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公開番号2024122056
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029373
出願日2023-02-28
発明の名称基板処理方法
出願人ミクロエース株式会社
代理人個人
主分類H01L 21/304 20060101AFI20240902BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】基板に付着しているフォトレジストを効率よく除去する。
【解決手段】枚葉式洗浄機2内で基板100を保持し、基板100を回転させるとともに、基板の表面に硫酸溶液を放出し、基板100から離脱したフォトレジスト等を含む硫酸を回収し、回収した硫酸溶液を電気分解してフォトレジスト等を分解し、フォトレジスト等が分解された硫酸溶液を再び枚葉式洗浄機2に戻し基板100の表面のフォトレジスト膜等の除去に繰り返し使用する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
枚葉式洗浄機を使用して基板表面のフォトレジスト膜を処理液により除去する基板処理方法において、枚葉式洗浄機内で前記基板を保持し、前記基板の面と交差する軸で前記基板を回転させるとともに、前記基板の表面に前記処理液として硫酸溶液を放出し、前記基板から離脱したフォトレジストを含む硫酸溶液を回収し、回収した前記硫酸溶液を電気分解してフォトレジストを分解し、前記フォトレジストが分解された前記硫酸溶液を再び枚葉式洗浄機に戻し基板の表面のフォトレジスト膜の除去に使用し、
前記基板に放出する硫酸溶液の硫酸濃度が85質量%~96質量%であり、
前記基板に放出する硫酸溶液の温度が、前記硫酸溶液の硫酸濃度が95質量%超~96質量%では130℃~200℃とし、硫酸濃度が90質量%超~95質量%では150~200℃とし、硫酸濃度が85質量%~90質量%では170~200℃とすることを特徴とする基板処理方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記硫酸溶液の放出をノズルからの吐出により行う請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
回収した前記硫酸溶液を20℃~60℃に冷却し、前記電気分解をすることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記電気分解を行った硫酸溶液を、所定径の粒子を取り除くフィルターを通過させることを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記電気分解を行った硫酸溶液を、所定径の粒子を取り除くフィルターを通過させることを特徴とする請求項3に記載の基板処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、処理液を用いて基板を処理する技術に関し、例えば基板表面のフォトレジスト膜を処理液により除去する枚葉式洗浄機における基板処理方法に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
半導体基板やガラス基板等の各種基板の表面処理を目的として、基板を処理液により洗浄処理することが広く行われている。例えば半導体基板の表面に形成されているフォトレジスト膜を剥離除去するプロセスでは、処理液として濃硫酸と過酸化水素水との混合液(硫酸過酸化水素水、Sulfuric acid and hydrogen Peroxide Mixture:SPM)が使われる。例えば特許文献1に記載の技術では、枚葉式洗浄機において、基板が水平姿勢に保持されて所定速度で回転され、その上方に配置されたノズルからSPMが吐出される。
【0003】
SPMとは、式(1)に示す硫酸と過酸化水素の反応によって生成されるペルオキソ一硫酸(H

SO

)という酸化剤を利用するもので、一旦フォトレジスト膜の除去に使用されるとペルオキソ一硫酸は消費され無くなる。よって、この使用された溶液を再利用するためには、再び過酸化水素を添加する必要がある。しかし、式(1)からわかるように、過酸化水素を添加するとH

O(水)が副生され、硫酸濃度が低下する。


SO

+ H



→ H

SO

+ H

O 式(1)
【0004】
硫酸濃度が低下するとフォトレジスト膜の除去性能が大きく低下するため、過酸化水素を添加して再利用する回数は1回もしくは2回程度となる。また、過酸化水素を添加しての再利用では最初のSPMとは硫酸濃度が異なるため、ものづくりは同じ工程でなされるべきとの観点から、一度の使用でSPMを廃棄される半導体メーカーが多く、フォトレジスト膜の除去に大量の硫酸と過酸化水素水を使用している。その薬剤の購入費用及び廃液処理に要する費用が大きく、半導体の価格を押し上げている。
【0005】
また、半導体製造装置には、バッチ式と枚葉式の大きく分けて2つのタイプがある。バッチ式は多数の基板を同時にまとめて処理するタイプで、一方、枚葉式は1枚ずつ処理していくタイプである。
近年は1つの製品をたくさん作る少品種大量生産よりも、沢山の種類の製品を少数作る多品種少量生産の流れになってきていることから、バッチ式のメリットが活かせなくなってきている。また、半導体IC回路の線幅も細くなってきたため、微粒子等の不純物の寸法は小さく、かつ単位面積当たりに付着する量も少なくすることを求められている。そこで、製造装置、特に洗浄装置では枚葉式の採用が増えている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5127325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1にあるように、SPMは硫酸1に対し0.1から0.35の流量の比率で過酸化水素水を混合する。この混合後の硫酸濃度は、76.9質量%から87.8質量%となる。
本願発明者は、硫酸溶液は硫酸濃度が低いと親水性を、濃度が高くなると疎水性を帯び、75質量%を超えるとフォトレジストを溶解できるということ、次に硫酸濃度が低いほど硫酸温度を高める必要があることの知見を得ている。さらには、SPMのように酸化剤が存在する処理液を使用するとフォトレジストを除去できる硫酸濃度もしくは硫酸温度を低くする方向に働くことも知見として得ている。
酸化剤を含まない硫酸を処理液として使用する場合、硫酸濃度もしくは硫酸温度を若干高める必要はあるが、フォトレジストを効果的に溶解することができる。しかし溶解するだけなので、繰り返し使用するためには硫酸からフォトレジストを二酸化炭素と水に分解する必要がある。
【0008】
フォトレジストを溶解した硫酸を電気分解すると、陽極で式(2)に示す反応によりペルオキソ二硫酸(H





、酸化還元電位2.01V)というSPMで得られるペルオキソ一硫酸(酸化還元電位1.81V)よりも酸化還元電位の高い強酸化剤を生成することができる(図2参照)。
2H

SO

→ H





+ 2H

+ 2e

式(2)
このペルオキソ二硫酸を高温にすると式(3)によって硫酸ラジカルとなり、硫酸中に溶解したフォトレジスト(Rとする)を式(4)にように有機物ラジカルに変化させ、反応性を高め、最終的に二酸化炭素と水に分解する。




2-
→ 2SO


・ 式(3)
SO


・ + R → R・ + HSO


式(4)
フォトレジストを除去した硫酸は、再びフォトレジスト膜の除去に使用することができ、る。
【0009】
本発明は上記事情を背景としてなされたものであり、フォトレジスト等を基板から取り除いた硫酸溶液を繰り返し使用することを可能にする基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明の基板処理方法のうち、第一の形態は、枚葉式洗浄機を使用して基板表面のフォトレジスト膜を処理液により除去する基板処理方法において、枚葉式洗浄機内で前記基板を保持し、前記基板の面と交差する軸で前記基板を回転させるとともに、前記基板の表面に前記処理液として硫酸溶液を放出し、前記基板から離脱したフォトレジストを含む硫酸溶液を回収し、回収した前記硫酸溶液を電気分解してフォトレジストを分解し、前記フォトレジストが分解された前記硫酸溶液を再び枚葉式洗浄機に戻し基板の表面のフォトレジスト膜の除去に使用し、
前記基板に放出する硫酸溶液の硫酸濃度が85質量%~96質量%であり、
前記基板に放出する硫酸溶液の温度が、前記硫酸溶液の硫酸濃度が95質量%超~96質量%では130℃~200℃とし、硫酸濃度が90質量%超~95質量%では150~200℃とし、硫酸濃度が85質量%~90質量%では170~200℃とすることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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