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公開番号
2024122949
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-10
出願番号
2024016510
出願日
2024-02-06
発明の名称
高品質の半導体単結晶を製造するためのシステム、および高品質の半導体単結晶を製造する方法
出願人
サイクリスタル ゲーエムベーハー
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C30B
23/06 20060101AFI20240903BHJP(結晶成長)
要約
【課題】バルク半導体単結晶を成長させるための、より具体的には、物理的気相輸送に基づいて炭化ケイ素などのバルク半導体単結晶を成長させるためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】昇華成長法により半導体材料の少なくとも1つの単結晶を成長させるための昇華システムは、長手軸(120)を有し、少なくとも1つのシード結晶(110)のための固定手段と、原材料(108)を収容するための少なくとも1つの原材料区画(104)とを備えた、坩堝(102)と、坩堝(102)の円周の周りにおよび/または坩堝(102)の前記長手軸に沿って、不規則な温度場を生成するように形成された加熱システムと、坩堝(102)を少なくとも部分的に取り囲む熱絶縁ユニット(117)と、を備え、熱絶縁ユニット(117)は、不規則な温度場を補償するための径方向および/または軸方向に非対称的な形態を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
昇華成長法により半導体材料の少なくとも1つの単結晶を成長させるための昇華システムであって、前記昇華システム(100)が、
長手軸(120)を有し、少なくとも1つのシード結晶(110)のための固定手段と、原材料(108)を収容するための少なくとも1つの原材料区画(104)とを備えた、坩堝(102)と、
前記坩堝(102)の円周の周りにおよび/または前記坩堝(102)の前記長手軸に沿って、不規則な温度場を生成するように形成された加熱システムと、
前記坩堝(102)を少なくとも部分的に取り囲む熱絶縁ユニット(117)であって、前記熱絶縁ユニット(117)が、前記不規則な温度場を補償するための径方向および/または軸方向に非対称的な形態を有する、熱絶縁ユニット(117)と、
を備える昇華システム。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
前記加熱システムが、電磁場を生成するように動作可能な誘導コイル(116)、および/または抵抗加熱コイル(116)を備え、前記誘導コイル(116)および/または前記抵抗加熱コイル(116)が前記坩堝(102)を少なくとも部分的に取り囲む、請求項1に記載の昇華システム。
【請求項3】
前記熱絶縁ユニット(117)が、ニードル加工された炭素フェルトおよび/または高密度化された炭素短繊維を含む、請求項1または2に記載の昇華システム。
【請求項4】
前記熱絶縁ユニット(117)が炭素材料の屈曲可能なシートを備え、前記シートが、前記坩堝(102)の周りに巻かれ、縫い目(304)、少なくとも1つの留め具(306)、および/または重なり領域を備える、請求項1から3の一項に記載の昇華システム。
【請求項5】
前記加熱システムが、金属製の支柱部材を備える、請求項1から4の一項に記載の昇華システム。
【請求項6】
前記コイル(116)が、その巻き線の少なくとも1つに変形した断面を有する、および/または、前記コイル(116)が、隣り合う巻き線から異なる距離を有するように配置された少なくとも1つの巻き線を有する、請求項2から5の一項に記載の昇華システム。
【請求項7】
前記コイル(116)が、前記坩堝(102)に近接する軸方向位置に配置された、少なくとも1つの電気接点(124)を備える、請求項2から6の一項に記載の昇華システム。
【請求項8】
前記熱絶縁ユニット(117)が、円周の周りで壁厚が変化する円筒形状を有する、請求項1から7の一項に記載の昇華システム。
【請求項9】
前記熱絶縁ユニット(117)が、少なくとも1つの間隙または溝を形成する1つまたは複数の細穴(308)を備える、請求項1から8の一項に記載の昇華システム。
【請求項10】
前記熱絶縁ユニット(117)が、径方向および/または軸方向に延びる接続部を有するように組み立てられる複数の別個の部分によって形成される、請求項1から9の一項に記載の昇華システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルク半導体単結晶を成長させるための、より具体的には、物理的気相輸送に基づいて炭化ケイ素などのバルク半導体単結晶を成長させるためのシステムおよび方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素(SiC)基板は、電子デバイスの製造に広く使用される。適切な原材料を使用して、SiC単結晶は、一般には、例えば米国特許出願公開第8865324(B2)号明細書に示されるように物理気相成長(PVT)法によって成長させる。そして、フィラメント切断(sawing)または別の好適な分離法を使用して、そのバルク単結晶からSiC基板を製造し、次いでその表面が多段階の研磨工程で精密化される。続くエピタキシャル工程では、薄い単結晶層(例えば、SiC、GaN)が、SiC基板上に堆積される。これらの層およびそれから製造される電子部品の性質は、SiC基板の品質に決定的に左右される。
【0003】
PVTによる結晶成長では、抵抗加熱または誘導加熱される結晶成長システムが通常使用される。昇華システムの核となるのはいわゆる反応器であり、この中で実際の結晶成長が行われる。絶縁体と、グラファイトおよび炭素材料または耐熱金属またはそれらの組合せから作られた坩堝と、シード材料と、原材料とからなる成長構造が、反応器の内側に置かれる。加熱は、反応器の外側に置かれた誘導コイルか、または反応器の内側に置かれた抵抗ヒータのいずれかによって提供される。坩堝の内側で、SiC原材料を昇華させ、SiCシード結晶上に堆積させる(すなわち逆昇華させる)。このようにして、SiC単結晶ブールを成長させる。図11は、そのような従来の誘導加熱式PVTシステム800を示す。
【0004】
成長機構800は、SiC供給領域804と結晶成長領域806とを含んでいる成長坩堝802を備える。粉末状のSiC原材料808は、成長工程の開始前に、前加工された出発材料として成長坩堝802のSiC供給領域804に注入され、例えばSiC供給領域804に配置される。原材料808は、原材料の密度を高めるために、高密度化されるか、または部分的にもしくは完全に固体材料として提供されてもよい。シード結晶810が、結晶成長領域806内の、成長坩堝802のSiC供給領域804に対向する内壁、例えば坩堝の蓋812に、提供される。成長させるバルクSiC単結晶は、結晶成長領域806内に形成されるSiC成長気相からの堆積によってシード結晶810の上に成長する。成長するバルクSiC単結晶とシード結晶810とは、およそ同じ直径を有してよい。
【0005】
坩堝の蓋812を含む成長坩堝802は、導電性および伝熱性のグラファイトの坩堝材料から製造されてよい。その周囲に熱絶縁(図には図示せず)が配置され、これは、例えば気泡状のグラファイト絶縁材料を含んでよく、その空孔率は特に、グラファイトの坩堝材料よりも高い。
【0006】
熱絶縁された成長坩堝802は、管状容器814の内部に置かれ、容器は、石英ガラス管として構成されてよく、オートクレーブまたは反応器を形成する。加熱コイル816の形態の誘導加熱装置が、容器814の周囲に配置されて、成長坩堝802を加熱する。成長坩堝802は、加熱コイル816により、2000℃超の成長温度まで、特に約2200℃まで、加熱される。加熱コイル816は、成長坩堝802の導電性の坩堝壁(いわゆるサセプタ)内に電流を誘導結合する。この電流は実質的に、円形・中空で円筒形の坩堝壁の中を周方向に循環電流として流れ、その過程で成長坩堝802を加熱する。サセプタは、グラファイト、TaC、WC、Ta、W、またはその他の耐熱金属から作られ得る。サセプタの主要な目的は、坩堝802の内側の熱源を提供することである。サセプタが誘導によって加熱されると、サセプタの表面は高い温度に達し、その温度が次いで、伝導および/または放射を通じて坩堝802の内側に移される。
【0007】
上述したように、誘導コイル816は、ガラス管814の外側に取り付けられ、通常は、電磁放射を遮断するための電磁遮蔽を形成するファラデーケージ(図面では見えていない)によって包囲される。誘導コイル816には等距離の巻き線が巻かれ、各巻き線は、隣の巻き線から距離d_1の距離にある。
【0008】
さらに、従来の抵抗加熱のPVTシステムでは、加熱抵抗素子は、反応器の内側に取り付けられる。反応器が金属製である場合、それは水または空気によって冷却することができる。加熱抵抗PVTシステムの例は、公開特許出願である米国特許出願公開第2016/0138185(A1)号明細書および米国特許出願公開第2017/0321345(A1)号明細書に記載されている。
【0009】
温度は、1つもしくは複数の高温計または1つもしくは複数の熱電対によって測定される。真空シールされた反応器は、1つまたは複数の真空ポンプによって真空引きすることができる。さらに、システムは、1つまたは複数のガス供給ラインを介して不活性ガスまたはドープガスの供給を受けることができ、システム内の圧力は測定および制御され得る。すべてのプロセスパラメータ(圧力、温度、ガス流量等)は、コンピュータ化されたシステム制御装置によって設定、制御、および保管することができる。昇華システム制御装置は、関連するすべての構成要素(例えば、変換器、高温計、真空制御弁、マスフローコントローラ(MFC)、圧力計)と通信する。
【0010】
PVT法でSiC単結晶を成長させるためには、可能な限り定められた均質な温度プロファイルが必要とされる。シード上へのケイ素原子および炭素原子ならびに化合物の堆積は、この温度場に従う。通常、成長ゾーン内の温度場は、縁部領域よりも中心部の方が長い凸状の結晶が形成されるように選択される。これは、成長する結晶がそれを包囲する反応器と接触することで発生し得るエッジ欠陥の内方成長を回避するためである。
(【0011】以降は省略されています)
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