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公開番号2024125273
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-18
出願番号2024024186
出願日2024-02-21
発明の名称ケミカルリサイクル法によるポリエステル廃棄物からの再生ポリエステルの製造
出願人プラスタ・レイ・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ,Plasta Rei S.r.l.
代理人個人,個人,個人
主分類C08J 11/24 20060101AFI20240910BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】未使用のプラスチック材料と同等の化学的‐物理的‐機械的特徴を有する精製品を得る方法に関する。
【解決手段】(a)PETの汚れたポストコンシューマプラスチックの前処理工程によって、色および形態の区別なく得られる、解糖工程に適したフレーク状原料を提供する工程、(b)解糖による化学的解重合によって、中間体であるBHETをベースとする「解糖生成物(GP)」と少量の低分子量オリゴマーとの混合物を得る工程、(c)イオン交換樹脂と吸着剤を用いて、汚染物質と色を除去し、次いで、プラスチックから分離した顔料を回収し、次いで、蒸発および濃縮反応により、PET製造の中間体である純粋なBHETモノマーを得ることにより、GPを精製する工程、(d)ポリエステルを得るための純粋な中間モノマーの重縮合反応、および固相結晶化を目的とした後続のペレットの造粒を含むか、またはそれらから成るポリマー材料の製造方法に関する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
(a)解糖工程に適したフレークの形態のポリエチレンテレフタレートの原料を提供する工程、
(b)解糖による化学的解重合によって、中間体であるビス‐2‐ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)をベースとする解糖生成物と少量の低分子量オリゴマーとの混合物を得る工程、
(c)イオン交換樹脂と吸着剤を用いて汚染物質と色を除去し、純粋なBHETモノマーを得る工程
を含むか、またはそれらから成り、
前記原料は、好ましくは、ポリエステルテレフタレート、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)の汚れたポストコンシューマプラスチックの前処理工程によって、色および形態の区別なく得られる、ポリマー材料を製造する方法。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
工程(a)~(c)、および
更に(d)工程(c)からの純粋なBHETモノマーを重縮合により反応させて、ポリエチレンテレフタレートを得て、次いで、生成したポリエチレンテレフタレートを固相で結晶化させる工程
を含むか、またはそれらから成る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリエチレンテレフタレート(PET)の原料が、廃棄物の回収または工業生産廃棄物から入手可能な形態および種類の、ポストコンシューマの淡色「水色」の不透明ボトル、ガス用または金属用またはポリオレフィン用のバリアポリマーと結合したPETの層を有するポストコンシューマの多層物品、印刷されたPET層、織物などのPET繊維またはフィルム、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルテレフタレート、を含むか、またはそれらから成る、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記工程(a)が以下の工程:
(a1)乾燥、他の化学組成の材料の分離、金属含有量の分離、およびプラスチック材料フレークを提供する粉砕の一連の工程による、受入材料の機械的‐物理的前処理
を含むか、またはその工程から成る、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記工程(b)が、以下の工程:
(b1)モノエチレングリコールと前処理工程(A)から得られるフレークとの混合物から構成されるペーストを、解重合反応のために作製する工程、
(b2)過剰のモノエチレングリコールの存在下で解糖反応を行い、ビス‐2‐ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)および少量の低分子量オリゴマーを得る工程
を含むか、またはそれらから成る、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記工程(b1)が以下の条件下:
8:1~2:1、好ましくは3:1~4:1で構成されるMEG:PETのモル比、
100℃~200℃、好ましくは140℃~160℃で構成される温度
で実施され、および/または
前記工程(b2)は、解糖触媒、好ましくは炭酸ナトリウム、塩化亜鉛および酢酸亜鉛から選択される解糖触媒の存在下、以下の条件:
8:1~2:1、好ましくは3:1~4:1で構成されるMEG:PETのモル比、
0.2~1.5重量%、好ましくは約0.5~1重量%の触媒比率、
160℃~260℃、好ましくは180℃~250℃で構成される温度、
2~8時間、好ましくは4~8時間で構成される反応時間
で実施され、
この方法が、工程(b2)からの生成物の機械的濾過工程を任意に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記工程(c)が以下の工程:
(c1)金属カチオン、アニオンおよび顔料または着色料などの化学タイプの不純物を除去し、精製された、透明で、ほとんど無色のBHETモノマーを得るために、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂および必要に応じて脱色吸着剤を用いて、解糖生成物を精製および脱色する工程、
(c2)工程(c1)からの樹脂を溶媒で洗浄し、次いで、溶媒を蒸留することにより、脱色工程中に廃棄された顔料または着色料を回収する工程、
(c3)後続の重縮合工程を促進するために、過剰のグリコールを除去するのに適した蒸発および濃縮による解糖生成物の精製
を含むか、またはそれらから成る、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記工程(c1)が以下の条件下:
10:1~1:1、好ましくは2:1~1:1で構成される解糖生成物/樹脂の体積比、
50℃~180℃、好ましくは70℃~120℃で構成される温度、
1~4時間、好ましくは1~2時間で構成される滞留時間
で実施され、および/または
前記工程(c2)が以下の条件下:
1:10~1:2、好ましくは1:5~1:7で構成される樹脂/溶媒の体積比、
1~4時間、好ましくは1~2時間で構成される洗浄時間、
40℃~80℃、好ましくは40℃~60℃で構成される蒸留温度、
1000~100mBar、好ましくは1000~500mBarで構成される圧力、
10分~1時間、好ましくは10分~30分で構成される蒸留時間
で実施され、および/または
前記工程(c3)は、以下の条件下:
100℃~250℃、好ましくは110℃~140℃で構成される温度、
25~500mBar、好ましくは25~200mBarで構成される圧力、
1時間~9時間、好ましくは3時間~8時間で構成される滞留時間
で実施され、
任意に、得られた純粋なBHETは、120℃~180℃で構成される温度で、溶融状態で貯蔵される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記工程(d)が以下の工程:
(d1)ポリエチレンテレフタレート(PET)を得るための、ルイス酸触媒および1つの酸安定剤の存在下、真空下で、工程(c3)からのBHETの重縮合重合反応、
(d2)非晶質相のPETをペレット化し、非晶質PETを固相結晶化して、結晶性ペレットを得る工程
を含むか、またはそれらから成る、請求項2~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(d1)が、約0.025重量%~0.035重量%、または約0.030重量%の触媒、および0.0025重量%~0.0035重量%、または約0.0030重量%の安定剤の存在下で実施され、触媒が好ましくは酸化アンチモン(Sb



)であるか、または酸化チタン(TiO

)であり、安定剤が好ましくはリン酸(H

PO

)である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、解糖反応による廃ポリエステルのケミカルリサイクル法および精製方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【0002】
より詳細には、本発明は、ケミカルリサイクル技術によって再生されたポリエチレンテレフタレートから成るポリマー材料を、解糖とそれに続く重合によって作製し、未使用のプラスチック材料と同等の化学的‐物理的‐機械的特徴(高固有粘度と高分子量)を有する精製物を得る方法に関する。
【0003】
解糖工程により製造された中間体は、最終反応工程が同じであるため、従来のPET製造プラントで容易に再重合することができる。
【背景技術】
【0004】
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、最も一般的に使用されているプラスチックの1つであり、1988年にプラスチック工業会(the Society of the Plastics Industry)によって提案されたプラスチック容器の自主的コード化システム(the Voluntary Plastic Container Coding System)に従って記号「1」で識別される。特に使い捨て飲料用ボトルや繊維の生産に使用されている。
【0005】
PETは主に2つの工業的方法から製造されるポリエステルであり、1つ目は二酸であるテレフタル酸(TPA)およびモノエチレングリコール(MEG)ジオールと中間体であるビス‐2‐ヒドロキシエチルテレフタレートモノマー(BHET)とから製造される。出発原料の2つの官能基価により、縮合により、機械的特性を決定する最終分子量のポリマー鎖を形成することができる。
【0006】
プラスチック製品、特にPETやポリエステルの寿命の管理は、埋立地に蓄積し、すでに憂慮すべき数のプラスチック汚染を増加させている廃棄物の発生を回避するために、基本的に重要である。
【0007】
しかし同時に、プラスチックポリマー市場では、食品分野(ボトルだけでなく、結合材料を使った容器の製造)、自動車分野、医薬品分野など、あらゆる分野で使用できるような品質特性を有する他のポリエステルの需要が継続的に高まっており、また、そのような材料をリサイクルし、益々性能を向上させるニーズも高まっている。
【0008】
そのような意味で、プラスチック廃棄物は、新しいプラスチック原料を生産するための循環型回収システムに挿入されたり、リサイクルが不可能な場合にエネルギーを生成するために挿入されたりすれば、実際に資源となることが可能である。
【0009】
現在までのところ、プラスチックの寿命の終わりを管理するために可能なシナリオは、メカニカルリサイクル、ケミカルリサイクル、エネルギー回収である。
【0010】
一般的にリサイクルは、「廃棄物の最終処分(End Of Waste)」という目的を達成するのに最適な方法である。つまり、特定の処理を施された廃棄物が、新しい製品として認められるような定性的特徴を有し、廃棄物でなくなる瞬間である。
(【0011】以降は省略されています)

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