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公開番号2024125630
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033569
出願日2023-03-06
発明の名称シリコーン組成物
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C08L 83/04 20060101AFI20240911BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】従来のシリコーングリースに比べ、高い熱伝導率と良好な接着性を有するシリコーングリースを与えることができるシリコーン組成物を提供する。
【解決手段】(A)1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm2/sであるオルガノポリシロキサン、(B)特定の加水分解性オルガノポリシロキサン、(C)金属酸化物又は金属窒化物からなる群より選択される少なくとも1種の熱伝導性充填剤、(D)特定のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(E)(D)とは異なる特定のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(F)特定の加水分解性オルガノポリシロキサン、(G)白金族金属触媒、及び(H)反応制御剤を含有するシリコーン組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(A)~(D)成分を含有するシリコーン組成物。
(A)1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm

/sであるオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)下記一般式(1)で示される加水分解性オルガノポリシロキサン:100~600質量部
TIFF
2024125630000022.tif
27
65
(式中、R

は、互いに独立に炭素数1~6のアルキル基であり、rは、5~100の整数である)
(C)金属酸化物及び金属窒化物からなる群より選択される少なくとも1種の熱伝導性充填剤:4,001~12,000質量部
(D)下記一般式(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:1.0~8.0質量部
TIFF
2024125630000023.tif
28
89
(式中、n、mは、それぞれ0より大きい数で、5.0≦n+m≦100、n/(n+m)≦0.5を満足する数であり、R

は、互いに独立に、炭素数1~6のアルキル基である。)
(E)下記一般式(3)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:1.0~7.0質量部
TIFF
2024125630000024.tif
47
93
(式中、oは、1~8の整数、R

は、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基又はR

であり、ただしR

で示される基のうち2つ又は3つは水素原子である。上記R

は、炭素原子又は酸素原子を介してケイ素原子に結合しているエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エーテル基、及びトリアルコキシシリル基からなる群より選択される基である。)
(F)下記一般式(4)で示される加水分解性オルガノポリシロキサン:1~30質量部
TIFF
2024125630000025.tif
27
101
(式中、p、qは、それぞれ1.0以上の数で、5.0≦p+q≦100を満足する数であり、R

は、互いに独立に炭素数1~6のアルキル基であり、R

は、炭素数2~6のアルケニル基である。)
(G)白金族金属触媒:有効量
(H)反応制御剤:0.05~5.0質量部
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
(C)成分が、下記(C-1)~(C-3)成分を含む請求項1記載のシリコーン組成物。
(C-1)平均粒径が10μm以上30μm未満であり、200メッシュ金網で振るった残分が1.0質量%未満の窒化アルミニウム粒子
(C-2)平均粒径が1μm以上10μm未満の金属酸化物又は金属窒化物
(C-3)平均粒径が0.1μm以上1μm未満の金属酸化物又は金属窒化物
【請求項3】
硬化物の熱伝導率が、4.0W/m・K以上である請求項1記載のシリコーン組成物。
【請求項4】
シリコーン組成物の硬化物を発熱部材と冷却部材との間に介在させた半導体装置であって、
上記硬化物の層が、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物の硬化物からなり、その厚さが100μm以下である半導体装置。
【請求項5】
請求項2記載のシリコーン組成物の製造方法であって、
予め(C-1)~(C-3)成分を(A)成分及び(B)成分と混合する工程を含むシリコーン組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン組成物に関する。詳細には、高熱伝導性のシリコーングリースを与えるシリコーン組成物に関し、熱伝導性充填剤を多量に含有しても接着性が良好であるグリースを与えることができるシリコーン組成物に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
LSIやICチップ等の電子部品は、使用中の発熱及びそれによる性能の低下が広く知られており、これを解決するための手段として様々な放熱技術が用いられている。一般的な方法としては、発熱部の付近に冷却部材を配置し、両者を密接させたうえで冷却部材から効率的に除熱することにより放熱を行っている。その際、発熱部材と冷却部材との間に隙間があると、熱伝導性の悪い空気が介在することにより熱伝導率が低下し、発熱部材の温度が十分に下がらなくなってしまう。このような現象を防止するために、空気の介在を防ぐ目的として、熱伝導率がよく、部材の表面に追随性のある放熱材料、例えば、放熱グリースや放熱シートが用いられている。
【0003】
放熱グリースの中には、半導体チップとヒートスプレッダーを強固に接着させるためにグリースに接着性能を付与したものがある。半導体チップとヒートスプレッダーがグリースを介して十分に接着していないと、放熱性能が十分に発揮されず、著しい性能の低下を引き起こすことがある。そのため、半導体チップとヒートスプレッダーとの間をグリースにより強固に接着させることは重要である。しかし、放熱グリースの熱伝導率を向上させるためには熱伝導性充填剤を大量に充填する必要もある。熱伝導性充填剤をグリース中に大量に充填すると、得られる硬化物の接着性が低下するという問題がある。接着性が低下すると、発熱と冷却の熱履歴による半導体チップの歪みに硬化物が追従できなくなり剥離を生じ、最悪の場合、半導体チップの破損を起こす可能性があることが広く知られている。
【0004】
特許文献1には、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、熱伝導性充填剤、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、アルコキシシリル基及びエポキシ基の少なくとも一方を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、並びに白金系触媒を必須成分として含有する熱伝導性シリコーングリース組成物が記載されている。しかし、実施例をみると、熱伝導率が2.0W/mKを超えるものはなく不十分である。
【0005】
特許文献2は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、加水分解性メチルポリシロキサン、熱伝導性充填剤、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、トリアジン環及びアルケニル基含有接着助剤、並びに白金系触媒を必須成分として含有する熱伝導性シリコーングリース組成物を記載している。しかし、実施例をみると、熱伝導率が3.0W/mKを超えるものはなく不十分である。特許文献3には、脂肪族不飽和炭化水素基を有しないシリコーンレジンを含む熱伝導性シリコーン組成物を記載されており、該組成物は、高い接着力を有する放熱グリースを提供できると記載されている。しかし、実施例をみると、熱伝導率が4.0W/mKを超えるものはなく不十分である。
【0006】
近年、高品位機種の半導体装置において動作時の発熱量が益々増大している。しかし、従来のシリコーングリースは、熱伝導率が十分でないという問題や、熱伝導率は高いが接着性が低いという問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2012-067153号公報
特開2012-102283号公報
特開2016-053140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みなされたものであり、従来のシリコーングリースに比べ、高い熱伝導率と良好な接着性を有するシリコーングリースを与えることができるシリコーン組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、脂肪族不飽和炭化水素基含有オルガノポリシロキサン、加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン、熱伝導性充填剤、特定構造を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び白金族金属触媒を含有するシリコーン組成物が、熱伝導性充填剤を多量に含有しても良好な接着性を有するシリコーングリースを与えることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
即ち、本発明は、下記のシリコーン組成物を提供する。
1. 下記(A)~(D)成分を含有するシリコーン組成物。
(A)1分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃での動粘度が60~100,000mm
2
/sであるオルガノポリシロキサン:100質量部
(B)下記一般式(1)で示される加水分解性オルガノポリシロキサン:100~600質量部
TIFF
2024125630000001.tif
27
65
(式中、R
1
は、互いに独立に炭素数1~6のアルキル基であり、rは、5~100の整数である)
(C)金属酸化物及び金属窒化物からなる群より選択される少なくとも1種の熱伝導性充填剤:4,001~12,000質量部
(D)下記一般式(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:1.0~8.0質量部
TIFF
2024125630000002.tif
28
89
(式中、n、mは、それぞれ0より大きい数で、5.0≦n+m≦100、n/(n+m)≦0.5を満足する数であり、R
2
は、互いに独立に炭素数1~6のアルキル基である。)
(E)下記一般式(3)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:1.0~7.0質量部
TIFF
2024125630000003.tif
47
93
(式中、oは、1~8の整数、R
3
は、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基又はR
4
であり、ただしR
3
で示される基のうち2つ又は3つは水素原子である。上記R
4
は、炭素原子又は酸素原子を介してケイ素原子に結合しているエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エーテル基、及びトリアルコキシシリル基からなる群より選択される基である。)
(F)下記一般式(4)で示される加水分解性オルガノポリシロキサン:1~30質量部
TIFF
2024125630000004.tif
27
101
(式中、p、qは、それぞれ1.0以上の数で、5.0≦p+q≦100を満足する数であり、R
5
は、互いに独立に炭素数1~6のアルキル基であり、R
6
は、炭素数2~6のアルケニル基である。)
(G)白金族金属触媒:有効量
(H)反応制御剤:0.05~5.0質量部
2. (C)成分が、下記(C-1)~(C-3)成分を含む1のシリコーン組成物。
(C-1)平均粒径が10μm以上30μm未満であり、200メッシュ金網で振るった残分が1.0質量%未満の窒化アルミニウム粒子
(C-2)平均粒径が1μm以上10μm未満の金属酸化物又は金属窒化物
(C-3)平均粒径が0.1μm以上1μm未満の金属酸化物又は金属窒化物
3. 硬化物の熱伝導率が、4.0W/m・K以上である1又は2のシリコーン組成物。
4. シリコーン組成物の硬化物を発熱部材と冷却部材との間に介在させた半導体装置であって、
上記硬化物の層が、1~3のいずれかの組成物の硬化物からなり、その厚さが100μm以下である半導体装置。
5. 2のシリコーン組成物の製造方法であって、
予め(C-1)~(C-3)成分を(A)成分及び(B)成分と混合する工程を含むシリコーン組成物の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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