板にパターンを転写する方法である。
【0007】
多層レジスト法の一つに、単層レジスト法で使用されている一般的なレジスト組成物を用いて行うことができる3層レジスト法がある。この3層レジスト法では、例えば、被加工基板上にノボラック樹脂等による有機膜をレジスト下層膜として成膜し、その上にケイ素含有レジスト中間膜をレジスト中間膜として成膜し、その上に通常の有機系フォトレジスト膜をレジスト上層膜として形成する。フッ素系ガスプラズマによるドライエッチングを行う際には、有機系のレジスト上層膜は、ケイ素含有レジスト中間膜に対して良好なエッチング選択比が取れるため、レジスト上層膜パターンはフッ素系ガスプラズマによるドライエッチングによりケイ素含有レジスト中間膜に転写することができる。この方法によれば、直接被加工基板を加工するための十分な膜厚を持ったパターンを形成することが難しいレジスト組成物や、基板の加工に十分なドライエッチング耐性を持たないレジスト組成物を用いても、ケイ素含有レジスト中間膜(レジスト中間膜)にパターンを転写することができ、続いて酸素系又は水素系ガスプラズマによるドライエッチングによるパターン転写を行えば、基板の加工に十分なドライエッチング耐性を持つノボラック樹脂等による有機膜(レジスト下層膜)のパターンを得ることができる。上述のようなレジスト下層膜としては、例えば特許文献1に記載のものなど、すでに多くのものが公知となっている。
【0008】
一方、近年においては、DRAMメモリの微細化が加速しており、さらなるドライエッチング耐性の改善と、優れた埋め込み特性及び平坦化特性を有するレジスト下層膜の必要性が高まってきている。埋め込み特性及び平坦化特性に優れた塗布型レジスト下層膜材料としては、例えば特許文献2に記載のものなどが報告されている。また、酸素濃度1容量%以下の雰囲気下で450~800℃の温度で熱処理することで、レジスト下層膜材料のドライエッチング耐性が改善することが特許文献3で報告されている。しかしながら、先端世代での適用を見据えた場合、レジスト下層膜材料ではドライエッチング耐性に懸念があり、従来の塗布型レジスト下層膜材料の適用限界が近づいている。
【0009】
上記課題に対して、レジスト下層膜に金属元素を含む材料を用いた開発が検討されている。特許文献4では、Ti化合物を用いた材料がCHF
3
/CF
4
系ガスおよびCO
2
/N
2
系ガスに対して優れたドライエッチング耐性を示すことを報告している。
【0010】
一方、金属化合物をレジスト下層膜に用いる際の課題としては、埋め込み性が挙げられる。特許文献4では埋め込み性に関して言及されていないが、一般的に金属化合物は、ベーク時の熱収縮が大きく、高温ベーク後には充填性の著しい劣化を誘発するため、高度な平坦化特性・埋め込み特性と耐熱特性が要求されるレジスト下層膜材料としては不十分である懸念がある。
(【0011】以降は省略されています)
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