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公開番号2024125972
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023047311
出願日2023-03-06
発明の名称ヘッドホン
出願人個人
代理人
主分類H04R 1/10 20060101AFI20240911BHJP(電気通信技術)
要約【課題】ヘッドホンにおいて、音源が頭部前方に離間して配置された状態である実際に近い音場を再現し、全周波数域に対しての良好な前方定位特性を実現する。
【解決手段】スピーカユニット1がそれぞれのケース3に頭部の斜め前方に配置された高音用のサブスピーカユニット4、5と、頭部側方に配置された低音用のサブスピーカユニット6が組み込まれ、高音用のサブスピーカユニット4、5には、前方の圧電素子型スピーカ、後方の圧電素子型スピーカが設けられ、後方の圧電素子型スピーカの出力が前方の圧電素子型スピーカの四隅に設けられた出力ポートから出力される様にするとともに、低音用のサブスピーカユニット6の出力は、ケース3のダクト15を介して高音用のサブスピーカユニット4、5の両側部に配置されている出力ポート16、17、18から出力する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
左右スピーカユニットがそれぞれのケース部材に頭部斜め前方に配置された高音用のサブスピーカユニットと頭部側方に配置された低音用のサブスピーカユニットが組み込まれ、低音用のサブスピーカユニットの出力は、ケース部材内のダクトを介して高音用のサブスピーカユニットの両側部に配置された低音用の出力ポートから出力される開放型ヘッドホン。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
請求項1において、高音用のサブスピーカユニットは2個縦方向に配置される事。
【請求項3】
請求項1において、高音用のサブスピーカユニットは2個のプレート型の圧電素子スピーカがその出力方向を外向きに重ねられて配置され、後方の圧電素子スピーカによる出力が前方の圧電素子スピーカの四隅の出力ポートに導かれている事。
【請求項4】
請求項1において、低音用のサブスピーカユニットは2個のムービングコイル型スピーカがその出力方向を内向きに重ねられて配置されている事。
【請求項5】
請求項3においてスピーカユニットからの出力が平面波となる様に、スピーカユニットの出力面と低音用のムービングコイル型スピーカ、高音用の圧電素子スピーカとの音の通路長さの違いに相当する時間遅れを、圧電素子スピーカそれぞれへの駆動信号に持たせる事。
【請求項6】
請求項1において、スピーカユニットとアームバンドの結合部は頭部前後方向位置の調整が可能な軸を持ち、この軸を中心にスピーカユニットの出力面が垂直になる様に調整可能であり、アームバンドは高さ方向に長さが調整可能である事。
【請求項7】
請求項1において、イヤーパッドがスピーカユニットに対し球面形状の合わせ面を持つ部材により回転可能に保持される事。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はヘッドホンの前方定位性能の改善に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
ヘッドホンは一般的に、両耳に直接スピーカを装着する構成になっている。この構成では音源の中心が頭部の中に存在するという実際と異なった不自然な聞こえ方になる。これに対して音源の中心が頭部の前方に定位するというより自然な聞こえ方の実現が望まれている。
これに対する解決手段として、たとえば頭部模型によるバイノーラル録音があるが前方に定位する特性としては不十分である。また、特許文献1(図9)のように頭部の前方にスピーカを設けるという手段も提案されている。そこでは、前方側にスピーカ28、後方側にスピーカ27が配置されている。そしてサラウンド感を増す方法として反射板でスピーカの音波を反射させ後方側のスピーカ28の位置を頭部から離間して聞こえるようにすると提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-101489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記図9の装置では、頭部に装着ということから大型のスピーカでは重量が大きくなるため、小型のスピーカに制限されるためスピーカの出力面が小さくなり、音波の形状がスピーカを中心とする球面波となり左右スピーカの中心が音源の位置として認識されてしまい、前方定位特性が不十分であると言う問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ヘッドホンの左右スピーカユニットをそれぞれ頭部斜め前方の縦方向に配置された2個の高音用のサブスピーカユニットと頭部側方の1個の低音用のサブスピーカユニットで構成する。これらのサブスピーカユニットはスピーカユニットのケース部材に組み込まれ、低音用のサブスピーカユニットの出力は、ケース部材内のダクトを介して高音用のサブスピーカユニットの両側部に配置されている出力ポートから出力される。
高音用のサブスピーカユニットは2個のプレート型の圧電素子スピーカがその出力方向を外向きに前後に重ねられて配置され、後方の圧電素子スピーカによる出力が前方の圧電素子スピーカの四隅から出力される。
低音用のサブスピーカユニットは、2個のムービングコイル型スピーカがその出力方向を内向きに重ねられて配置される。
スピーカユニットの出力面と低音用のムービングコイル型スピーカ、高音用の圧電素子スピーカとの音の通路長さの違いに相当する時間遅れを圧電素子スピーカそれぞれへの駆動信号に持たせる。
【発明の効果】
【0006】
頭部の広い範囲に低周波数域から高周波数域まで十分な音圧を持つほぼ平面波の音波を送る事が可能となり音源が頭部前方に離間して配置された状態である実際に近い音場を再現出来、良好な前方定位特性を実現する。
また、低音用のサブスピーカユニットでは、2個のムービングコイル型スピーカの駆動力の反力が相殺され頭部装着装置の振動の発生を防ぐ事が可能となる。
高音用のサブスピーカユニットが圧電素子型スピーカで構成されるため、優れた高音域の出力特性を持つ、軽量で装着性の良好な開放型ヘッドホンが実現出来る。
低音用のサブスピーカユニットは、出力面積、出力音圧の大きなムービングコイル型スピーカで構成され、優れた低音域の出力特性を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の実施例の外形図である。
図1の断面A-Aである。
図2の断面B-Bである。
図3の断面C-Cである。
図2の断面D-D、E-Eである。
図3の断面F-Fである。
図3の断面G-Gである。
本発明の実施例の周波数特性である。
先行技術文献の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0008】
図1は、本発明の実施例である。ヘッドホンは右側スピーカユニット1、左側スピーカユニット2、ヘッドアーム21、左右のイヤーパッド19、20から構成される。
左右スピーカユニットの出力面は、それぞれ頭部斜め前方から頭部へと向いている。
図2に示す様に、右側スピーカユニット1のケース3には縦方向に配置された高音用のサブスピーカユニット4、5と低音用のサブスピーカユニット6が組み込まれている。低音用のサブスピーカユニット6の出力は、図3に示すケース3のダクト15から図6に示す通路を経て、図2に示す高音用のサブスピーカユニット4、5の側部に設けられた出力ポート16、17、18より出力される。左側スピーカユニット2は、右側スピーカユニット1と左右対称で同一構成である。
高音用のサブスピーカユニット4、5は同一構造であり、図5に示す様に圧電素子スピーカ7、8から構成され、その出力方向を外向きに前後に重ねられて配置され後方の圧電素子スピーカ8の出力が前方の圧電素子スピーカ7の四隅に設けられた出力ポート9から出力される。
また、図3、図4に示す様に低音用のサブスピーカユニット6は同一構造の2個のムービングコイル型スピーカがその出力方向を内向きに重ねられて配置されている。振動板10、コイル11、磁石12、13、振動板10を支えるエッジ14でムービングコイル型スピーカが構成されている。2個のムービングコイル型スピーカの出力はダクト15へと出力され図6に示す通路を経て、高音用のサブスピーカユニット4、5の側部に設けられた出力ポート16、17、18より出力される。
低音用のサブスピーカユニットへの駆動信号と、高音用のサブスピーカユニットへの駆動信号はお互いの出力が干渉しないように、それぞれローパスフィルタ、ハイパスフィルタがかけられ、出力周波数特性は図8に示す特性となる。25が低音用のサブスピーカユニットの周波数特性、26が高音用のサブスピーカユニットの周波数特性である。
スピーカユニットからの出力が平面波となる様に、スピーカユニットの出力面と低音用のムービングコイル型スピーカ、高音用の圧電素子スピーカとの音波通路の長さの違いに相当する時間遅れを圧電素子スピーカそれぞれへの駆動信号に持たせる。
この構成により頭部の広い範囲に低周波数域から高周波数域まで十分な音圧を持つほぼ平面波の音波を送る事が可能となり音源が頭部前方に離間して配置された状態である実際に近い音場を再現出来、良好な前方定位特性が実現する。
また、低音用のサブスピーカユニットでは、2個のムービングコイル型スピーカが出力方向を内向きに重ねられて配置されているのでムービングコイル型スピーカの駆動力の反力が相殺され頭部装着装置の振動の発生を防ぐ事が可能となる。
図1に示すスピーカユニット1、2とヘッドアーム21の結合部は頭部前後方向位置の調整が可能な軸を持ち、この軸を中心に結合部が回転可能であり、スピーカユニットの出力面が垂直になる様に調整可能である。ヘッドアーム21は高さ方向に長さが調整可能である。
イヤーパッド19は、図3、図7に示す様に示す様にスピーカユニット1と保持部材22、23、24により球面形状の合わせ面で位置決めされ、回転可能に保持され装着時、頭部形状に倣う様になっている。
【符号の説明】
【0009】
1 スピーカユニット
2 スピーカユニット
3 ケース
4 高音用のサブスピーカユニット
5 高音用のサブスピーカユニット
6 低音用のサブスピーカユニット
7 圧電素子スピーカ
8 圧電素子スピーカ
9 出力ポート
10 振動板
11 コイル
12 磁石
13 磁石
14 エッジ
15 ダクト
16 出力ポート
17 出力ポート
18 出力ポート
19 イヤーパッド
20 イヤーパッド
21 ヘッドアーム
22 保持部材
23 保持部材
24 保持部材
25 低音用のサブスピーカユニットの周波数特性
26 高音用のサブスピーカユニットの周波数特性
27 スピーカ
28 スピーカ

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