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公開番号
2024168184
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2023084641
出願日
2023-05-23
発明の名称
結晶膜の製造方法、気相成長装置、及びβ-酸化ガリウム結晶膜
出願人
大陽日酸株式会社
,
国立大学法人東京農工大学
代理人
弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類
C30B
29/16 20060101AFI20241128BHJP(結晶成長)
要約
【課題】高純度のβ-Ga
2
O
3
結晶膜を製造することが可能な結晶膜の製造方法、気相成長装置、及びβ-酸化ガリウム結晶膜を提供する。
【解決手段】複数の原料ガスを合流位置で合流させ、アルゴン中にトリメチルガリウムと酸素とシリコンドーパントを含む混合ガスを得ると共に、合流位置の温度が850~1100℃となるようにして、得られた前記混合ガスを前記合流位置から加熱し、加熱された前記混合ガスを基板2の表面に導き、β-酸化ガリウム結晶膜を基板2の表面上に成長させる結晶膜の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の原料ガスを合流位置で合流させ、アルゴン中にトリメチルガリウムと酸素とシリコンドーパントを含む混合ガスを得ると共に、得られた前記混合ガスを前記合流位置から加熱し、
加熱された前記混合ガスを、その後基板表面に導き、β-酸化ガリウム結晶膜を前記基板表面上に成長させる結晶膜の製造方法。
続きを表示(約 920 文字)
【請求項2】
前記合流位置の温度が850~1100℃となるように加熱する、請求項1に記載の結晶膜の製造方法。
【請求項3】
前記複数の原料ガスが、アルゴン中にトリメチルガリウムとシリコンドーパントを含む第1原料ガスと、アルゴン中に酸素を含む第2原料ガスとからなる請求項1又は2に記載の結晶膜の製造方法。
【請求項4】
反応炉内に配置した基板にアルゴン中にトリメチルガリウムと酸素とシリコンドーパントを含む混合ガスを供給して、気相成長法によりβ-酸化ガリウム結晶膜を成膜する気相成長装置であって、
複数の原料ガスを、それぞれ合流位置まで導く原料ガス流路と、前記合流位置で得られた前記混合ガスを前記合流位置から前記基板表面に導きその後排出する混合ガス流路とが前記反応炉内に形成されていると共に、
前記合流位置の温度が850~1100℃となるように加熱する加熱装置を備える気相成長装置。
【請求項5】
前記加熱装置が、前記反応炉の前記合流位置を囲む部分の周囲に配置される、請求項4に記載の気相成長装置。
【請求項6】
前記原料ガス流路が、アルゴン中にトリメチルガリウムとシリコンドーパントを含む第1原料ガス流路と、アルゴン中に酸素を含む第2原料ガス流路とからなる請求項4又は5に記載の気相成長装置。
【請求項7】
炭素、水素、窒素の合計含有量が2×10
17
cm
-3
以下であり、シリコンがドーピングされている、β-酸化ガリウム結晶膜。
【請求項8】
ドナー濃度N
d
とアクセプター濃度N
a
との差[N
d
-N
a
]が10
15
cm
-3
以上10
19
cm
-3
以下である、請求項7に記載のβ-酸化ガリウム結晶膜。
【請求項9】
移動度が30cm
2
/Vs以上である、請求項7又は8に記載のβ-酸化ガリウム結晶膜。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶膜の製造方法、気相成長装置、及びβ-酸化ガリウム結晶膜に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
気相成長法は、薄膜の原料をガス状態にして基板上に供給し、化学反応により基板表面に原料を堆積させる薄膜形成法である。例えば、青色発光ダイオード、緑色発光ダイオードや紫色レーザダイオードの材料となる窒化ガリウム系半導体薄膜は、原料として有機金属を用いるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)法により製造される。
【0003】
気相成長法を利用して半導体薄膜を成膜する気相成長装置としては、例えば、特許文献1に開示されるものがある。特許文献1の気相成長装置は、基板付近を加熱している一方、基板に到達する前の原料ガスが流路内で成膜されてしまうことを防ぐため、原料ガス流路を冷却装置で冷却している。また、原料ガス流路と基板付近とを断熱板で区切って、基板付近と共に原料ガス流路が加熱されてしまうことを防止している。
【0004】
近年、新たな半導体材料として、酸化ガリウムが注目されている。酸化ガリウムは、α、β、γ、δ、ε型と記される異なる結晶構造をもつ。この内、β型が熱的に最も安定とされている。
β-酸化ガリウム(β-Ga
2
O
3
)は、バンドギャップが約5eV、ブレークダウン電界が約8MV/cmであるなど優れた物理的特性を有しており、高耐圧パワーデバイスへの応用が期待されている。
非特許文献1では、β-酸化ガリウムの結晶をMOCVDにより成膜したことが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4542860号公報
【非特許文献】
【0006】
F.Alema,B.Hertog,A.Osinsky,P.Mukhopadhyay,M.Toporkov,and W.V.Schoenfeld,J.Cryst.Growth 475(2017)77-82
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高耐圧パワーデバイスを実現するには、高純度のβ-Ga
2
O
3
結晶膜を成長させることが求められている。しかし、従来MOCVD法により、高純度のβ-Ga
2
O
3
結晶膜を得ることは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高純度のβ-Ga
2
O
3
結晶膜を製造することが可能な結晶膜の製造方法、気相成長装置、及びβ-酸化ガリウム結晶膜を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]複数の原料ガスを合流位置で合流させ、アルゴン中にトリメチルガリウムと酸素とシリコンドーパントを含む混合ガスを得ると共に、得られた前記混合ガスを前記合流位置から加熱し、
加熱された前記混合ガスを、その後基板表面に導き、β-酸化ガリウム結晶膜を前記基板表面上に成長させる結晶膜の製造方法。
[2]前記合流位置の温度が850~1100℃となるように加熱する、[1]に記載の結晶膜の製造方法。
[3]前記複数の原料ガスが、アルゴン中にトリメチルガリウムとシリコンドーパントを含む第1原料ガスと、アルゴン中に酸素を含む第2原料ガスとからなる[1]又は[2]に記載の結晶膜の製造方法。
[4]反応炉内に配置した基板にアルゴン中にトリメチルガリウムと酸素とシリコンドーパントを含む混合ガスを供給して、気相成長法によりβ-酸化ガリウム結晶膜を成膜する気相成長装置であって、
複数の原料ガスを、それぞれ合流位置まで導く原料ガス流路と、前記合流位置で得られた前記混合ガスを前記合流位置から前記基板表面に導きその後排出する混合ガス流路とが前記反応炉内に形成されていると共に、
前記合流位置の温度が850~1100℃となるように加熱する加熱装置を備える気相成長装置。
[5]前記加熱装置が、前記反応炉の前記合流位置を囲む部分の周囲に配置される、[4
]に記載の気相成長装置。
[6]前記原料ガス流路が、アルゴン中にトリメチルガリウムとシリコンドーパントを含む第1原料ガス流路と、アルゴン中に酸素を含む第2原料ガス流路とからなる[4]又は[5]に記載の気相成長装置。
[7]炭素、水素、窒素の合計含有量が2×10
17
cm
-3
以下であり、シリコンがドーピングされている、β-酸化ガリウム結晶膜。
[8]ドナー濃度N
d
とアクセプター濃度N
a
との差[N
d
-N
a
]が10
15
cm
-3
以上10
19
cm
-3
以下である、[7]に記載のβ-酸化ガリウム結晶膜。
[9]移動度が30cm
2
/Vs以上である、[7]又は[8]に記載のβ-酸化ガリウム結晶膜。
【発明の効果】
【0009】
本発明の結晶膜の製造方法、気相成長装置によれば、高純度のβ-Ga
2
O
3
結晶膜を製造することができる。また、本発明のβ-酸化ガリウム結晶膜は、高純度であって、高耐圧パワーデバイスの実現が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態の気相成長装置を正面から見た概略構成図である。
第1実施形態の気相成長装置を上面から見た概略構成図である。
第2実施形態の気相成長装置を正面から見た概略構成図である。
実験例1の結果を示す図である。
実験例4の結果を示す図である。
実験例5結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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