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公開番号2024168689
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085566
出願日2023-05-24
発明の名称発酵水素の製造方法及び発酵水素の製造装置
出願人東ソー株式会社,国立大学法人横浜国立大学
代理人弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類C12P 3/00 20060101AFI20241128BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】高収率で発酵水素を製造することが可能であり、糖質の濃度が高い場合であっても、菌体の増殖阻害が起こりにくく、発酵水素を効率的に製造する方法を提供すること。
【解決手段】糖質を含む培地中、熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子の存在下で嫌気性細菌を培養して前記糖質から水素を生成させることを特徴とする発酵水素の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
糖質を含む培地中、熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子の存在下で嫌気性細菌を培養して前記糖質から水素を生成させることを特徴とする発酵水素の製造方法。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記熱可塑性ポリウレタン樹脂の比重が1.05~1.20であることを特徴とする請求項1に記載の発酵水素の製造方法。
【請求項3】
前記嫌気性細菌が通性嫌気性細菌であることを特徴とする請求項1に記載の発酵水素の製造方法。
【請求項4】
前記培地が液体培地であることを特徴とする請求項1に記載の発酵水素の製造方法。
【請求項5】
少なくとも水素の排出口を備える培養容器と、前記培養容器内に配置された、糖質を含む培地と、前記培地中に存在する嫌気性細菌及び熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子とを備えることを特徴とする発酵水素の製造装置。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリウレタン樹脂の比重が1.05~1.20であることを特徴とする請求項5に記載の発酵水素の製造装置。
【請求項7】
前記嫌気性細菌が通性嫌気性細菌であることを特徴とする請求項5に記載の発酵水素の製造装置。
【請求項8】
前記培地が液体培地であることを特徴とする請求項5に記載の発酵水素の製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、発酵水素の製造方法及び発酵水素の製造装置に関し、より詳しくは、嫌気性細菌を用いた発酵水素の製造方法及び発酵水素の製造装置に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
水素は、二酸化炭素を生成しないクリーンなエネルギーとして注目されており、様々な製造方法が検討されている。発酵法による水素生産もその一つであり、Clostridium属等の水素生成細菌(嫌気性細菌)を用いて糖質等の有機材料を水素発酵させる方法(例えば、特開2007-159457号公報(特許文献1)及び特開2021-3077号公報(特許文献2))が知られている。このような発酵法による水素生産において、例えば、Clostridium属の菌体をグルコースの存在下で培養した場合、理論上、グルコース1molから4molの水素が生成すると計算される。また、Enterobacter属の菌体をグルコースの存在下で培養した場合、中間体としてギ酸が生成し、このギ酸から水素が生成するため、理論上、グルコース1molから2molの水素が生成すると計算される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-159457号公報
特開2021-3077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実際には、グルコースが解糖される代謝経路には、水素生成に関与しない代謝が存在するため、グルコース1molからの水素の生成量が、Clostridium属では2mol程度、Enterobacter属では0.5~1mol程度となり、十分な水素収率は得られていなかった。また、従来の発酵法による水素生産では、水素生成量を増加させるためにグルコース等の糖質の濃度を高くしても、生成物である水素や二酸化炭素により菌体の増殖が阻害されるという問題もあった。このように、従来の発酵法による水素生産においては、菌体の増殖や水素の生成が十分ではなく、実用化に向けて、菌体の増殖率や水素収率の向上が課題となっている。
【0005】
そこで、本開示の一態様は、高収率で発酵水素を製造することが可能であり、糖質の濃度が高い場合であっても、菌体の増殖阻害が起こりにくく、発酵水素を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。また、本開示の他の態様は、高収率で発酵水素を製造することが可能であり、糖質の濃度が高い場合であっても、菌体の増殖阻害が起こりにくく、発酵水素を効率的に製造することが可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は以下の態様を提供する。
【0007】
[1]糖質を含む培地中、熱可塑性ポリウレタン樹脂粒子の存在下で嫌気性細菌を培養して前記糖質から水素を生成させる、発酵水素の製造方法。
【0008】
[2]前記熱可塑性ポリウレタン樹脂の比重が1.05~1.20である、[1]に記載の発酵水素の製造方法。
【0009】
[3]前記嫌気性細菌が通性嫌気性細菌である、[1]又は[2]に記載の発酵水素の製造方法。
【0010】
[4]前記培地が液体培地である、[1]~[3]のうちのいずれか1項に記載の発酵水素の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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