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公開番号
2024123532
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023031034
出願日
2023-03-01
発明の名称
乳酸菌を用いた有用腸内細菌の生育改善
出願人
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
1/20 20060101AFI20240905BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】本発明は、腸内における腸内細菌A.muciniphilaの生育環境を簡便に改善し得る乳酸菌の提供を課題としている。
【解決手段】乳酸菌ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)A40株(受領番号:NITE AP-03831)。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
乳酸菌ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)A40株(受領番号:NITE AP-03831)。
続きを表示(約 180 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の乳酸菌を含有することを特徴とする、飲食物。
【請求項3】
請求項1に記載の乳酸菌を含有することを特徴とする、サプリメント。
【請求項4】
請求項1に記載の乳酸菌を用いることを特徴とする、腸内細菌アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)の生育改善方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規乳酸菌株、当該乳酸菌を含有する飲食物やサプリメント及び、当該乳酸菌を用いた腸内細菌アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)の生育改善方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
世界的に肥満人口が増え続け、世界肥満連合によると将来は世界の5人に1人が肥満になると予測されている。肥満は、II型糖尿病やその他疾病の原因にもなるため、改善することが求められている。このような背景のもと、肥満と腸内細菌の関連を明らかにするための研究が世界各国で実施され、腸内細菌の1つであるアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)(以下「腸内細菌A.muciniphila」という。)について、ヒト投与試験において、肥満II型糖尿病改善効果が報告されている。しかし、腸内細菌は偏性嫌気性細菌で特殊な栄養培地を必要とするなど、大量培養には多くの費用が必要であり、その培養・保存は困難である。そのため、腸内細菌A.muciniphilaを外部から投与するのではなく、腸内で活性化させる食素材や食品の開発が望まれている。
【0003】
腸内細菌A.muciniphilaは、胆汁酸の1種であるグリコデオキシコール酸(抱合胆汁酸であり、以下、「抱合胆汁酸GDCA」という。)により生育阻害を受け、デオキシコール酸(脱抱合胆汁酸であり、以下「脱抱合胆汁酸DCA」という。)により生育が促進される(非特許文献1)ことが、また、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)現ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)の乳酸菌数株が、抱合胆汁酸GDCAから脱抱合胆汁酸DCAへの変換能を有すること(非特許文献2)が報告されている。
しかしながら、これら乳酸菌が有する胆汁酸変換能に関する研究報告では、胆汁酸に対する耐性や、胆汁酸を変換してコレステロールを低減するという報告のみ(特許文献1、2等)で、腸内細菌A.muciniphilaに関しては未だ報告がない。
さらに、腸内細菌A.muciniphilaの至適生育pHは6.5であり、乳酸菌の増加によるpHの低下は、逆に腸内細菌A.muciniphilaを阻害してしまうため、胆汁酸耐性の強い乳酸菌と腸内細菌A.muciniphilaの共培養では、乳酸菌が生産する乳酸によってpHが低下してしまい、腸内細菌A.muciniphilaの生育に悪影響を及ぼすことが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-189973号公報
特開2017-066086号公報
【非特許文献】
【0005】
Hagi T. et al., Applied Microbiology and Biotechnology, vol.104, No.24, p.10641-10653, 2020.
Prete R. et al., Scientific Reports, vol.10, p.1165, 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、腸内における腸内細菌A.muciniphilaの生育環境を簡便に改善し得る乳酸菌の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述のとおり、腸内細菌A.muciniphilaは、肥満II型糖尿病改善効果を有するものの、腸内細菌の大量培養や菌体保存は難しく、また、腸内で抱合胆汁酸によりその生育が阻害されるという課題を有する。その課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、新規乳酸菌ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)A40株(以下、「乳酸菌A40株」という。)が、抱合胆汁酸が存在する腸内において、腸内細菌A.muciniphilaの生育環境を改善し得ることを見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
【0008】
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.乳酸菌ラクチプランチバチルス・プランタルム(Lactiplantibacillus plantarum)A40株(受領番号:NITE AP-03831)。
2.1.に記載の乳酸菌を含有することを特徴とする、飲食物。
3.1.に記載の乳酸菌を含有することを特徴とする、サプリメント。
4.1.に記載の乳酸菌を用いることを特徴とする、腸内細菌アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)の生育改善方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の新規乳酸菌A40株は、抱合胆汁酸の存在下においても、腸内細菌A.muciniphilaの生育環境を改善し得ることができる。
本発明の新規乳酸菌A40株の摂取により、腸内で腸内細菌A.muciniphilaを増殖させて、例えば、肥満II型糖尿病を改善させるなどの疾病改善効果が期待でき有用である。
また、本発明の新規乳酸菌A40株は、飲食物やサプリメントに含有させて使用することもできるため、腸内で腸内細菌A.muciniphilaの生育環境を簡便に改善する手段として非常に有用である。
乳酸菌の増加は腸内pHを低下させるため、腸内細菌A.muciniphilaの生育が悪化する懸念があったが、本発明の新規乳酸菌A40株は、抱合胆汁酸が存在する腸内で、腸内細菌A.muciniphilaとの共存により腸内細菌A.muciniphilaの生育環境を改善した後に、乳酸菌A40株の菌数が大きく減少するため、腸内細菌A.muciniphilaの増殖に影響しないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の新規乳酸菌A40株の16s rRNA遺伝子の塩基配列を示す図である。
本発明の新規乳酸菌A40株を含む乳酸菌16株と腸内細菌A.muciniphilaの共培養の結果を示すグラフである。
本発明の新規乳酸菌A40株と、腸内細菌A.muciniphilaを、抱合胆汁酸GDCAを含む培地で共培養した際の、培養液中の腸内細菌A.muciniphilaの菌数を示すグラフである。
本発明の新規乳酸菌A40株、腸内細菌A.muciniphila及び基準株JCM1149株、それぞれを単独培養、あるいは共培養した際の培養液中の菌数を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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