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公開番号
2024171435
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023088438
出願日
2023-05-30
発明の名称
テルビウム・ガリウム・ガーネット単結晶およびその製造方法ならびにファラデー回転子
出願人
株式会社オキサイド
代理人
個人
,
個人
主分類
C30B
29/28 20060101AFI20241205BHJP(結晶成長)
要約
【課題】線状の散乱体の無いTGG単結晶を提供し、高性能の光アイソレータを実現すること。
【解決手段】チョクラルスキー法によって、コングルエント組成の融液から結晶育成されたことを特徴とするTGG単結晶。コングルエント組成の融液を得るためには、単結晶用原料として、TbとGa元素の化合物の酸化物粉末を用い、化学式Tb
(3+x)
Ga
(5-x)
O
12
で表わされるTGG単結晶において、0.00<X<0.08とすることが好ましい。コングルエント組成の融液から結晶育成させることにより、線状の散乱体の原因となる過剰空孔を低減させることができ、TGG単結晶における線状の散乱体の発生を抑制できることが可能となる。また、育成されたTGG単結晶の格子定数を測定することで、コングルエント組成の融液であることが確認できる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
化学式Tb
(3+x)
Ga
(5-x)
O
12
で表わされるテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)単結晶であって、Xが0.00より大きく0.08より小さいことを特徴とするテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)単結晶。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
化学式Tb
(3+x)
Ga
(5-x)
O
12
で表わされるテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)単結晶であって、Xが0.025であることを特徴とするテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)単結晶。
【請求項3】
格子定数が12.3494Åよりも大きく12.3502Åよりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載のテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)単結晶。
【請求項4】
結晶育成用原料としてTb
2
O
3
又はTb
4
O
7
から選ばれるTb酸化物粉末、及びGa
2
O
3
を含むGa酸化物粉末を使用し、その融液からチョクラルスキー法により結晶育成されたテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)単結晶であり、結晶育成終了後、育成始端の肩部と育成終端のテール部を取り除いた円柱状の単結晶における直胴部始端部と終端部の格子定数差が0.0001Å/8cm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)単結晶。
【請求項5】
結晶育成用原料としてTb
2
O
3
又はTb
4
O
7
から選ばれるTb酸化物粉末、及びGa
2
O
3
を含むGa酸化物粉末を使用し、その融液からチョクラルスキー法により結晶育成されたテルビウム・ガリウム・ガーネット単結晶の製造方法であって、化学式Tb
(3+x)
Ga
(5-x)
O
12
で表わされるテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)単結晶のXが0.00より大きく0.08より小さくなるよう原料を秤量し、加熱して融解した後に冷却して結晶化させることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)単結晶の製造方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載のテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)単結晶を用いたファラデー回転子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、チョクラルスキー法によって育成したテルビウム・ガリウム・ガーネット単結晶(Tb
3
Ga
5
O
12
:TGG単結晶)およびその製造方法ならびにファラデー回転子に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
光アイソレータは、ファラデー効果をもつファラデー回転子によって偏光板を通過して磁場内に入射する直線偏光を回転させる光学素子である。この素子をレーザー発光素子の出射端に取り付けることでレーザー発光素子への戻り光を遮断できるので、レーザー発光素子のレーザー発光を安定化させるために広く用いられている。波長範囲が1μm前後のファイバーレーザー用の光アイソレータにおいては、近赤外~可視域で吸収がないテルビウム・ガリウム・ガーネット単結晶(以下「TGG単結晶」と記載)がファラデー回転材料として使われている。(非特許文献1,2)
【0003】
TGG単結晶は、フローティングゾーン法(非特許文献4)、Edge-definedfilm-fed growth 法(非特許文献3)、チョクラルスキー法などによって化学量論比(ストイキオメトリ組成)の融液から育成されている。(特許文献1~4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013―056785号公報
特開2015―057365号公報
特開2015―083523号公報
特開平1―152605号公報
【非特許文献】
【0005】
Weizhao Jin,Jingxin Ding, Li Guo, et al., Growth and performance research of Tb3Ga5O12magneto-optical crystal, J. Cryst. Growth 484 (2018) 17-20.
D. J. Dentz, R. C. Puttbach, R.F. Belt, Terbium Gallium garnet for Faraday Effect Devices, AIP ConferenceProceedings 18 (1974) 954.
Naifeng Zhuang,Caigen Song, Liwei Guo, et al., Growth of terbium gallium garnet (TGG)magneto-optic crystals by edge-defined film-fed growth method, J. Cryst. Growth381 (2013) 27-32.
Zhe Chen, Leiyang, Xiangyong Wang, et al., Highly transparent terbium gallium garnet crystalfabricated by the floating zone method for visible infrared optical isolators,Opt. Mater. 46 (2015) 12-15.
W.T.Stacy,Dislocations, facet regions and growth striations in garnet substrates andlayers, J. Cryst. Growth, 24-25 (1974) 137-143.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
TGG単結晶のようにガーネット構造を有する単結晶を製造する方法として、化学量論(ストイキオメトリ)組成に従い混合した粉末状酸化物のTb
4
O
7
(99.99%)およびGa
2
O
3
(99.99%)を原料とした融液を使用し、チョクラルスキー法によって結晶方位<111>方向に引き上げる結晶育成方法が一般的に用いられている。(特許文献1~4)
【0007】
このように作製されたTGG単結晶について、白色光を照射し<111>方向から結晶内部を観察すると、結晶育成方向に向かって放射状にまっすぐに伸長する線状の散乱体がみられることがある。
散乱体は消光比に影響を与えるため、戻り光を遮断する能力を低下させる。そのため、光アイソレータとしての性能劣化の一要因となる。本発明の目的は、線状の散乱体の無いTGG単結晶を提供し、高性能の光アイソレータを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般的に、単結晶の特性においては、ストイキオメトリ組成が好ましいが、結晶育成の観点では、組成ずれがなく、均一な組成の結晶を容易に得ることが可能である一致溶融(コングルエント)組成が好ましい。本発明は、チョクラルスキー法によって、コングルエント組成の融液からTGG単結晶を育成することを特徴とする。発明者らは、このようにTGG単結晶を育成することで、線状の散乱体の発生を抑制できることを見出した。また、育成されたTGG単結晶の格子定数を測定することで、コングルエント組成の融液が得られることを見出した。
【0009】
線状の散乱体の原因となるのは、らせん転位が周囲の過剰空孔を吸収して上昇運動した結果発生したヘリカル転位の歪またはその周りにある不純物によるものであると考えられる。また、過剰空孔は、融液の組成としているストイキオメトリ組成が、コングルエント組成とは異なるために、成長界面から欠陥が取り込まれることで発生すると考えられる。
【0010】
TGG単結晶の育成では、従来、ストイキオメトリ組成に従って秤量及び混合した原料の融液を用いることが一般的であったが、それはストイキオメトリ組成がコングルエントであると考えられていたためである(特許文献1~4)。チョクラルスキー法による育成においては、コングルエント組成の融液を用いることによって、均一組成の結晶の育成が可能になり、結晶内の過剰空孔が減少する。
発明者らは、鋭意検討の結果、TGG単結晶をチョクラルスキー法によって結晶育成する場合、コングルエント組成の融液から結晶育成することによって線状の散乱体が発生しない結晶の育成を可能とし、結晶の品質が向上することを見出した。また、育成されたTGG単結晶の格子定数を測定することでコングルエント組成の融液が得られることを見出した。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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