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公開番号
2024147945
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-17
出願番号
2023060710
出願日
2023-04-04
発明の名称
シリコン単結晶の製造方法、および、シリコン単結晶製造装置
出願人
株式会社SUMCO
代理人
弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類
C30B
29/06 20060101AFI20241009BHJP(結晶成長)
要約
【課題】製造中の不具合の発生とシリコン単結晶ごとの酸素濃度のばらつきとを抑制することができるシリコン単結晶の製造方法を提供すること。
【解決手段】シリコン融液に水平磁場を印加しながらシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶の製造方法は、坩堝と、坩堝を囲む円筒状のヒータと、を備え、ヒータは、それぞれ同じ発熱特性を有する半円筒状の第1発熱部および第2発熱部を備え、第1発熱部および第2発熱部が互いに異なる発熱量で発熱した場合、坩堝の中心軸および水平磁場の中心磁力線を含む鉛直仮想平面に対して両側にそれぞれ位置する坩堝の第1部分および第2部分の加熱量が互いに異なるように配置されたシリコン単結晶製造装置を用い、第1,第2発熱部を同じ発熱量で発熱させながら行う第1加熱製造工程と、第1,第2発熱部を互いに異なる発熱量で発熱させながら行う第2加熱製造工程とを備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
シリコン単結晶製造装置を用いてシリコン融液に水平磁場を印加しながらシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶の製造方法であって、
前記シリコン単結晶製造装置は、
前記シリコン融液を収容する坩堝と、
前記坩堝を囲む円筒状のヒータと、を備え、
前記ヒータは、それぞれ同じ発熱特性を有する半円筒状の第1発熱部および第2発熱部を備え、前記第1発熱部および前記第2発熱部が互いに異なる発熱量で発熱した場合、前記坩堝の中心軸および前記水平磁場の中心磁力線を含む鉛直仮想平面に対して両側にそれぞれ位置する前記坩堝の第1部分および第2部分の加熱量が互いに異なるように配置され、
前記シリコン単結晶の製造方法は、
前記第1発熱部および前記第2発熱部を同じ発熱量で発熱させながら行う第1加熱製造工程と、
前記第1発熱部および前記第2発熱部を互いに異なる発熱量で発熱させながら行う第2加熱製造工程と、を備える、シリコン単結晶の製造方法。
続きを表示(約 2,700 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
前記シリコン単結晶製造装置は、
第1電源および第2電源と、
前記第1電源の電力を前記第1発熱部に供給する第1電力供給路と、
前記第2電源の電力を前記第2発熱部に供給する第2電力供給路と、を備え、
前記第1加熱製造工程は、前記第1発熱部および前記第2発熱部を同じ発熱量で発熱させるように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行い、
前記第2加熱製造工程は、前記第1発熱部および前記第2発熱部を互いに異なる発熱量で発熱させるように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行う、シリコン単結晶の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
前記シリコン単結晶製造装置は、
前記第1電力供給路と前記第2電力供給路を接続するバイパス供給路と、
前記バイパス供給路に設けられ、前記第1電力供給路から前記第2電力供給路に向かう方向のみに電力を供給する整流部と、を備え、
前記第1加熱製造工程は、前記第1電源から電力を供給し、かつ、前記第2電源から電力を供給しないように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行い、
前記第2加熱製造工程は、前記第1電源および前記第2電源から電力を供給するように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行う、シリコン単結晶の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
前記坩堝内のシリコン原料を溶融して前記シリコン融液を生成するシリコン融液生成工程と、
前記シリコン融液への前記水平磁場の印加を開始する磁場印加工程と、
前記中心磁力線に直交する仮想平面における前記シリコン融液の対流の方向が一方向に固定されたことを確認する対流方向確認工程と、
前記シリコン融液に着液させた種結晶を引き上げることにより、ネック部および肩部を育成する第1育成工程と、
前記種結晶を引き上げることにより、直胴部およびテール部を育成する第2育成工程と、を備え、
前記シリコン融液生成工程および前記第2育成工程は、前記第1加熱製造工程として行われ、
前記磁場印加工程、前記対流方向確認工程および前記第1育成工程は、前記第2加熱製造工程として行われる、シリコン単結晶の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
前記坩堝内のシリコン原料を溶融して前記シリコン融液を生成するシリコン融液生成工程と、
前記シリコン融液への前記水平磁場の印加を開始する磁場印加工程と、
前記中心磁力線に直交する仮想平面における前記シリコン融液の対流の方向が一方向に固定されたことを確認する対流方向確認工程と、
前記シリコン融液に着液させた種結晶を引き上げることにより、ネック部および肩部を育成する第1育成工程と、
反転判定工程と、
前記種結晶を引き上げることにより、直胴部およびテール部を育成する第2育成工程と、を備え、
前記シリコン融液生成工程は、前記第1加熱製造工程として行われ、
前記磁場印加工程、前記対流方向確認工程および前記第1育成工程は、前記第2加熱製造工程として行われ、
前記反転判定工程において、前記シリコン単結晶の引き上げ条件に基づき前記第2育成工程を前記第1加熱製造工程として行った場合に、前記対流の方向が反転する可能性があると判定した場合、前記第2育成工程は前記第2加熱製造工程として行われ、前記対流の方向が反転する可能性がないと判定した場合、前記第2育成工程は前記第1加熱製造工程として行われる、シリコン単結晶の製造方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
前記第1発熱部および前記第2発熱部は、平面視において、最高温度領域が前記鉛直仮想平面に直交しかつ前記坩堝の中心軸を含む水平仮想線に重なるように配置されている、シリコン単結晶の製造方法。
【請求項7】
シリコン融液に水平磁場を印加しながらシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶製造装置であって、
前記シリコン融液を収容する坩堝と、
前記坩堝を囲む円筒状のヒータと、
前記ヒータに電力を供給する電力供給部と、を備え、
前記ヒータは、それぞれ同じ発熱特性を有する半円筒状の第1発熱部および第2発熱部を備え、
前記電力供給部は、
第1電源および第2電源と、
前記第1電源の電力を前記第1発熱部に供給する第1電力供給路と、
前記第2電源の電力を前記第2発熱部に供給する第2電力供給路と、を備える、シリコン単結晶製造装置。
【請求項8】
請求項7に記載のシリコン単結晶製造装置において、
前記電力供給部は、
前記第1電力供給路と前記第2電力供給路を接続するバイパス供給路と、
前記バイパス供給路に設けられ、前記第1電力供給路から前記第2電力供給路に向かう方向のみに電力を供給する整流部と、を備える、シリコン単結晶製造装置。
【請求項9】
請求項7に記載のシリコン単結晶製造装置において、
前記シリコン単結晶を引き上げる製造工程を制御する制御部を備え、
前記製造工程は、
前記第1発熱部および前記第2発熱部を同じ発熱量で発熱させるように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行う第1加熱製造工程と、
前記第1発熱部および前記第2発熱部を互いに異なる発熱量で発熱させるように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行う第2加熱製造工程と、を備える、シリコン単結晶製造装置。
【請求項10】
請求項8に記載のシリコン単結晶製造装置において、
前記シリコン単結晶を引き上げる製造工程を制御する制御部を備え、
前記製造工程は、
前記第1電源から電力を供給し、かつ、前記第2電源から電力を供給しないように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行う第1加熱製造工程と、
前記第1電源および前記第2電源から電力を供給するように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行う第2加熱製造工程と、を備える、シリコン単結晶製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン単結晶の製造方法、および、シリコン単結晶製造装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
シリコン単結晶の製造方法として、シリコン融液に水平磁場を印加するMCZ(磁場印加チョクラルスキー)法が用いられる場合がある。MCZ法を用いてシリコン融液に水平磁場を印加した場合、シリコン融液内の水平磁場の印加方向に直交する仮想平面における対流の方向が、右回り(以下、「右渦モード」と言う場合がある)になる場合と左回り(以下、「左渦モード」と言う場合がある)になる場合がある。
【0003】
対流モードが右渦モードとなるか左渦モードとなるかはランダムであり、対流モードと炉内環境によってシリコン単結晶に取り込まれる酸素の濃度がばらついてしまう。安定した酸素濃度を有するシリコン単結晶を得るためには、引き上げ中のシリコン融液の対流モードを制御することが重要となる。このため、坩堝内のシリコン融液の対流モードを制御する手法について様々な検討が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、製造装置の炉内の熱環境を、坩堝の中心軸に対して非軸対称とすることによって、対流モードを右渦モードおよび左渦モードのうち一方に固定し、対流モードに起因する酸素濃度のばらつきを排除する方法が開示されている。
その具体的な方法として、特許文献1には、坩堝の周方向に沿うヒータの抵抗値や断熱材の厚みを、異ならせる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-151502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、炉内構造により非軸対称な熱環境を実現しているため、シリコン単結晶の製造中にその非軸対称の度合いを変化させることができない。
このため、例えば、原料融解工程では、シリコン原料が坩堝の円周方向に不均一に溶融するおそれがある。この場合、シリコン融液に浮いた固体のシリコン原料がひっくり返り石英坩堝と強く接触して、石英坩堝が損傷してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、製造中の不具合の発生とシリコン単結晶ごとの酸素濃度のばらつきとを抑制することができるシリコン単結晶の製造方法、および、シリコン単結晶製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシリコン単結晶の製造方法は、シリコン単結晶製造装置を用いてシリコン融液に水平磁場を印加しながらシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶の製造方法であって、前記シリコン単結晶製造装置は、前記シリコン融液を収容する坩堝と、前記坩堝を囲む円筒状のヒータと、を備え、前記ヒータは、それぞれ同じ発熱特性を有する半円筒状の第1発熱部および第2発熱部を備え、前記第1発熱部および前記第2発熱部が互いに異なる発熱量で発熱した場合、前記坩堝の中心軸および前記水平磁場の中心磁力線を含む鉛直仮想平面に対して両側にそれぞれ位置する前記坩堝の第1部分および第2部分の加熱量が互いに異なるように配置され、前記シリコン単結晶の製造方法は、前記第1発熱部および前記第2発熱部を同じ発熱量で発熱させながら行う第1加熱製造工程と、前記第1発熱部および前記第2発熱部を互いに異なる発熱量で発熱させながら行う第2加熱製造工程と、を備える。
【0009】
本発明のシリコン単結晶の製造方法において、前記シリコン単結晶製造装置は、第1電源および第2電源と、前記第1電源の電力を前記第1発熱部に供給する第1電力供給路と、前記第2電源の電力を前記第2発熱部に供給する第2電力供給路と、を備え、前記第1加熱製造工程は、前記第1発熱部および前記第2発熱部を同じ発熱量で発熱させるように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行い、前記第2加熱製造工程は、前記第1発熱部および前記第2発熱部を互いに異なる発熱量で発熱させるように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行う、ことが好ましい。
【0010】
本発明のシリコン単結晶の製造方法において、前記シリコン単結晶製造装置は、前記第1電力供給路と前記第2電力供給路を接続するバイパス供給路と、前記バイパス供給路に設けられ、前記第1電力供給路から前記第2電力供給路に向かう方向のみに電力を供給する整流部と、を備え、前記第1加熱製造工程は、前記第1電源から電力を供給し、かつ、前記第2電源から電力を供給しないように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行い、前記第2加熱製造工程は、前記第1電源および前記第2電源から電力を供給するように、前記第1電源および前記第2電源を制御しながら行う、ことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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