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公開番号2024126075
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034223
出願日2023-03-07
発明の名称燃料電池用電極及びその製造方法
出願人株式会社豊田中央研究所,株式会社デンソー
代理人個人
主分類H01M 4/86 20060101AFI20240912BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】中温域(100~180℃)の無加湿条件下において使用することが可能な新規な燃料電池用電極及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】燃料電池用電極は、少なくとも一方の表面が親水化処理面からなるガス拡散層と、親水化処理面上に形成された触媒層とを備えている。触媒層は、触媒粒子を含む電極触媒と、プロトン伝導体とを含む。プロトン伝導体は、オキソアニオン及びプロトン配位性カチオンの少なくとも一方が金属イオンに配位している配位高分子を含む。配位高分子は、アモルファス構造を備えている。このような燃料電池用電極は、オキソアニオン及びプロトン配位性カチオンの少なくとも一方が金属イオンに配位している配位高分子を準備し、配位高分子と電極触媒とを水に分散させて触媒インクとし、ガス拡散層の親水化処理面に触媒インクを塗布し、乾燥させることにより得られる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも一方の表面が親水化処理面からなるガス拡散層と、
前記親水化処理面上に形成された触媒層と
を備え、
前記触媒層は、触媒粒子を含む電極触媒と、プロトン伝導体とを含み、
前記プロトン伝導体は、金属イオンと、オキソアニオンと、プロトン配位性カチオンとを含み、前記オキソアニオン及び前記プロトン配位性カチオンの少なくとも一方が前記金属イオンに配位している配位高分子を含み、
前記配位高分子は、アモルファス構造を備えている
燃料電池用電極。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記親水化処理面の水の接触角が110°以下である請求項1に記載の燃料電池用電極。
【請求項3】
次の式(1)で表される触媒利用率が30%以上である請求項1に記載の燃料電池用電極。
触媒利用率(%)=ECSA×100/ECSA
0
…(1)
但し、
前記「ECSA」は、前記燃料電池用電極をカソードに用いた燃料電池について、サイクリックボルタモグラム(CV)測定を行うことにより得られた前記触媒粒子の電気化学的有効表面積、
前記「ECSA
0
」は、前記電極触媒を担持したディスク電極を作用電極に用いて、回転ディスク電極(RDE)法によりCV測定を行うことにより得られた前記触媒粒子の電気化学的有効表面積。
【請求項4】
次の式(2)で表されるMA比率が0.9%以上である請求項1に記載の燃料電池用電極。
MA比率(%)=MA×100/MA
0
…(2)
但し、
前記「MA」は、前記燃料電池用電極をカソードに用いた燃料電池について、リニアスイープボルタンメトリ(LSV)測定を行うことにより得られた前記触媒粒子の質量活性、
前記「MA
0
」は、前記電極触媒を担持したディスク電極を作用電極に用いて、回転ディスク電極(RDE)法によりLSV測定を行うことにより得られた前記触媒粒子の質量活性。
【請求項5】
次の式(3)で表される前記ガス拡散層の露出面積割合が10%未満である請求項1に記載の燃料電池電極。
露出面積割合(%)=S×100/S
0
…(3)
但し、
前記「S」は、前記触媒層の形成領域内において、前記ガス拡散層の表面が露出している領域の面積、
前記「S
0
」は、前記形成領域の面積。
【請求項6】
前記配位高分子は、アルミニウム(dema)リン酸である請求項1に記載の燃料電池用電極。
【請求項7】
前記電極触媒は、
担体と、
前記担体に担持された前記触媒粒子と
を備えている請求項1に記載の燃料電池用電極。
【請求項8】
金属イオンと、オキソアニオンと、プロトン配位性カチオンとを含み、前記オキソアニオン及び前記プロトン配位性カチオンの少なくとも一方が前記金属イオンに配位している配位高分子を準備する第1工程と、
前記配位高分子と、電極触媒とを水に分散させ、触媒インクを得る第2工程と、
ガス拡散層の親水化処理面に前記触媒インクを塗布し、乾燥させる第3工程と
を備えた燃料電池用電極の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用電極及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、中温域(100~180℃)の無加湿条件下において使用することが可能な燃料電池用電極及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
燃料電池は、電解質の種類に応じて、固体高分子形燃料電池、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、固体酸化物形燃料電池に大別される。これらの内、固体高分子形燃料電池は、常温で作動させることができ、小型軽量化が可能であるという利点がある。
しかしながら、固体高分子電解質がプロトン伝導性を発現するには、固体高分子電解質を適度な含水状態に維持する必要がある。また、固体高分子電解質は耐熱性が低い。そのため、固体高分子形燃料電池は、無加湿条件下において作動させるのが難しく、効率の点で有利な中温域(100~180℃)において作動させることもできない。
【0003】
この問題を解決するために、プロトン伝導性を示す配位高分子(Coordinationpolymer, CP)を燃料電池用の電解質として使用することが提案されている。
ここで、「配位高分子(CP)」とは、多座配位子と金属イオンからなる連続構造をもつ錯体をいう。CPは、多座配位子の種類を最適化することにより、中温域の無加湿条件下においてもプロトン伝導性を示すプロトン伝導体として機能する場合がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、
(a)溶媒(例えば、メタノール)にPt/Cを分散させ、
(b)分散液にメチルイミダゾール及び酸化亜鉛を添加し、Pt/Cの表面を配位高分子前駆体で被覆し、
(c)分散液にイミダゾールを添加し、配位高分子前駆体のメチルイミダゾールをイミダゾールで置換し、
(d)分散液にリン酸を導入し、Pt/Cを被覆する配位高分子前駆体を配位高分子に転換し、
(e)溶媒(例えば、エタノール又はプロパノール)に、配位高分子で被覆されたPt/Cを分散させて触媒インクとし、
(f)触媒インクを拡散層の表面に塗布し、乾燥させる
触媒層の製造方法が開示されている。
【0005】
特許文献2には、
(a)ジエチルメチルアミン(dema)とトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)とを反応させることにより、プロトン性イオン液体であるトリフルオロメタンスルホナート-ジエチルメチルアンモニウム([dema][TfO])を作製し、
(b)エタノール中においてAl(TfO)
3
と、[dema][TfO]とを反応させる
ことにより得られる配位高分子(アルミニウム[dema][TfO])が開示されている。
同文献には、
(A)このようにして得られた配位高分子(CP)は、プロトン伝導体として機能する低粘度のゲル状物質である点、及び、
(B)[dema][TfO]、及び、アルミニウム[dema][TfO]は、いずれも、蒸気圧が低く、100℃以上でも揮発しないため、高い耐熱性を有している点
が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、
(a)Pt/C粉末及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む電極インクを作製し、
(b)電極インクをガス拡散層(GDL)の表面にスプレー塗布して電極材料とし、
(c)電極材料に、上記の配位高分子を滴下する
ことにより得られる電極が開示されている。
さらに、特許文献2には、リン酸をドープしたポリベンゾイミダゾール薄膜に、上記の電極を接合した膜電極接合体が開示されている。
同文献には、このようにして得られた膜電極接合体は、ECSAの初期値が高く、150℃で10時間保持した後においてもECSAが低下しない点が記載されている。
【0007】
特許文献1には、CPをプロトン伝導体として使用することが提案されているが、電極を作製した例は記載されていない。また、特許文献1には、電極の作製方法としてエタノールを溶媒とする触媒インクにCPを分散させる方法が提案されている。しかしながら、このような方法では、CPが変質する場合がある。
【0008】
特許文献2に開示されている配位高分子(アルミニウム[dema][TfO])は、固体化しにくいため、燃料電池用の電解質として安定性が低い懸念がある。また、同文献では、先ず触媒/PTFEをGDLに塗布し、その後、CPの分散液を滴下しているが、この方法では、電極内にCPが均一に分散していない可能性がある。さらに、CP分散液には溶媒としてエタノールが含まれており、CPが変質している可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2017-224514号公報
特開2022-088856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、中温域(100~180℃)の無加湿条件下において使用することが可能な新規な燃料電池用電極及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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