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公開番号
2024163495
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-22
出願番号
2023079178
出願日
2023-05-12
発明の名称
窒化ガリウム単結晶基板
出願人
住友化学株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C30B
29/38 20060101AFI20241115BHJP(結晶成長)
要約
【課題】窒化ガリウム単結晶基板上に作製したデバイス特性を向上させる。
【解決手段】50mm以上の直径を有し、主面に最も近い低指数の結晶面が(0001)面である窒化ガリウム単結晶基板であって、主面に対して、アルカリ系エッチング液によるエッチングを施した際に形成されるエッチピットの密度が1×10
6
cm
-2
未満であり、エッチピットの径のヒストグラムに現れるピークのうち、最も径が小さい側に現れる第1ピークの径をaとしたとき、径が4aを超えるエッチピットの総数が、第1ピークを構成するエッチピットの数の1/1000以下である、窒化ガリウム単結晶基板。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
50mm以上の直径を有し、主面に最も近い低指数の結晶面が(0001)面である窒化ガリウム単結晶基板であって、
前記主面に対して、アルカリ系エッチング液によるエッチングを施した際に形成されるエッチピットの密度が1×10
6
cm
-2
未満であり、
前記エッチピットの径のヒストグラムに現れるピークのうち、最も径が小さい側に現れる第1ピークの径をaとしたとき、径が4aを超えるエッチピットの総数が、前記第1ピークを構成するエッチピットの数の1/1000以下である、窒化ガリウム単結晶基板。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
径が2a以上のエッチピットの総数が、前記第1ピークを構成するエッチピットの数の1/10以下である、請求項1に記載の窒化ガリウム単結晶基板。
【請求項3】
前記第1ピークを構成するエッチピットの数が、全体の50%以上である、請求項1に記載の窒化ガリウム単結晶基板。
【請求項4】
前記第1ピークの度数をAとしたとき、前記ヒストグラムに現れる、度数がA/10以上のピークは、前記第1ピークを含めて2つである、請求項1に記載の窒化ガリウム単結晶基板。
【請求項5】
径がa超2a未満の範囲に第2ピークを有し、前記第2ピークを構成するエッチピットの数は、前記第1ピークを構成するエッチピットの数より少ない、請求項1に記載の窒化ガリウム単結晶基板。
【請求項6】
前記エッチピットの密度およびヒストグラムは、面積が1mm
2
以上の領域から計測したものである、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の窒化ガリウム単結晶基板。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ガリウム単結晶基板に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、III族窒化物半導体の単結晶からなり、鏡面化された主面を有し、主面に対して最も近い低指数の結晶面が(0001)面である下地基板を準備する工程と、(0001)面が露出した頂面を有するIII族窒化物半導体の単結晶を下地基板の主面上に直接的にエピタキシャル成長させ、(0001)面以外の傾斜界面で構成される複数の凹部を頂面に生じさせ、下地基板の主面の上方に行くにしたがって該傾斜界面を徐々に拡大させ、(0001)面を頂面から消失させ、表面が傾斜界面のみで構成される第1層を成長させる第1工程と、第1層上にIII族窒化物半導体の単結晶をエピタキシャル成長させ、傾斜界面を消失させ、鏡面化された表面を有する第2層を成長させる第2工程と、を有し、第1工程では、単結晶の頂面に複数の凹部を生じさせ、(0001)面を消失させることで、第1層の表面に、複数の谷部および複数の頂部を形成する窒化ガリウム単結晶基板の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-33211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、窒化ガリウム単結晶基板上に作製したデバイスの特性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、
50mm以上の直径を有し、主面に最も近い低指数の結晶面が(0001)面である窒化ガリウム単結晶基板であって、
前記主面に対して、アルカリ系エッチング液によるエッチングを施した際に形成されるエッチピットの密度が1×10
6
cm
-2
未満であり、
前記エッチピットの径のヒストグラムに現れるピークのうち、最も径が小さい側に現れる第1ピークの径をaとしたとき、径が4aを超えるエッチピットの総数が、前記第1ピークを構成するエッチピットの数の1/1000以下である、窒化ガリウム単結晶基板が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、窒化ガリウム単結晶基板上に作製したデバイスの特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、本発明の一実施形態に係る窒化ガリウム単結晶基板の製造方法を示すフローチャートである。
図2(a)~(c)は、本発明の一実施形態に係る窒化ガリウム単結晶基板の製造方法の一部を示す概略断面図である。
図3(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る窒化ガリウム単結晶基板の製造方法の一部を示す概略断面図である。
図4(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る窒化ガリウム単結晶基板の製造方法の一部を示す概略断面図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る窒化ガリウム単結晶基板の主面に形成されるエッチピットの一例を示すSEM像である。
図6(a)は、実施例1に係るエッチピットの径のヒストグラムであり、図6(b)は、図6(a)を縦軸方向に拡大したものである。
図7(a)は、実施例2に係るエッチピットの径のヒストグラムであり、図7(b)は、図7(a)を縦軸方向に拡大したものである。
図8(a)は、比較例に係るエッチピットの径のヒストグラムであり、図8(b)は、図8(a)を縦軸方向に拡大したものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<発明者の得た知見>
まず、発明者らの得た知見について説明する。
【0009】
窒化ガリウム(GaN)単結晶基板のc面に対して、例えば、アルカリ系エッチング液によるエッチングを施した場合、転位に対応するエッチピットが形成されることが知られている。そして、エッチピットのサイズ(径)によって、転位の種類(刃状、混合、螺旋)を特定する方法も当業者に知られているが、この方法は必ずしも汎用的に適用できるとは限らない。アルカリ系のエッチングで形成されるエッチピットのサイズは、転位芯の周りの結晶格子の歪みの大きさに対応する。したがって、エッチピットのサイズは、転位の種類以外に、その転位にトラップされている不純物や転位上の析出物、近接する他の転位との距離等によっても左右されるからである。
【0010】
上述の理由から、エッチピットのサイズにより、転位の種類(刃状、混合、螺旋)を特定することは困難であるが、サイズの大きなエッチピットを形成する転位は、転位芯の周りの歪場も大きいということは言える。大きな歪場を有する転位は、大きなバーガースベクトルを有している可能性が高く、そのような転位は、転位芯が中空状(ホローコア)のマイクロパイプ欠陥のようになって、不純物の異常拡散経路になりやすい。発明者らは、この大きな歪場を有する転位が、窒化ガリウム単結晶基板上に作製したデバイスの特性に悪影響を及ぼすことを見出した。
(【0011】以降は省略されています)
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