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公開番号
2025106796
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-16
出願番号
2024209793
出願日
2024-12-02
発明の名称
有機化合物の製造方法および微生物培養用組成物
出願人
住友化学株式会社
,
独立行政法人国立高等専門学校機構
代理人
弁理士法人クオリオ
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12P
7/06 20060101AFI20250709BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】セルロースに由来する糖を用いながらも各種の有機化合物を合成することができる有機化合物の製造方法、セルロースに由来する糖を用いながらもまた酢酸菌が混入したとしても酢酸菌の増殖および酢酸発酵を抑制しながら、効率よくエタノール発酵させることができるエタノールの製造方法を提供する。
【解決手段】グルコースを含む液と微生物とを接触させることを含む有機化合物、好ましくはエタノールの製造方法であって、上記グルコースを含む液が、セルロースと水とを含む液と固体酸触媒とを接触させることにより得られたセルロースの加水分解物であり、当該グルコースを含む液を、示唆屈折率検出器を有するLC分析に供した際にグルコースよりも低分子量の成分に由来するピークの合計面積値がグルコース由来のピークの面積値に対して0.01~2.0倍、好ましくは0.01~0.2倍である、有機化合物、好ましくはエタノールの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
グルコースを含む液と微生物とを接触させることを含む有機化合物の製造方法であって、
該グルコースを含む液が、セルロースと水とを含む液と固体酸触媒とを接触させることにより得られたセルロースの加水分解物であり、該グルコースを含む液を、示唆屈折率検出器を有するLC分析に供した際にグルコースよりも低分子量の成分に由来するピークの合計面積値がグルコース由来のピークの面積値に対して0.01~2.0倍である、有機化合物の製造方法。
続きを表示(約 600 文字)
【請求項2】
前記有機化合物がエタノールであり、前記LC分析において、グルコースよりも低分子量の成分に由来するピークの合計面積値がグルコース由来のピークの面積値に対して0.01~0.2倍である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記セルロースが、板パルプ由来のセルロースもしくはパルプスラッジ由来のセルロースのいずれか1種、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記固体酸触媒が、炭素元素とシリカとを含み、表面官能基としてスルホ基を有する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記固体酸触媒が、炭素元素とシリカとを含み、表面官能基としてスルホ基を有する、請求項2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記シリカがメソ孔を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記シリカがメソ孔を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記炭素元素が前記シリカの表面に担持されている、請求項4に記載の製造方法。
【請求項9】
前記炭素元素が前記シリカの表面に担持されている、請求項5に記載の製造方法。
【請求項10】
前記炭素元素が前記シリカの表面に担持されている、請求項6に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化合物の製造方法および微生物培養用組成物に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護、廃棄物の有効利用の観点から、再生可能資源であるバイオマスを原料とする各種の有機化合物の合成、製造が検討されている。
例えば、カーボンニュートラルの達成に向け、低カーボンフットプリント素材の原料として、バイオエタノールが広く検討されている。特に、可食バイオマスからバイオエタノールを製造し、その脱水反応によるオレフィン化およびそのポリマー化が検討されている。ここで、可食バイオマスからのバイオエタノールへの変換手法は技術確立されており、プラスチック製品の原料製造法として有望視されている。しかし、可食バイオマスは食料用途と競合するという問題があり、近年、バイオエタノールの製造原料として可食バイオマスから非可食バイオマスへの原料転換が進んでいる。
非可食バイオマスであるセルロースは、酵素法または硫酸法による加水分解反応によりグルコースに分解でき、さらにグルコースから微生物による発酵法などによりエタノールに導くことができる。しかし、グルコースへの分解反応は、セルロースが化学的に安定な構造を有しているため、一般に、困難性を伴う。例えば、セルロースをグルコースに転化することができたとしても、得られるグルコースの純度は十分ではなく、かりに精製するにしても、効率よくエタノールを得ることができない。そこで、非可食バイオマスであるセルロースを出発原料としてエタノールを製造する方法においては、微生物によるアルコール発酵を効率よく進行させる方法もしくはセルロースの分解物を得る方法が求められている。
【0003】
ところで、気候変動による環境保全の重要性やカーボンニュートラルなどが提唱されてから、バイオマスを原料とするエタノールの製造方法が種々検討されている。例えば、特許文献1には、加圧熱水反応、糖化酵素反応および固体酸触媒反応の3種の工程によってセルロースを加水分解して得られた単糖を発酵して、エタノールを生成する方法が記載されている。具体的には、特許文献1には、「バイオマスに加圧熱水を作用させてバイオマスに含まれるヘミセルロースを選択的に分解する加圧熱水反応工程と、前記加圧熱水反応工程後の固体残渣を叩解する叩解処理工程と、前記叩解処理工程後の固体残渣に糖化酵素を作用させる一次糖化工程と、前記一次糖化工程による生成物に固体酸触媒を作用させる二次糖化工程とを有する単糖の製造方法によって得られる単糖を発酵してエタノールを生成する発酵工程を有するエタノールの製造方法」が記載されている。また、特許文献2には、「リグノセルロースからエタノールを製造するバイオエタノール製造方法において、バイオマスをミルにより粉砕し、粉砕されたバイオマス粉末と触媒と予熱蒸気とを予熱器でミキシングすることによりバイオマス粉末スラリーを生成し、前記予熱器から供給された前記バイオマス粉末スラリーを加水分解塔で加熱用水蒸気により加熱することを特徴とするバイオエタノール製造方法」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-141415号公報
特開2008-297229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、バイオマスを原料とした有機化合物の製造に注目が集まっている。その中でも、バイオエタノールの製造については工業化が進んでおり、カーボンニュートラルな燃料として使用されている。エタノール発酵においては、通常、セルロースの加水分解物中に存在するグルコースをエタノールに変換する主反応だけでなく、種々の副反応が生起することが知られている。そのため、副反応で副生する副生物により、エタノールの得量(収率)および純度が低下する。特に、エタノール発酵における発酵時間(反応時間)の経過に伴って副生物の副生量が多くなる傾向にある。
【0006】
ところで、酢酸菌はエタノールを酢酸に代える細菌であり、エタノールの製造法においては、エタノールの得量および純度を低下させるため、反応系内への混入を避けるべき菌である。しかし、酢酸菌は、常在菌として広く自然界に存在しており、混入しやすい菌である。例えば、酢酸菌は、空気中にも浮遊しており、また、天然には糖や植物性の炭水化物が酵母により醗酵してエタノールが生成する環境または反応場にも存在している。
上述のように、酢酸菌による上記問題を解決するには、エタノール発酵における環境および反応場に酢酸菌を存在させないことが重要である。しかし、常在菌である酢酸菌を環境および反応場から除菌することは容易ではない。特に工業化を視野に入れるエタノールの製造方法においては、酢酸菌はその混入が避けて通れない菌である。
そこで、エタノールの効率的な製造方法および/または工業的な製造方法を実現するためには、酢酸菌がたとえ混入しても、酢酸菌の増殖および酢酸発酵を抑制することが求められている。
【0007】
このように、バイオエタノールについては広く検討、研究が進められているが、エタノール以外の有機化合物については、バイオマスの収集と輸送に高いコストがかかること、目的の有機化合物への変換に高度な技術が必要であることなどの理由から、工業化されているものは少ない。
【0008】
本発明は、セルロースに由来する糖を用いながらも各種の有機化合物を合成することができる、有機化合物の合成方法を提供することを課題とする。
本発明の好適な一態様においては、セルロースに由来する糖を用いながらも、また酢酸菌が混入したとしても酢酸菌の増殖および酢酸発酵を抑制しながら、効率よくエタノール発酵させることができる、エタノールの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
<1>グルコースを含む液と微生物とを接触させることを含む有機化合物の製造方法であって、
該グルコースを含む液が、セルロースと水とを含む液と固体酸触媒とを接触させることにより得られたセルロースの加水分解物であり、該グルコースを含む液を、示唆屈折率検出器を有するLC分析に供した際にグルコースよりも低分子量の成分に由来するピークの合計面積値がグルコース由来のピークの面積値に対して0.01~2.0倍である、有機化合物の製造方法。
<2>前記有機化合物がエタノールであり、前記LC分析において、グルコースよりも低分子量の成分に由来するピークの合計面積値がグルコース由来のピークの面積値に対して0.01~0.2倍である、<1>に記載の製造方法。
<3>前記セルロースが、板パルプ由来のセルロースもしくはパルプスラッジ由来のセルロースのいずれか1種、またはそれらの混合物を含む、<1>に記載の製造方法。
<4>前記固体酸触媒が、炭素元素とシリカとを含み、表面官能基としてスルホ基を有する、<1>または<2>に記載の製造方法。
<5>前記シリカがメソ孔を有する、<4>に記載の方法。
<6>前記炭素元素が前記シリカの表面に担持されている、<4>または<5>に記載の製造方法。
<7>前記固体酸触媒がチタン元素を含む、<4>~<6>のいずれか1項に記載の製造方法。
<8>前記チタン元素が前記シリカに含まれている、<7>に記載の製造方法。
<9>グルコースを含む液から成る微生物培養用組成物であって、
該グルコースを含む液が、セルロースと水とを含む液と固体酸触媒とを接触させることにより得られたセルロースの加水分解物であり、該グルコースを含む液を、示唆屈折率検出器を有するLC分析に供した際にグルコースよりも低分子量の成分に由来するピークの合計面積値がグルコース由来のピークの面積値に対して0.01~2.0倍である、微生物培養用組成物。
【0010】
上記<2>の製造方法は以下の製造方法〔B1〕と同義である。したがって、本発明の有機化合物の製造方法〔A1〕と、本発明の好適な一態様のエタノールの製造方法〔B1〕とを区別して記載すると以下のようになる。
〔A1〕グルコースを含む液と微生物とを接触させることを含む有機化合物の製造方法であって、
該グルコースを含む液が、セルロースと水とを含む液と固体酸触媒とを接触させることにより得られたセルロースの加水分解物であり、該グルコースを含む液を、示唆屈折率検出器を有するLC分析に供した際にグルコースよりも低分子量の成分に由来するピークの合計面積値がグルコース由来のピークの面積値に対して0.01~2.0倍である、有機化合物の製造方法。
〔A2〕前記セルロースが、板パルプ由来のセルロースもしくはパルプスラッジ由来のセルロースのいずれか1種、またはそれらの混合物を含む、〔A1〕に記載の製造方法。
〔A3〕前記固体酸触媒が、炭素元素とシリカとを含み、表面官能基としてスルホ基を有する、〔A1〕または〔A2〕に記載の製造方法。
〔A4〕前記シリカがメソ孔を有する、〔A3〕に記載の方法。
〔A5〕前記炭素元素が前記シリカの表面に担持されている、〔A3〕または〔A4〕に記載の製造方法。
〔A6〕前記固体酸触媒がチタン元素を含む、〔A3〕~〔A5〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔A7〕前記チタン元素が前記シリカに含まれている、〔A6〕に記載の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)
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