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公開番号2024123832
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031566
出願日2023-03-02
発明の名称光ファイバ水素センサ、水素センサ装置、光ファイバ水素センサの製造方法、及び水素センサ構造体の製造方法
出願人学校法人 創価大学,株式会社コアシステムジャパン
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類G01N 21/17 20060101AFI20240905BHJP(測定;試験)
要約【課題】長期間の使用にわたる劣化が少なく、水素に対する感応性に優れた水素センサを提供する。
【解決方法】周囲の状態を感知するための感応層30として、(A)水素に反応する性質を有する水素反応微粒子31を含む水素反応層301と、(B)ポリカチオン層302又はポリアニオン層とを含み、前記水素反応層301は、該水素反応層301のイオン特性に応じて前記ポリカチオン層302又は前記ポリアニオン層を介して多重に積層されており、前記水素反応層301の複数層のうちの少なくとも1層には、更に、水素化触媒作用を有する水素化触媒微粒子33が固着されてなるものを備えた水素センサである。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
入射した光を伝送する光伝送部を有する光ファイバを備え、
前記光伝送部の途中には、周囲の状態の変化に応じて前記入射した光を受けた際の応答が変化する光応答部を有し、
前記光応答部の外側表面には、前記周囲の状態を感知するための感応層が形成されており、
前記感応層は、(A)水素に反応する性質を有する水素反応微粒子を含む水素反応層と、(B)ポリカチオン層又はポリアニオン層とを含み、
前記水素反応層は、該水素反応層のイオン特性に応じて前記ポリカチオン層又は前記ポリアニオン層を介して多重に積層されており、
前記水素反応層の複数層のうちの少なくとも1層には、更に、水素化触媒作用を有する水素化触媒微粒子が含まれ、
前記水素反応微粒子及び前記水素化触媒微粒子は同極に帯電した帯電微粒子であり、前記水素反応層のイオン特性を生じるように、前記水素反応層の1層あたりに該1層にわたって集積されており、
前記感応層は、前記水素化触媒微粒子による触媒作用を介して前記水素反応層に備わる前記水素反応微粒子が前記周囲に存する水素と反応することに応じて、又は該水素反応微粒子と反応した水素が前記周囲に放出されることに応じて、前記光応答部において前記入射した光を受けた際の応答に変化が与えられるように構成されている、光ファイバ水素センサ。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記水素反応微粒子として三酸化タングステン微粒子を含み、前記水素化触媒微粒子として白金ナノ粒子を含む、請求項1記載の光ファイバ水素センサ。
【請求項3】
前記光ファイバの前記光伝送部は、それぞれ所定径を有するコア及びクラッドからなる主要光伝送部と、前記主要光伝送部のコア及びクラッドに各々連なる他のコア及びクラッドからなるヘテロコア部であって、前記ヘテロコア部のコアが前記主要光伝送部のコアと異なる所定径を有してなる、該ヘテロコア部とを備え、
前記光ファイバの前記光応答部は、前記ヘテロコア部の前記クラッドの外側表面に前記感応層が形成されることにより構成される、請求項1記載の光ファイバ水素センサ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の光ファイバ水素センサを備える、水素センサ装置。
【請求項5】
入射した光を伝送する光伝送部を有する光ファイバであって、前記光伝送部の途中には、周囲の状態の変化に応じて前記入射した光を受けた際の応答が変化する光応答部を有する、該光ファイバの光応答部の外側表面に、前記周囲の状態を感知するための感応層を形成する工程を含む、光ファイバ水素センサの製造方法であって、
前記感応層の形成は、
(A)水素に反応する性質を有する水素反応微粒子を含む水素反応層を形成させるための水素反応層形成液と、
(B)ポリカチオン層又はポリアニオン層を形成させるためのポリカチオン層形成液又はポリアニオン層形成液と、を、
前記水素反応層が、該水素反応層のイオン特性に応じて前記ポリカチオン層又は前記ポリアニオン層を介して多重に積層されるように、前記光ファイバの光応答部の外側表面に適用することにより行い、
前記光ファイバの光応答部の外側表面への前記水素反応層形成液の適用の際、該水素反応層形成液に、水素化触媒作用を有する水素化触媒微粒子を含有せしめて一緒に適用する、少なくとも1回の工程を有し、
前記水素反応微粒子及び前記水素化触媒微粒子は同極に帯電した帯電微粒子であり、該微粒子を、前記水素反応層のイオン特性を生じるように、前記水素反応層の1層あたりに該1層にわたって集積し、
前記感応層は、前記水素化触媒微粒子による触媒作用を介して前記水素反応層に備わる前記水素反応微粒子が前記周囲に存する水素と反応することに応じて、又は該水素反応微粒子と反応した水素が前記周囲に放出されることに応じて、前記光応答部において前記入射した光を受けた際の応答に変化が与えられるように構成されている、光ファイバ水素センサの製造方法。
【請求項6】
水素に反応する性質を有する物資を帯電微粒子状に調製してなる該水素反応微粒子を含む第1液と、
アニオン性ポリマー又はカチオン性ポリマーを含む第2液と、
感応層を形成させる表面を有する基体と、を準備し、
前記感応層を、前記第1液と前記第2液とを前記基体の前記表面に交互に適用することで、前記水素反応微粒子を含む水素反応層を、該層のイオン特性に応じて前記アニオン性ポリマーを含む層又は前記カチオン性ポリマーを含む層を介して多重に積層することにより形成し、
前記第1液の前記基体への適用の際には、水素化触媒作用を有する水素化触媒微粒子であって前記水素反応層が有するイオン特性に相当するイオン特性を有するよう帯電微粒子状に調製してなる該水素化触媒微粒子を、前記第1液に含有せしめて適用する少なくとも1回の工程を含み、
前記水素反応微粒子及び前記水素化触媒微粒子を、前記水素反応層のイオン特性を生じるように、前記水素反応層の1層あたりに該1層にわたって集積し、
該感応層は、前記水素化触媒微粒子による触媒作用を介して前記水素反応層に備わる前記水素反応微粒子が周囲に存する水素と反応し、又は該水素反応微粒子と反応した水素を放出するように構成されている、水素センサ構造体の製造方法。
【請求項7】
前記水素反応微粒子として三酸化タングステン微粒子を含み、前記水素化触媒微粒子として白金ナノ粒子を含む、請求項6記載の水素センサ構造体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素を検知するための水素センサに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、次世代エネルギーとして水素が注目されている。例えば、燃料電池自動車や水素発電などへの応用が期待されている。このような水素社会への取り組みのなか、水素の安全な利用のためには、水素ガスの漏洩を効果的に検知することができるセンサの開発が望まれている。
【0003】
従来、水素センサとして光ファイバ型のものが知られている。光ファイバ型センサでは、入射した光を伝送する光伝送部の途中に、周囲の状態の変化に応じて入射した光を受けた際の応答が変化する光応答部(感応部)を設けて、周囲の状態を検知するようにしている。
【0004】
例えば、特許文献1には、光ファイバの光伝送部の一部から湿式エッチングによりクラッドを剥離して除去したうえ、触媒金属と固体化合物半導体を含む膜で埋めて光応答部とする水素センサが記載されている。この水素センサにおいては、周囲の水素濃度が高くなると、触媒金属で生じた水素原子が固体化合物半導体を還元して、その光応答部において剥離したクラッドを埋めた部分の光吸収性が増大して、光ファイバのコア内を進行する光の光量が減少するので、これにより周囲に存する水素を検知することができる。
【0005】
また、特許文献2には、光ファイバセンサの一種として知られるFBG(ファイバ・ブラッグ・グレーティング)センサを利用する方法が記載されている。特許文献2では、長尺の光ファイバに特定間隔でFBGを配置すると共に、該FBG部のクラッド周面に膜厚1μm以上の白金触媒担持酸化タングステン薄膜をゾルゲル法にて固定化したセンサについて記載されており、周囲環境の変化の前後でのFBG部を透過又は反射する光の波長特性が変化することから水素センサとして、またFBG部の位置を割り出すことにより、水素漏洩箇所を特定することができるものとされている。
【0006】
更に、特許文献3には、光ファイバの光伝送部の一部の外側表面に、表面プラズモン共鳴を励起することが可能な金属の膜と、その金属に膜の外周に形成された誘電体の膜と、その誘電体の膜の外周に形成された水素吸蔵金属の膜とを具備してなる水素センサについて記載されている。この水素センサにおいては、水素吸蔵金属が水素を吸蔵、放出することによる膜の誘電関数の変化によって生じる光ファイバの表面プラズモン共鳴に基づいて水素濃度を検知することによって、感応性や応答速度に優れた光ファイバ水素センサとなるものとされている。
【0007】
一方、特許文献4には、入射端から入射された光を出射端から出射する光ファイバと、 該光ファイバの周囲の水素濃度に応じて前記光を受けた際の応答が変化する光応答部とを備え、前記光応答部は、水素吸蔵物質のナノ粒子が疎である状態で固定されていることを特徴とする光ファイバ水素センサについて記載されている(特許文献4の請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2003-329592号公報
特開2005-351651号公報
特開2014-59300号公報
特開2019-32229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、本発明者らが着眼したところによると、上記特許文献1~3のように、水素に対する感応層を膜状に形成すると、長期間にわたって使用したとき、クラッキングや剥離などが生じてセンサ特性が劣化したりするおそれがあった。また、特許文献4によれば、感応層に固着させる水素吸蔵物質のナノ粒子を疎である状態とすることで、感応層の膨張や収縮が繰り返されることによるセンサ特性の劣化は防がれるものとされているが、当該ナノ粒子を疎である状態とすることで、かえって、水素に対する感応性が十分とはいえないケースがあった。
【0010】
よって、本発明の目的は、長期間の使用にわたる劣化が少なく、水素に対する感応性に優れた水素センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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