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公開番号2024124104
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023032045
出願日2023-03-02
発明の名称非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法
出願人日亜化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01M 4/525 20100101AFI20240905BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】非水電解質二次電池において、充放電容量を維持しつつ、出力特性を改善することができる正極活物質の製造方法を提供する。
【解決手段】層状構造を有し、リチウムおよびニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物を含む第1粒子を準備することと、前記第1粒子とコバルト化合物とを接触させてコバルト付着物を得ることと、前記コバルト付着物を500℃以上900℃以下の温度で熱処理して第2粒子を得ることと、前記第2粒子を液媒体と接触させて液媒体処理物を得ることと、前記液媒体処理物とホウ素化合物とを接触させてホウ素付着物を得ることと、を含む非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
層状構造を有し、リチウムおよびニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物を含む第1粒子を準備することと、
前記第1粒子とコバルト化合物とを接触させてコバルト付着物を得ることと、
前記コバルト付着物を500℃以上900℃以下の温度で熱処理して第2粒子を得ることと、
前記第2粒子を液媒体と接触させて液媒体処理物を得ることと、
前記液媒体処理物とホウ素化合物とを接触させてホウ素付着物を得ることと、を含む非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記ホウ素付着物を100℃以上450℃以下の温度で熱処理して熱処理物を得ることを更に含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記コバルト化合物は、酸化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト及び水酸化コバルトからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記コバルト化合物の接触量は、前記リチウム遷移金属複合酸化物のリチウム以外の金属原子の総モル数に対するコバルト原子のモル数の比率として、0.1モル%以上5モル%以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記液媒体は、水を含む請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記液媒体は、リチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属塩を含む請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記ホウ素化合物は、オルトホウ酸、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸アンモニウム、メタホウ酸リチウム及び酸化ホウ素からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記ホウ素化合物の接触量は、前記リチウム遷移金属複合酸化物のリチウム以外の金属原子の総モル数に対するホウ素原子のモル数の比率として、0.05モル%以上2モル%以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項9】
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム以外の金属元素の総モル数に対するニッケルのモル数の比が0.6以上1未満である組成を有する請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項10】
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、その組成にマンガンおよびアルミニウムの少なくとも一方を更に含み、リチウム以外の金属元素の総モル数に対するマンガンおよびアルミニウムの総モル数の比が0.02以上1未満である組成を有する請求項1又は2に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムなどの層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物は、作用電圧が高く、また大きな容量が得られるため、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラ等の電子機器の電源や車載用バッテリーとして広く用いられている。電子機器や車載用バッテリーの高機能化に伴い、更なる高容量化、充放電サイクル特性の向上に加えて安全性、出力特性等の向上が求められている。
【0003】
上記に関連して、ニッケルを高濃度に含むリチウム遷移金属複合酸化物に対して、コバルト及びホウ素を表面コーティングする技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2021-508154号公報
特表2021-508161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の一態様は、非水電解質二次電池において、充放電容量を維持しつつ、出力特性を改善することができる正極活物質の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一態様は、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法である。非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、層状構造を有し、リチウムおよびニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物を含む第1粒子を準備することと、前記第1粒子とコバルト化合物とを接触させてコバルト付着物を得ることと、前記コバルト付着物を500℃以上900℃以下の温度で熱処理して第2粒子を得ることと、前記第2粒子を液媒体と接触させて液媒体処理物を得ることと、前記液媒体処理物とホウ素化合物とを接触させてホウ素付着物を得ることと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、非水電解質二次電池において、充放電容量を維持しつつ、出力特性を改善することができる正極活物質の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに本明細書に記載される数値範囲の上限及び下限は、当該数値を任意に選択して組み合わせることが可能である。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法を例示するものであって、本発明は、以下に示す非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法に限定されない。
【0009】
非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法
非水電解質二次電池用正極活物質(以下、単に「正極活物質」ともいう)の製造方法は、層状構造を有し、リチウムおよびニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物を含む第1粒子を準備する準備工程と、第1粒子とコバルト化合物とを接触させてコバルト付着物を得る第1付着工程と、コバルト付着物を500℃以上900℃以下の温度で熱処理して第2粒子を得る第1熱処理工程と、第2粒子を液媒体と接触させて液媒体処理物を得る液媒体処理工程と、液媒体処理物とホウ素化合物とを接触させてホウ素付着物を得る第2付着工程と、を含む。正極活物質の製造方法は、ホウ素付着物を熱処理して熱処理物を得る第2熱処理工程を更に含んでいてもよい。正極活物質は、ホウ素付着物を含むものであってもよいし、熱処理物を含むものであってもよい。
【0010】
リチウム遷移金属複合酸化物の表面にコバルトを含む化合物を付着させた後に、液媒体で処理し、さらにホウ素を含む化合物を付着させることで、非水電解質二次電池において、充放電容量を維持しつつ、出力特性を改善することができる。これは例えば、以下のように考えることができる。コバルトを含む化合物を付着させることで出力特性、特に低充電状態(低SOC)における出力特性を改善することができる。さらに液媒体で処理した後にホウ素を含む化合物を付着させることで、ニッケルディスオーダーの上昇を抑制して充放電容量を高く維持しつつ低SOCにおける出力特性を改善することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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