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公開番号
2024124717
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-13
出願番号
2023032594
出願日
2023-03-03
発明の名称
ろ過フィルター
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
B01D
71/26 20060101AFI20240906BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】
半導体装置産業分野、精密工業部品分野及び医薬品等に使用される高純度薬品又は超純水の製造に用いられる微粒子を除去するための高性能なろ過フィルターを提供する。
【解決手段】 下記(1)~(3)の要件を満たすポリエチレン樹脂からなる、ろ過フィルター。
(1)溶出する0.1μm以上の微粒子数が25個/mL以下
(2)ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて得られる分子量分布曲線において、分子量1,000以下の成分が0.50重量%以下
(3)含有金属量が20ppm以下
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(1)~(3)の要件を満たすポリエチレン樹脂からなる、ろ過フィルター。
(1)ポリエチレン樹脂をブロー成形することで得られた内容積800mL容器に、クリーンルーム内で600mLの超純水を充填し、蓋をして設定温度40℃にて35日間保管後、溶出する0.1μm以上の微粒子数が25個/mL以下
(2)ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて得られる分子量分布曲線において、分子量1,000以下の成分が0.50重量%以下
(3)含有金属量が20ppm以下
続きを表示(約 170 文字)
【請求項2】
バブルポイント法(JIS K3832)により測定した孔径が1nm以上100nm以下である、請求項1に記載のろ過フィルター。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のろ過フィルターを備える、フィルター装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のろ過フィルターを備える、フィルターモジュール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置産業分野、精密工業部品分野及び医薬品等に使用される高純度薬品又は超純水の製造に用いられる、微粒子を除去するためのろ過フィルターに関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電子工業分野の著しい発達に伴って、高純度薬品又は超純水の需要が高まっている。高純度薬品は、例えば、大規模化、集積化されたLSI等の電子回路の製造に不可欠の薬品として使用されている。高純度薬品として具体的には、ウエハー洗浄・エッチング用、配線・絶縁膜エッチング用、治具洗浄用、現像液、レジスト希釈液、レジスト剥離液、乾燥用等の用途として、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、過酸化水素水、イソプロピルアルコール、キシレン、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、メタノール、酢酸、リン酸、アンモニア水、PGMEA(酢酸プロピレングリコールメチルエーテル)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、NMP(N-メチル-2-ピロリドン)等が用いられている。
【0003】
高純度薬品又は超純水に含まれる有機不純物、金属不純物などの微粒子は半導体デバイスの歩留まり低下、欠陥の原因となることから、近年、該微粒子の低減への要求は益々厳しくなっている。該微粒子を低減する方法としては、高純度薬品、超純水をフィルターでろ過する方法が一般的に用いられる(例えば、特許文献1~6参照。)。また、ポリエチレン樹脂からなる芯成分と鞘成分を備えた鞘芯型複合繊維からなり、繊維内部に含まれるNa、K、Ca、Fe、Cu、Mg、Mn、Li、Al、Cr、Ni、及び、Znの金属元素の含有量合計が40ppm以下であり、半導体製造工程において用いられる液体濾過フィルターを構成するポリエチレン系繊維が提案されている(例えば、特許文献7参照。)。さらに、フィルター部材に含まれる有機不純物を低減するため、フィルター部材を、アルコールに浸漬した後、水で洗浄する工程を2回以上繰り返すことを含む、フィルター部材の前処理方法が提案されている(例えば、特許文献8参照。)。また、ブロー成形により得られる容器の成形肌悪化を低減し、微粒子及び金属溶出を抑えた高純度薬品用容器に適したポリエチレン系樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献9参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-136413号公報
WO2022/004217号公報
WO2020/184306号公報
特表2022-525882号公報
特開2022-126355号公報
特許第6787165号公報
特許第6818038号公報
特開2022-136413号公報
特開2021-195436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~6に提案されたろ過フィルター又はろ過方法においては、フィルターを構成する部材に含まれる有機不純物及び金属不純物などの微粒子については何ら記載されていない。また、特許文献7に提案されたポリエチレン系繊維においては、金属元素の含有量合計が40ppm以下であるが、微粒子の原因物質である有機不純物については何ら記載されていない。さらに、特許文献8に提案されたフィルター部材の前処理方法においては、前処理方法について記載されているのみであり、前処理後の微粒子については何ら記載されていない。また、特許文献9に提案されたポリエチレン系樹脂組成物においては、ろ過フィルターについては何ら記載されていない。
【0006】
そこで、本発明は、有機不純物及び金属不純物などの微粒子の含有量が極めて低い高純度なポリエチレン樹脂からなるろ過フィルターを提供することを目的とするものであり、さらに詳しくは、半導体装置産業分野、精密工業部品分野及び医薬品等に使用される高純度薬品又は超純水の製造に用いられる微粒子を除去するためのろ過フィルターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、有機不純物、金属不純物などの微粒子の含有量が極めて低い高純度なポリエチレン樹脂からなるろ過フィルターが、半導体装置産業分野、精密工業部品分野及び医薬品等に使用される高純度薬品又は超純水の製造において、有機不純物及び金属不純物などの微粒子の溶出を抑制し、好適に使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明の各態様は、以下に示す[1]~[4]である。
[1]下記(1)~(3)の要件を満たすポリエチレン樹脂からなる、ろ過フィルター。
(1)ポリエチレン樹脂をブロー成形することで得られた内容積800mL容器に、クリーンルーム内で600mLの超純水を充填し、蓋をして設定温度40℃にて35日間保管後、溶出する0.1μm以上の微粒子数が25個/mL以下
(2)ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて得られる分子量分布曲線において、分子量1,000以下の成分が0.50重量%以下
(3)含有金属量が20ppm以下
[2]バブルポイント法(JIS K3832)により測定した孔径が1nm以上100nm以下である、ろ過フィルター。
[3][1]又は[2]に記載のろ過フィルターを備える、フィルター装置。
[4][1]又は[2]に記載のろ過フィルターを備える、フィルターモジュール。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高純度薬品又は超純水の製造において、有機不純物及び金属不純物などの微粒子の溶出を抑制できるろ過フィルターを提供することができ、その産業的価値は極めて高いものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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