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公開番号
2024135160
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023045708
出願日
2023-03-22
発明の名称
結晶材料のスライシング方法、ウェーハの製造方法、および結晶材料からなる部材
出願人
国立大学法人千葉大学
,
Orbray株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C30B
33/00 20060101AFI20240927BHJP(結晶成長)
要約
【課題】結晶材料から大面積の薄板を剥離できるようにする。
【解決手段】結晶材料からなる素材1の内部に、第一の改質部2を含む面状の改質層3を、同一平面上の複数個所に互いに間隔をあけて形成し、次いで、隣り合う改質層3の間に第二の改質部7を形成する。第二の改質部7の形成により、隣り合う改質層3のそれぞれに生じた亀裂を結合させて、素材1から薄板9を剥離する。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
結晶材料からなる素材の内部に、第一の改質部を含む面状の改質層を、同一平面上の複数個所に互いに間隔をあけて形成し、前記結晶材料が劈開性を備えており、
次いで、隣り合う前記改質層の間に第二の改質部を形成し、
前記第二の改質部の形成により、前記隣り合う改質層のそれぞれに生じた亀裂を結合させて、前記素材から薄板を剥離する結晶材料のスライシング方法。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記第二の改質部を形成する前の前記改質層が、劈開面方向の亀裂が伸展しない大きさを有する請求項1に記載の結晶材料のスライシング方法。
【請求項3】
前記第二の改質部を形成する前の前記隣り合う改質層の間隔を、それぞれの改質層で生じた亀裂同士が結合しない大きさにした請求項1に記載の結晶材料のスライシング方法。
【請求項4】
前記結晶材料をダイヤモンドとし、前記第一の改質部および第二の改質部をグラファイト化した組織とした請求項1に記載の結晶材料のスライシング方法。
【請求項5】
前記結晶材料をダイヤモンドとし、複数個所に形成した前記改質層を、(100)面と平行な同一平面上に配置した請求項1に記載の結晶材料のスライシング方法。
【請求項6】
前記改質層の第一の改質部を、前記改質層の行方向および列方向のそれぞれで整列した位置に形成した請求項1に記載の結晶材料のスライシング方法。
【請求項7】
前記改質層の第一の改質部として、当該改質層の行方向および列方向のそれぞれで整列した位置に形成した主改質部と、行方向で隣接する前記主改質部の間および列方向で隣接する前記主改質部の間に位置する副改質部とを有する請求項1に記載の結晶材料のスライシング方法。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載の方法により前記素材をスライスすることでウェーハを形成するウェーハの製造方法。
【請求項9】
結晶材料からなる素材の内部に、第一の改質部を含む面状の改質層が、同一平面上の複数個所に互いに間隔をあけて形成され、前記結晶材料が劈開性を備えており、
隣り合う前記改質層の間に第二の改質部が形成されていることを特徴とする結晶材料からなる部材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶材料のスライシング方法、ウェーハの製造方法、および結晶材料からなる部材に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
IC、LSIをはじめとする半導体デバイスの基板製造時には、単結晶材料のインゴットからウェーハをスライシングする必要がある。スライシングに際しては、これまでワイヤソーを使用することが一般的である。近年、ウェーハとして、熱伝導性、耐薬品性、機械特性等に優れたSiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)、サファイア、ダイヤモンド等の硬質の単結晶材料の使用が検討されているが、これらの単結晶材料は硬質であるが故に、ワイヤソーによるスライシングは困難である。
【0003】
このような硬質単結晶材料のスライシング方法として、単結晶材料に対して透過性を有する波長のレーザビームを、その集光点をインゴットの内部に位置づけて照射することで切断予定面に改質層及びクラックを形成し、外力を付与して改質層及びクラックが形成された切断予定面に沿って割断して、インゴットからウェーハを分離する手法が下記の特許文献1に提案されている。同様のスライシング方法が下記の非特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-111145号公報
【非特許文献】
【0005】
大野暁人,外3名,「ダイヤモンドのレーザスライシングに関する研究-材料内部に形成する加工痕の観察-」,2017年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集,p.429-430
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
単結晶材料では、剥離し易い面(劈開面)が存在し、結晶の向きによって劈開面の向きも決まる。例えばダイヤモンドでは(111)面が劈開面になるが、(111)面は(100)面に対して約55°傾いている。このようにダイヤモンドでは、結晶面に対する劈開面の方向が大きく異なることから、(100)面で劈開を試みても、劈開方向が(111)面となる方向に曲がってしまうことが多い。
【0007】
ダイヤモンドをウェーハとして使用する場合、一般的に使用される表面は(100)面である。特許文献1に記載の手法を適用して、(100)面に沿ってダイヤモンドの劈開を試みると、一辺が100μm程度までの小面積の改質層であれば(100)面に沿って亀裂を伸展させ、(100)面に沿って剥離させることができる。しかしながら、改質層ではグラファイト化により体積膨張を生じるため、これよりも面積の大きい改質層を形成すると、改質層から離れた領域まで亀裂が伸展することとなる。改質層から一定距離離れて亀裂が伸展すると、亀裂の進行方向が改質層に平行な方向から曲がり、劈開面方向への亀裂伸展が始まるため、改質層に平行な(100)面に沿った劈開が困難となる。
【0008】
非特許文献1に記載の手法では、大きなクラックを防止するため、ドットピッチやラインピッチ等を精緻に制御している。そのため、狭いウィンドウの加工を再現良く行うために、高精度で高価な設備を用いる必要がある。また、ウェーハが変われば、レーザ光の照射条件を再検討する必要があり、煩雑な手間を要する。そのため、ウィンドウが広く、材料や装置の選択肢が広がるようなスライシング方法の提供が望まれる。
【0009】
ウェーハを半導体デバイスの基板材料として用いる場合、インチサイズのウェーハが必要となるが、特許文献1や非特許文献1の手法では、上記の理由から、必要なサイズのダイヤモンドウェーハを得ることは難しい。
【0010】
そこで、本発明は、結晶材料から大面積の薄板を剥離することができる結晶材料のスライシング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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