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公開番号2025103224
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220447
出願日2023-12-27
発明の名称メタクリル酸製造用触媒の製造方法
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類B01J 37/00 20060101AFI20250702BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】製造効率をより向上させることができ、製造コストをより低減することができるメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
【解決手段】下記工程を含む、メタクリル酸製造用触媒の製造方法。
工程(1)少なくともモリブデン、リン、銅、バナジウム、セシウムを含む第1のヘテロポリ酸化合物粒子を含有する第1のスラリーを調製する工程
工程(2)第1のスラリーについて湿式粉砕処理を行うことにより、レーザー回折式粒度分布測定を行って体積基準で換算したときに、メジアン径が0.50~8.0μmであり、かつ粒子径が10μm以下であるヘテロポリ酸化合物粒子の割合が65%以上である第2のヘテロポリ酸化合物粒子を含有する第2のスラリーを調製する工程
工程(3)第2のスラリーを乾燥処理して得た第2のヘテロポリ酸化合物粒子を含む乾燥体を混練し、押出成形して成形体を得る工程
工程(4)成形体を焼成して、メタクリル酸製造用触媒を得る工程
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記工程(1)~(4)を含む、ヘテロポリ酸化合物粒子を含有するメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
[工程(1)]少なくともモリブデン、リン、銅、バナジウム、セシウムを含む第1のヘテロポリ酸化合物粒子を含有する第1のスラリーを調製する工程
[工程(2)]前記第1のスラリーについて湿式粉砕処理を行うことにより、レーザー回折式粒度分布測定を行って体積基準で換算したときに、メジアン径(D50)が0.50~8.0μmであり、かつ粒子径が10μm以下であるヘテロポリ酸化合物粒子の割合が65%以上である第2のヘテロポリ酸化合物粒子を含有する第2のスラリーを調製する工程
[工程(3)]前記第2のスラリーを乾燥処理して得た前記第2のヘテロポリ酸化合物粒子を含む乾燥体を混練し、押出成形して成形体を得る工程
[工程(4)]前記成形体を焼成して、メタクリル酸製造用触媒を得る工程
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
レーザー回折式粒度分布測定を行って体積基準で換算したときに、前記第2のスラリーが含有する前記第2のヘテロポリ酸化合物粒子の10%粒子径(D10)が0.30μm以上1.8μm以下である、請求項1に記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
【請求項3】
レーザー回折式粒度分布測定を行って体積基準で換算したときに、前記第2のスラリーが含有する前記第2のヘテロポリ酸化合物粒子の90%粒子径(D90)が2.0μm以上17μm以下である、請求項1または2に記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
【請求項4】
前記湿式粉砕処理が、0℃以上80℃以下の温度で行われる、請求項1または2に記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
【請求項5】
前記工程(4)が、前記成形体を酸化性ガス雰囲気下にて360℃~410℃で焼成し、次いで、非酸化性ガス雰囲気下にて420℃~500℃で焼成する工程である、請求項1または2に記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
【請求項6】
前記第1のヘテロポリ酸化合物粒子および前記第2のヘテロポリ酸化合物粒子に含まれるヘテロポリ酸化合物が、下記式(I):


Mo

Cu



Cs





(I)
(式(I)中、Pはリン原子を表し、Moはモリブデン原子を表し、Cuは銅原子を表し、Vはバナジウム原子を表し、Csはセシウム原子を表し、Oは酸素原子を表し、
Yは、ヒ素原子、アンチモン原子、ホウ素原子、銀原子、ビスマス原子、鉄原子、コバルト原子、ランタン原子およびセリウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を表し、
a~fは、bを12とした場合に、1.2≦a≦1.8、0.01≦c≦0.4、0.4≦d≦0.6、1.2≦e≦1.8、0.4≦f≦0.6という条件を満たす値を表し、xは各原子の酸化状態により定まる値を表し、fはYが2種以上の原子である場合には該2種以上の原子の合計比率を表す。)
で表されるヘテロポリ酸の部分中和塩である、請求項1または2に記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
【請求項7】
請求項1または2に記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法により製造されたメタクリル酸製造用触媒に、メタクロレイン、イソブチルアルデヒド、イソブタンおよびイソ酪酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を接触させることにより、気相接触酸化反応に供してメタクリル酸を得る工程を含む、メタクリル酸の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メタクリル酸製造用触媒の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、メタクロレインなどの気相接触酸化反応によりメタクリル酸を製造する際に用いる触媒としては、リンおよびモリブデンを含むヘテロポリ酸ならびにその塩が有効であることが知られている。このような触媒は、通常、触媒の原料を含む水性混合物を乾燥した後、焼成することにより製造されている(特許文献1参照。)。
【0003】
具体的には、特許文献1には、より高い反応活性、選択性、触媒強度と長い触媒寿命を合わせもつ触媒を提供することを目的として、触媒前駆体であるドーソン型のヘテロポリ酸塩の調製工程を改良したメタクリル酸製造用触媒の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平7-185354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に代表される従来のメタクリル酸製造用触媒の製造方法によれば、所定の工程に起因してメタクリル酸製造用触媒の製造効率が低下してしまう場合があった。
【0006】
よって、製造効率をより向上させることができ、ひいては製造コストをより低減することができるメタクリル酸製造用触媒の製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、メタクリル酸製造用触媒の製造方法において所定の工程を実施することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記〔1〕~〔7〕を提供する。
〔1〕 下記工程(1)~(4)を含む、ヘテロポリ酸化合物粒子を含有するメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
[工程(1)]少なくともモリブデン、リン、銅、バナジウム、セシウムを含む第1のヘテロポリ酸化合物粒子を含有する第1のスラリーを調製する工程
[工程(2)]前記第1のスラリーについて湿式粉砕処理を行うことにより、レーザー回折式粒度分布測定を行って体積基準で換算したときに、メジアン径(D50)が0.50~8.0μmであり、かつ粒子径が10μm以下であるヘテロポリ酸化合物粒子の割合が65%以上である第2のヘテロポリ酸化合物粒子を含有する第2のスラリーを調製する工程
[工程(3)]前記第2のスラリーを乾燥処理して得た前記第2のヘテロポリ酸化合物粒子を含む乾燥体を混練し、押出成形して成形体を得る工程
[工程(4)]前記成形体を焼成して、メタクリル酸製造用触媒を得る工程
〔2〕 レーザー回折式粒度分布測定を行って体積基準で換算したときに、前記第2のスラリーが含有する前記第2のヘテロポリ酸化合物粒子の10%粒子径(D10)が0.30μm以上1.8μm以下である、〔1〕に記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
〔3〕 レーザー回折式粒度分布測定を行って体積基準で換算したときに、前記第2のスラリーが含有する前記第2のヘテロポリ酸化合物粒子の90%粒子径(D90)が2.0μm以上17μm以下である、〔1〕または〔2〕に記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
〔4〕 前記湿式粉砕処理が、0℃以上80℃以下の温度で行われる、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
〔5〕 前記工程(4)が、前記成形体を酸化性ガス雰囲気下にて360℃~410℃で焼成し、次いで、非酸化性ガス雰囲気下にて420℃~500℃で焼成する工程である、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
〔6〕 前記第1のヘテロポリ酸化合物粒子および前記第2のヘテロポリ酸化合物粒子に含まれるヘテロポリ酸化合物が、下記式(I):


Mo

Cu



Cs





(I)
(式(I)中、Pはリン原子を表し、Moはモリブデン原子を表し、Cuは銅原子を表し、Vはバナジウム原子を表し、Csはセシウム原子を表し、Oは酸素原子を表し、
Yは、ヒ素原子、アンチモン原子、ホウ素原子、銀原子、ビスマス原子、鉄原子、コバルト原子、ランタン原子およびセリウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を表し、
a~fは、bを12とした場合に、1.2≦a≦1.8、0.01≦c≦0.4、0.4≦d≦0.6、1.2≦e≦1.8、0.4≦f≦0.6という条件を満たす値を表し、xは各原子の酸化状態により定まる値を表し、fはYが2種以上の原子である場合には該2種以上の原子の合計比率を表す。)
で表されるヘテロポリ酸の部分中和塩である、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法。
〔7〕 〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載のメタクリル酸製造用触媒の製造方法により製造されたメタクリル酸製造用触媒に、メタクロレイン、イソブチルアルデヒド、イソブタンおよびイソ酪酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を接触させることにより、気相接触酸化反応に供してメタクリル酸を得る工程を含む、メタクリル酸の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、メタクリル酸製造用触媒の製造効率をより向上させることができ、さらには製造コストをより低減することができるメタクリル酸製造用触媒の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明にかかる実施形態について具体的に説明する。本発明は、以下に示される具体的な実施形態に限定されない。
(【0011】以降は省略されています)

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