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公開番号
2025004475
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-15
出願番号
2023104188
出願日
2023-06-26
発明の名称
センサ
出願人
株式会社大真空
代理人
個人
主分類
G01N
27/00 20060101AFI20250107BHJP(測定;試験)
要約
【課題】電力を消費することなく、水分を検出できるセンサを提供する。
【解決手段】検出対象空間の内部に、イオン化傾向が異なる金属からなる一対の検出電極5,6と、水分を吸収して第1,第2電解質溶液となる第1,第2潮解性物質11,12とが、設置され、第1潮解性物質11は、正極となる一方の検出電極5を覆うように配置され、第1電解質溶液は、一方の検出電極5側に析出可能な金属のイオンを含み、第2潮解性物質12は、負極となる他方の検出電極6及び第1潮解性物質11を覆うように配置され、一対の検出電極5,6間に発生する起電力に基づいて、検出対象空間への水分の浸入を検出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
検出対象空間の水分を検出するセンサであって、
前記検出対象空間の内部に、イオン化傾向が異なる金属からなる一対の検出電極と、水分を吸収して第1電解質溶液となる第1潮解性物質と、水分を吸収して第2電解質溶液となる第2潮解性物質とが、設置され、
前記第1潮解性物質は、前記一対の検出電極の内の正極となる一方の検出電極を覆うように配置され、
前記第1電解質溶液は、前記一方の検出電極側に析出可能な金属のイオンを含み、
前記第2潮解性物質は、前記一対の検出電極の内の負極となる他方の検出電極及び前記第1潮解性物質を覆うように配置され、
前記一対の検出電極間に発生する起電力に基づいて、前記検出対象空間への水分の浸入を検出する、
ことを特徴とするセンサ。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記検出対象空間が、不活性ガス又は乾燥空気で気密封止されたパッケージの内部空間である、
請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記第2潮解性物質は、塩化カルシウム、水酸化ナトリウム、塩化マグネシウム、クエン酸、又は、炭酸カリウムのいずれかである、
請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記一対の検出電極の内の前記正極となる前記一方の検出電極が、金、又は、白金のいずれかの金属からなり、前記負極となる前記他方の検出電極が、亜鉛、鉄、又は、ニッケルのいずれかの金属からなる、
請求項2に記載のセンサ。
【請求項5】
前記一方の検出電極側に析出可能な前記金属が、銅である、
請求項2に記載のセンサ。
【請求項6】
前記一方の検出電極を構成する金属を第1金属M1とし、前記他方の検出電極を構成する金属を第2金属M2とし、前記一方の検出電極側に析出可能な前記金属を第3金属M3とし、前記第1金属M1、前記第2金属M2、前記第3金属M3のイオン化傾向を、それぞれ、I
M1
、I
M2
、I
M3
とし、水素のイオン化傾向I
H
としたときに、イオン化傾向I
M1
、I
M2
、I
M3
、I
H
が、下記の大小関係を満足する、
I
M2
>I
H
>I
M3
>I
M1
請求項1または2に記載のセンサ。
【請求項7】
前記一対の検出電極が形成された絶縁性の基体が、前記検出対象空間の内部に設置され、
前記基体は、外周部に比べて中央部が下方へ窪んだ凹部となっており、前記凹部内に、前記第1潮解性物質及び前記第2潮解性物質が配置される、
請求項2に記載のセンサ。
【請求項8】
前記基体が、水晶又はガラスからなる、
請求項7に記載のセンサ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサに関し、更に詳しくは、例えば、気密封止されたパッケージの内部空間に浸入した水分の検出に好適なセンサに関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
水分を検出するセンサ、例えば、湿度センサには、2つの電極間に、感湿膜を介在させ、湿度による前記2つの電極間の容量値またはインピーダンスの変化に基づいて、湿度を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-94663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように2つの電極間の容量値やインピーダンスの変化を検出するセンサでは、2つの電極間に常時電流を流しておく必要があり、電力を消費するという課題がある。
【0005】
本発明は、上記のような点に鑑みて為されたものであって、電力を消費することなく、水分を検出できるセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
【0007】
(1)本発明に係るセンサは、検出対象空間の水分を検出するセンサであって、前記検出対象空間の内部に、イオン化傾向が異なる金属からなる一対の検出電極と、水分を吸収して第1電解質溶液となる第1潮解性物質と、水分を吸収して第2電解質溶液となる第2潮解性物質とが、設置され、前記第1潮解性物質は、前記一対の検出電極の内の正極となる一方の検出電極を覆うように配置され、前記第1電解質溶液は、前記一方の検出電極側に析出可能な金属のイオンを含み、前記第2潮解性物質は、前記一対の検出電極の内の負極となる他方の検出電極及び前記第1潮解性物質を覆うように配置され、前記一対の検出電極間に発生する起電力に基づいて、前記検出対象空間への水分の浸入を検出する。
【0008】
本発明に係るセンサによると、検出対象空間に、水分を含む大気が浸入すると、第1,第2潮解性物質が水分を吸収して、第1,第2電解質溶液となり、イオン化傾向が大きい他方の検出電極の金属が、第2電解質溶液に溶け出して金属イオンになると共に、電子を放出し、他方の検出電極が負極となる。負極で放出された電子が、正極となる一方の検出電極へ流れ込んで、第1電解質溶液中のイオン化傾向が小さい金属イオンと結合して金属が析出する。すなわち、検出対象空間に、水分を含む大気が浸入すると、化学電池が構成されて一対の検出電極間に起電力が発生するので、この起電力に基づいて、水分を含む大気の浸入を検出することができる。
【0009】
このように本発明に係るセンサでは、2つの電極間の容量値やインピーダンスの変化を検出する従来のセンサのように、2つの電極間に電流を流しておく必要がないので、電力消費がなく、いわゆる、省エネを図ることができる。
【0010】
また、単純な構成の化学電池を構成して水分を検出するので、当該センサの構成を簡素化することができ、小型化が容易である。
(【0011】以降は省略されています)
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