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公開番号2024148525
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023061727
出願日2023-04-05
発明の名称シリコンウェーハ及びシリコンウェーハの製造方法
出願人グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社
代理人個人,個人
主分類C30B 29/06 20060101AFI20241010BHJP(結晶成長)
要約【課題】低酸素濃度でありBMD密度が低いものの重金属のゲッタリング能力を備えるシリコンウェーハ及びシリコンウェーハの製造方法を提供すること。
【解決手段】バルク領域の酸素濃度が1×1016atoms/cm3以上7×1017atoms/cm3以下のシリコンウェーハ1であって、ウェーハ表面から深さ方向に100μm以内の領域において、空孔系複合欠陥の濃度が1×1012atoms/cm3以上の領域を有し、ウェーハ表面から深さ方向に50μm以内の領域において、BMD密度が1×105atoms/cm3未満である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バルク領域の酸素濃度が1×10
16
atoms/cm
3
以上7×10
17
atoms/cm
3
以下のシリコンウェーハであって、
ウェーハ表面から深さ方向に100μm以内の領域において、空孔系複合欠陥の濃度が1×10
12
atoms/cm
3
以上の領域を有し、
ウェーハ表面から深さ方向に50μm以内の領域において、BMD密度が1×10

atoms/cm
3
未満であることを特徴とするシリコンウェーハ。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
ウェーハ表面から深さ方向に30μm以内の領域において、空孔系複合欠陥の濃度が1×10
12
atoms/cm
3
以上の領域を有することを特徴とする請求項1に記載されたシリコンウェーハ。
【請求項3】
シリコンウェーハの製造方法であって、
シリコン単結晶から切り出した酸素濃度が1×10
16
atoms/cm
3
以上7×10
17
atoms/cm
3
以下のシリコンウェーハをチャンバ内に配置するステップと、
前記チャンバ内に酸素分圧1%以上10%以下の酸素ガスと不活性ガスとを混合した混合ガスを導入し、最高到達温度が1250℃以上1350℃以下で急速昇降温熱処理するステップと、を有することを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
【請求項4】
シリコンウェーハの製造方法であって、
シリコン単結晶から切り出した酸素濃度が1×10
16
atoms/cm
3
以上1×10
17
atoms/cm
3
未満のウェーハをチャンバ内に配置するステップと、
前記チャンバ内に酸素分圧が10%より高い酸素ガスと不活性ガスとを混合した混合ガスを導入するステップと、
横軸xを酸素分圧の対数とし、縦軸yを急速昇降温熱処理の最高到達温度とした場合に、(x、y)=(10%、1250℃)と(x、y)=(100%、1350℃)の二点を直線で結んだ線分と、(x、y)=(100%、1350℃)と(x、y)=(10%、1350℃)の二点を直線で結んだ線分と、(x、y)=(10%、1350℃)と(x、y)=(10%、1250℃)の二点を直線で結んだ線分と、で囲まれた領域内の最高到達温度で熱処理するステップと、を有することを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
【請求項5】
シリコンウェーハの製造方法であって、
シリコン単結晶から切り出した酸素濃度が1×10
17
atoms/cm
3
以上7×10
17
atoms/cm
3
以下のシリコンウェーハをチャンバ内に配置するステップと、
前記チャンバ内に酸素分圧が10%より高い酸素ガスと不活性ガスとを混合した混合ガスを導入するステップと、
横軸xを酸素分圧の対数とし、縦軸yを急速昇降温熱処理の最高到達温度とした場合に、(x、y)=(10%、1250℃)と(x、y)=(100%、1300℃)の二点を直線で結んだ線分と、(x、y)=(100%、1300℃)と(x、y)=(100%、1350℃)の二点を直線で結んだ線分と、(x、y)=(100%、1350℃)と(x、y)=(10%、1350℃)の二点を直線で結んだ線分と、(x、y)=(10%、1350℃)と(x、y)=(10%、1250℃)の二点を直線で結んだ線分と、で囲まれた領域内の最高到達温度で熱処理するステップと、を有することを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウェーハ及びシリコンウェーハの製造方法に関し、特にゲッタリング能力を備えるシリコンウェーハ及びシリコンウェーハの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は、電界効果トランジスタ(FET)の一種であり、LSIの中では最も一般的に使用されている構造である。例えば、電力制御の用途で使用される絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)は半導体素子のひとつで、MOSFETを主要部に組み込んだバイポーラトランジスタである。
従来、このようなIGBTなどのMOSパワートランジスタに用いるウェーハには、ライフタイム低下を避けるために低酸素化が求められ、特許文献1に記載されるようにFZ法(フローティングゾーン法)により低酸素化した高抵抗シリコンウェーハや、低酸素であるエピタキシャル層を積層したエピタキシャルウェーハが用いられている。
【0003】
しかしながらFZ法によりシリコンウェーハを製造する場合、例えば直径300mm以上の大口径単結晶の製造が困難であり、小径のシリコンウェーハではデバイスの収率が悪い。そのため、今後大きく需要が伸びると予想されるグリーンデバイス(省エネルギーに直結するパワーデバイス)には適用し難いという課題があった。
【0004】
また、エピタキシャルウェーハは、例えばMOSパワートランジスタでは縦型デバイスを製造する場合にエピタキシャル膜厚を大きく確保する必要があり、そのためのコストが嵩むため、FZ法により製造されるシリコンウェーハと同様にグリーンデバイスには適さないという課題があった。また、エピタキシャル膜厚を厚くすることで、エピタキシャル層の完全性も損なわれやすくなり、MOSパワートランジスタなどの不具合となるリーク電流を発生する可能性が高くなる。
そこで、MCZ法(チョクラルスキー法において磁場をかけて結晶成長条件を制御する方法)により製造したシリコンウェーハをパワーデバイスに適用することに注目が集まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-118283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、チョクラルスキー法により引き上げるシリコン単結晶は、石英ルツボを使用して製造されるため、通常のMCZ法では少なくとも5×10
17
atoms/cm
3
程度の酸素は含んでいる。このシリコンウェーハは結晶成長中に形成される酸素析出物(BMDと呼ぶ)を含み、また、固溶酸素原子はパワーデバイスの製造工程でBMDを新たに形成し、それらBMDはパワーデバイスのリーク電流発生原因となる。
したがって、より高度なパワーデバイス(高耐圧、且つ、高スイッチング速度)に、これらのMCZ法により製造されたシリコンウェーハを適用するには、不具合の原因となるBMDを抑制する必要があった。
【0007】
一方、パワーデバイスのリーク電流を抑えるためには、重金属の汚染を低減することも重要である。
そのため、低酸素濃度であってBMDの形成を抑制しながら、ゲッタリング能力を備えるシリコンウェーハが求められていた。
【0008】
このような事情のもとに、本願発明者は鋭意研究を重ねた結果、酸素濃度の低いシリコンウェーハに対し数十秒、或いはそれ以下の時間スケールで高温(1250℃以上)に加熱する急速昇降温熱処理(RTP)を施すと、耐圧を劣化するBMDのような形状寸法が大きい欠陥は生成されない。
一方で、重金属のゲッタリングに寄与する微小空孔-酸素複合欠陥(以下、空孔複合欠陥と呼ぶ)が生成されることを知見し、本発明をするに至った。
【0009】
本発明の目的は、低酸素濃度でありBMD密度が低いもののゲッタリング能力を備えるシリコンウェーハ及びシリコンウェーハの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するためになされた、本発明に係るシリコンウェーハは、バルク領域の酸素濃度が1×10
16
atoms/cm
3
以上7×10
17
atoms/cm
3
以下のシリコンウェーハであって、ウェーハ表面から深さ方向に100μm以内の領域において、空孔系複合欠陥の濃度が1×10
12
atoms/cm
3
以上の領域を有し、ウェーハ表面から深さ方向に50μm以内の領域において、BMD密度が1×10

atoms/cm
3
未満であることに特徴を有する。
なお、ウェーハ表面から深さ方向に30μm以内の領域において、空孔系複合欠陥の濃度が1×10
12
atoms/cm
3
以上の領域を有することが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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