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公開番号2024121659
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2023028876
出願日2023-02-27
発明の名称単結晶ウエハー及びその製造方法
出願人ユニオンマテリアル株式会社
代理人個人,個人
主分類C30B 29/08 20060101AFI20240830BHJP(結晶成長)
要約【課題】 超高品質原材料、時間、エネルギー等の膨大なロスや後工程を排し、超高品質原材料の利用率を上げ、コストを大幅に削減することができる単結晶ウエハーを提供すること。
【解決手段】 単結晶ウエハーは、第1の主面と、第2の主面と、第1の主面と第2の主面とを結ぶ側面とを有する薄板状体であり、薄板状体の厚さが1mm以下であり、第1の主面、第2の主面及び側面の少なくとも一部が整形治具からの転写面を有する。
【選択図】 図7
特許請求の範囲【請求項1】
第1の主面と、第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面とを結ぶ側面とを有する薄板状体であり、
前記薄板状体の厚さが1mm以下であり、
前記第1の主面、前記第2の主面及び前記側面の少なくとも一部が整形治具からの転写面を有することを特徴とする単結晶ウエハー。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の単結晶ウエハーにおいて、
前記第1の主面の少なくとも一部が前記整形治具からの転写面を有することを特徴とする単結晶ウエハー。
【請求項3】
請求項1に記載の単結晶ウエハーにおいて、
前記第1の主面が前記整形治具からの転写面からなることを特徴とする単結晶ウエハー。
【請求項4】
請求項1に記載の単結晶ウエハーにおいて、
前記第1の主面と前記第2の主面が前記整形治具からの転写面からなることを特徴とする単結晶ウエハー。
【請求項5】
請求項1に記載の単結晶ウエハーにおいて、
前記転写面の少なくとも一部がテクスチャー構造であることを特徴とする単結晶ウエハー。
【請求項6】
請求項1に記載の単結晶ウエハーにおいて、
前記薄板状体が長方形又は正方形であることを特徴とする単結晶ウエハー。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の単結晶ウエハーが無機物からなることを特徴とする単結晶ウエハー。
【請求項8】
請求項7に記載の単結晶ウエハーが半導体からなることを特徴とする単結晶ウエハー。
【請求項9】
請求項8に記載の単結晶ウエハーがゲルマニウムからなることを特徴とする単結晶ウエハー。
【請求項10】
整形容器内に下から順にバルクの種結晶と、結晶の原材料と、整形治具とを配置する第1の工程と、
所定の雰囲気と所定の温度勾配に設定された前記整形容器を昇温して、前記原材料を融液にし、前記種結晶の少なくとも一部は溶けずに固体として残し、前記融液を固体として残っている前記種結晶に接触させる第2の工程と、
前記融液を前記整形治具に収容する第3の工程と、
前記整形容器を降温して前記融液を単結晶化する第4の工程とを有し、
前記種結晶と前記原材料は同一物質であり、
前記所定の温度勾配は、前記第1の工程で前記種結晶が配置される第1の領域の温度の方が前記原材料と前記整形治具が配置される第2の領域の温度よりも低く設定され、
前記整形治具は2以上の板状トレイで構成され、
前記板状トレイは一方の面に凹部と、前記凹部から前記第1の領域への第1の連通部とを有し、
2以上の前記板状トレイは、前記一方の面の向きが同一、かつ、水平の状態で重ねられ、前記第1の連通部による前記凹部と前記第1の領域との連通を保持して配置され、
前記凹部の深さは1mm以下であり、
前記整形治具は鉛直下向きへ移動可能に構成され、
前記第3の工程では外力で前記整形治具を鉛直下向きに移動させることにより前記融液を前記第1の連通部を介して前記凹部に収容することを特徴とする単結晶ウエハーの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、単結晶ウエハー及びその製造方法に関する。なお、「ウエハー」は、半導体の単結晶を薄板状に切断したもの(広辞苑)、半導体結晶で、厚さ数百μmの板状に加工したもの(理化学事典)のように、一般には半導体の単結晶インゴットから切り出した薄板状体をいう。しかし、本開示の「ウエハー」は、厚さが1mm以下の薄板状体であれば、単結晶インゴットから切り出したものでなくてもよく、また、材料は半導体に限定されない。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
シリコンやヒ化ガリウム、ゲルマニウム等の単結晶ウエハーは、一般に、超高品質原材料を用いてCZ法等により単結晶インゴットを製造し、単結晶インゴットをマルチ・ワイヤーソー等を用いて薄板状に切断して得られる。ワイヤーソー1本の幅は単結晶ウエハーの厚さと同程度であるため、単結晶インゴットの約半分が切断スラッジ(カーフロス)になる。また、単結晶インゴットは添加物を入れられたり、混晶にして作られるため、その先端部と後端部は添加物や組成の偏析が存在し、再利用が難しい。結果として、インゴット総量の7割程度を廃棄せざるを得ない。また、太陽電池用ウエハーの製造では、単結晶インゴットから先端部と後端部を切り落とした円柱単結晶から4辺を切断除去して角形加工するため、切断除去される4辺のロスも生じる。さらに、これらの製造過程では多大な時間や電力等のエネルギーも投入されており、それらのロスも生じる。つまり、従来の単結晶ウエハーの製造方法では、超高品質原材料や時間、エネルギーの膨大なロスが避けられない。さらに、切断後はスラッジの廃棄が問題になると共に、スラッジの洗浄工程や、切断時に生じる歪みやうねり等の加工歪み除去工程といった後工程も必要である。これらの膨大なロスや後工程のためにコストが大幅に上昇する。
【0003】
これらの膨大なロスや後工程を排し、超高品質原材料の利用率を上げ、コストを大幅に削減するため、本発明者は単結晶ウエハーの直接製造に長年取り組んできた。特許文献1では、カーボンや石英ガラスで形成される整形容器及び整形治具(モールドともいう)を用いた高品質シリコン結晶リボン(ウエハー)の製造方法を提案した。この製造方法は、(a)所定の雰囲気に設定された整形容器内で結晶の原材料を加熱して融液にする工程と、(b)該融液を前記整形容器内に配置された整形治具に収容する工程と、(c)該整形治具の一端より前記融液を冷却して結晶化する工程とからなり(請求項1)、(a)複数枚の板状トレイを互いに間隙を設けて水平方向又は垂直方向に重ねて配置することにより凹部を形成した整形治具を、前記整形容器内の一端から他端へ水平面内で移動可能に構成し、(b)前記整形容器内の一端に前記原材料を配置し、(c)前記整形治具を前記整形容器内の他端から移動させることにより前記融液を前記凹部に収容する(請求項3)。これは多結晶ウエハーの製造を目的としているが、さらに、板状トレイの一端に板状トレイ間の隙間の厚さを有する板状の種結晶をセットすること(種結晶横配置)で板状の単結晶シリコンを製造すること(提案1)を提案した(0017)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許2947529号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、提案1は着想であり、実際には単結晶シリコンウエハーを製造することはできなかった。その理由は、種結晶横配置では融液の対流により、融液と種結晶との固液界面を直線状に保持できなかったこと等が考えられる。つまり、提案1は種結晶横配置のため、構造的に実現困難だったと考えられる。さらに、提案1で用いられる板状の種結晶は、従来の単結晶ウエハーと同様に薄板状に切断して得られるため、ロスやコスト上昇を伴う。
【0006】
本開示は上記実状を鑑みてなされたものであり、超高品質原材料、時間、エネルギー等の膨大なロスや後工程を排し、超高品質原材料の利用率を上げ、コストを大幅に削減することができる単結晶ウエハー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の態様は、
第1の主面と、第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面とを結ぶ側面とを有する薄板状体であり、
前記薄板状体の厚さが1mm以下であり、
前記第1の主面、前記第2の主面及び前記側面の少なくとも一部が整形治具からの転写面を有することを特徴とする単結晶ウエハーに関する。
【0008】
本開示の一の態様の単結晶ウエハーは、インゴットを介さず、直接製造されたものであるため、超高品質原材料、時間、エネルギー等の膨大なロスや後工程を排し、超高品質原材料の利用率を上げ、コストを大幅に削減することができる。
【0009】
本開示の一の態様では、
前記第1の主面の少なくとも一部が前記整形治具からの転写面を有すること、
前記第1の主面が前記整形治具からの転写面からなること、
前記第1の主面と前記第2の主面が前記整形治具からの転写面からなること、
前記転写面の少なくとも一部がテクスチャー構造であること、又は、
前記薄板状体が長方形又は正方形であることが好ましい。
【0010】
これにより、加工や洗浄等の工程が減ると共に、原材料の利用率が向上し、コストをさらに削減することができる。また、テクスチャー構造とすることにより、単結晶ウエハーを太陽光発電等といった受光デバイスに用いる場合、反射ロスを低減させ、光の利用率を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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