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公開番号2024126087
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034243
出願日2023-03-07
発明の名称環式ジアルコール化合物の製造方法および環式ジアルコール化合物
出願人帝人株式会社
代理人個人
主分類C07D 319/08 20060101AFI20240912BHJP(有機化学)
要約【課題】熱安定性と光学特性とが改善された高純度の新規環式ジアルコール化合物の製造方法および環式ジアルコール化合物を提供する。
【解決手段】少なくとも工程1~工程3を含むことを特徴とする、下記式(1)で示される環式ジアルコール化合物の製造方法。
工程1:2,2-ビス(4-オキソシクロヘキシル)プロパンと下記式(3)で示されるトリメチロール化合物とを反応溶媒中、固体酸の存在下で反応させる工程;工程2:工程1で得られた反応液を室温まで冷却したのち反応液を水酸化ナトリウム水溶液で中和させる工程;工程3:工程2で得られた溶液中の環式ジアルコール化合物(1)を芳香族炭化水素系溶媒で再結晶させて高純度の環式ジアルコール化合物(1)を得る工程。
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(式中、R1~R3は炭化水素基を示す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で示される環式ジアルコール化合物の製造方法において、少なくとも工程1~工程3を含んでなることを特徴とする環式ジアルコール化合物の製造方法。
工程1:下記式(2)で示される2,2-ビス(4-オキソシクロヘキシル)プロパンと下記式(3)で示されるトリメチロール化合物とを反応溶媒中、固体酸の存在下で反応させる工程
工程2:工程1で得られた反応液を室温まで冷却したのち反応液を水酸化ナトリウム水溶液で中和させる工程
工程3:工程2で得られた溶液中の環式ジアルコール化合物(1)を芳香族炭化水素系溶媒で再結晶させて高純度の環式ジアルコール化合物(1)を得る工程
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2024126087000015.jpg
16
101
(式中、R

、R

はそれぞれ独立に炭化水素基を示す。)
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14
103
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2024126087000017.jpg
17
110
(式中、R

は炭化水素基を示す。)
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記式(1)中のR

およびR

がメチル基またはエチル基である請求項1に記載の環式ジアルコール化合物の製造方法。
【請求項3】
前記式(3)で表される化合物がトリメチロールエタンまたはトリメチロールプロパンである請求項1に記載の環式ジアルコール化合物の製造方法。
【請求項4】
工程1で使用される反応溶媒としてトルエンを用いる請求項1に記載の環式ジアルコール化合物の製造方法。
【請求項5】
5%重量減少温度が300℃以上である下記式(1)で示される環式ジアルコール化合物。
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2024126087000018.jpg
16
101
(式中、R

、R

はそれぞれ独立に炭化水素基を示す。)
【請求項6】
前記式(1)中のR

およびR

がメチル基またはエチル基である請求項5に記載の環式ジアルコール化合物。
【請求項7】
前記式(1)で示される環式ジアルコール化合物に含まれるタングステン元素およびナトリウム元素の含有量が下記式(4)および下記式(5)を満たす請求項5に記載の環式ジアルコール化合物。
0ppm ≦ W ≦ 100ppm (4)
0ppm ≦ Na≦ 50ppm (5)
【請求項8】
前記式(1)で示される環式ジアルコール化合物に含まれる硫黄元素の含有量が下記式(6)を満たす請求項5に記載の環式ジアルコール化合物。
0ppm ≦ S ≦ 5ppm (6)
【請求項9】
前記式(1)で示される環式ジアルコール化合物のガスクロマトグラフィー純度が95面積%以上である請求項5に記載の環式ジアルコール化合物。
【請求項10】
ポリカーボネート樹脂またはポリエステルカーボネート樹脂の原料として用いられる請求項5~9のいずれかに記載の環式ジアルコール化合物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、環式ジアルコール化合物の製造方法および環式ジアルコール化合物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリエステルカーボネート樹脂の原料として各種の環式ジアルコールが使用されており、工業的に入手できる化合物としては、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDMと略記されることがある)、トリシクロ[5.2.1.0
2,6
]デカンジメタノール(TCDDMと略記されることがある)、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン(水素化ビスフェノールAと呼ばれることがある)、3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン(スピログリコールと呼ばれることがある)などが挙げられる。これ以外の化合物も樹脂の用途に応じた様々な環式ジアルコール化合物が開発されている。
【0003】
例えば、光学レンズに用いられるポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、屈折率など樹脂の光学特性の改良を目的として、フルオレン環構造をもつ芳香族ジアルコール化合物を含むジアルコールを用いて製造する方法が報告されており(特許文献1)、それ以外の環式ジアルコールを一定の割合で用い製造する方法も報告されている(特許文献2および特許文献3)。
【0004】
ところが、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリエステルカーボネート樹脂はその用途に応じ多岐にわたって使用されており、その用途に応じた樹脂の物性を満足できる環式ジアルコール化合物の開発が求められている。特に、光学レンズに用いられる場合、近年は光学特性を向上させるために前述した環式ジアルコール以外の新規な環式ジアルコール化合物が必要とされている。近年、ジケトン類とトリメチロール化合物とを酸性触媒下で反応(アセタール化反応)させて得られる環式ジオール化合物が積極的に開発されているものの、光学特性が満足できなかったり、アセタール化反応後の酸触媒が残存したり中和不足により、加水分解を起こし環式ジオール化合物の熱安定性が低くなったりすることがある(特許文献4および特許文献5)。そうすると、特許文献4や特許文献5に記載の製法により得られた環式ジオール化合物を用いてポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリエステルカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を重合しようとすると重合中に分解が起き重合ができないか、あるいは環式ジオール化合物の分解点を起点に架橋して満足のいくポリマーが得られないことがある。あるいは、重合(高分子量化)ができたとしても洗浄不足により中和塩が残存し、重合したポリマーが黄色く着色したり、白く濁りヘイズが高くなったりする場合もあるため、その製造方法にも未だ改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2007/142149号
国際公開第2017/175693号
国際公開第2022/004239号
特開2019-14711号公報
国際公開第2022/091990号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高純度でさらには熱安定性、色相が改善された環式ジアルコール化合物および該環式ジアルコール化合物を高収率で得られる環式ジアルコール化合物の製造方法を提供すること、また、該環式ジアルコール化合物を原料として用いた光学部材のための透明性や色相に優れたポリカーボネート樹脂またはポリエステルカーボネート樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために検討した結果、特定の製造工程を有することにより、良好な品質を有し、ポリマー原料として優れた環式ジアルコール化合物を製造できることを見出したものである。すなわち、本発明は、以下に示す構成を採用するものである。
【0008】
[1]下記式(1)で示される環式ジアルコール化合物の製造方法において、少なくとも工程1~工程3を含んでなることを特徴とする環式ジアルコール化合物の製造方法。
工程1:下記式(2)で示される2,2-ビス(4-オキソシクロヘキシル)プロパンと下記式(3)で示されるトリメチロール化合物とを反応溶媒中、固体酸の存在下で反応させる工程
工程2:工程1で得られた反応液を室温まで冷却したのち反応液を水酸化ナトリウム水溶液で中和させる工程
工程3:工程2で得られた溶液中の環式ジアルコール化合物(1)を芳香族炭化水素系溶媒で再結晶させて高純度の環式ジアルコール化合物(1)を得る工程
【0009】
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2024126087000001.jpg
16
101
(式中、R

、R

はそれぞれ独立に炭化水素基を示す。)
【0010】
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2024126087000002.jpg
14
103
(【0011】以降は省略されています)

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