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公開番号
2024122630
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-09
出願番号
2023030288
出願日
2023-02-28
発明の名称
半導体膜の製造方法、結晶積層構造体、及び半導体デバイス
出願人
株式会社ノベルクリスタルテクノロジー
代理人
弁理士法人平田国際特許事務所
主分類
C30B
29/16 20060101AFI20240902BHJP(結晶成長)
要約
【課題】β-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜をより簡素な方法により高抵抗化することができる、HVPE法を用いた半導体膜の製造方法、並びにその製造方法を用いて製造することのできる結晶積層構造体及び半導体デバイスを提供する。
【解決手段】一実施の形態として、HVPE装置2内の基板10が設置された空間に、GaClガス、O
2
ガス、及びキャリアガスとしてのN
2
ガスを流入させ、基板10の主面11上にβ-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜12をエピタキシャル成長させる成膜工程を含み、前記成膜工程において、O
2
ガスの供給分圧のGaClガスの供給分圧に対する比の値を1以下とし、前記成膜工程において、半導体膜12中のN濃度をCl濃度よりも大きくする、半導体膜12の製造方法を提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
HVPE装置内の基板が設置された空間に、GaClガス、O
2
ガス、及びキャリアガスとしてのN
2
ガスを流入させ、前記基板の主面上にβ-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜をエピタキシャル成長させる成膜工程を含み、
前記成膜工程において、前記O
2
ガスの供給分圧の前記GaClガスの供給分圧に対する比の値を1以下とし、
前記成膜工程において、前記半導体膜中のN濃度をCl濃度よりも大きくする、
半導体膜の製造方法。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記基板が、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなり、
前記基板の主面のオフ角により前記N濃度と前記Cl濃度を制御する、
請求項1に記載の半導体膜の製造方法。
【請求項3】
(001)面、(010)面、又は(011)面から0.01°より大きく0.2°以下の範囲で傾斜した面を前記基板の主面とする、
請求項2に記載の半導体膜の製造方法。
【請求項4】
前記基板が、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなり、
(001)面又は(001)面から0.01°以下の範囲で傾斜した面を前記基板の主面とし、
前記GaClガスの供給分圧を1×10
-3
atm以下とする、
請求項1に記載の半導体膜の製造方法。
【請求項5】
基板と、
前記基板の主面上に形成されたエピタキシャル膜である、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜と、
を備え、
前記半導体膜がNとClを含み、
前記半導体膜の前記Nの濃度が前記Clの濃度よりも高い、
結晶積層構造体。
【請求項6】
(001)面、(010)面、又は(011)面から0.01°より大きく0.2°以下の範囲で傾斜した面を前記基板の主面とする、
請求項5に記載の結晶積層構造体。
【請求項7】
基板と、
前記基板の主面上に形成されたエピタキシャル膜である、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜と、
を備え、
前記半導体膜がNとClを含み、
前記半導体膜の前記Nの濃度が前記Clの濃度よりも高い、
半導体デバイス。
【請求項8】
(001)面、(010)面、又は(011)面から0.01°より大きく0.2°以下の範囲で傾斜した面を前記基板の主面とする、
請求項7に記載の半導体デバイス。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体膜の製造方法、結晶積層構造体、及び半導体デバイスに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、β-Ga
2
O
3
系単結晶膜の製造において、GaClガスの供給量に対するSiCl
4
ガスの供給量により、β-Ga
2
O
3
系単結晶膜中のドナーとなるSiの濃度を広い範囲で制御する技術が知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1によれば、HVPE法を用いてβ-Ga
2
O
3
系単結晶を成長させながらドーパントを添加することにより、MBE法やEFG法を用いる場合よりも広い範囲でのβ-Ga
2
O
3
系単結晶のドーパントの濃度を制御することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-175807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のHVPE法を用いた技術を利用して、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜を高抵抗化させる場合には、例えば、特許文献1に記載の方法において、アクセプター不純物を適切な濃度で添加する方法が考えられる。
【0006】
本発明の目的は、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜をより簡素な方法により高抵抗化することができる、HVPE法を用いた半導体膜の製造方法、並びにその製造方法を用いて製造することのできる結晶積層構造体及び半導体デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記の半導体膜の製造方法を提供する。
【0008】
[1]HVPE装置内の基板が設置された空間に、GaClガス、O
2
ガス、及びキャリアガスとしてのN
2
ガスを流入させ、前記基板の主面上にβ-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜をエピタキシャル成長させる成膜工程を含み、前記成膜工程において、前記O
2
ガスの供給分圧の前記GaClガスの供給分圧に対する比の値を1以下とし、前記成膜工程において、前記半導体膜中のN濃度をCl濃度よりも大きくする、半導体膜の製造方法。
[2]前記基板が、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなり、前記基板の主面のオフ角により前記N濃度と前記Cl濃度を制御する、上記[1]に記載の半導体膜の製造方法。
[3](001)面、(010)面、又は(011)面から0.01°より大きく0.2°以下の範囲で傾斜した面を前記基板の主面とする、上記[2]に記載の半導体膜の製造方法。
[4]前記基板が、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなり、(001)面又は(001)面から0.01°以下の範囲で傾斜した面を前記基板の主面とし、前記GaClガスの供給分圧を1×10
-3
atm以下とする、上記[1]に記載の半導体膜の製造方法。
[5]基板と、前記基板の主面上に形成されたエピタキシャル膜である、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜と、を備え、前記半導体膜がNとClを含み、前記半導体膜の前記Nの濃度が前記Clの濃度よりも高い、結晶積層構造体。
[6](001)面、(010)面、又は(011)面から0.01°より大きく0.2°以下の範囲で傾斜した面を前記基板の主面とする、上記[5]に記載の結晶積層構造体。
[7]基板と、前記基板の主面上に形成されたエピタキシャル膜である、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜と、を備え、前記半導体膜がNとClを含み、前記半導体膜の前記Nの濃度が前記Clの濃度よりも高い、半導体デバイス。
[8](001)面、(010)面、又は(011)面から0.01°より大きく0.2°以下の範囲で傾斜した面を前記基板の主面とする、上記[7]に記載の半導体デバイス。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、β-Ga
2
O
3
系単結晶からなる半導体膜をより簡素な方法により高抵抗化することができる、HVPE法を用いた半導体膜の製造方法、並びにその製造方法を用いて製造することのできる結晶積層構造体及び半導体デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体膜が基板上に形成された結晶積層構造体の垂直断面図である。
図2は、本発明の実施の形態に係るHVPE装置の垂直断面図である。
図3は、O
2
ガスの供給分圧のGaClガスの供給分圧に対する比の値を1としたときに得られるβ-Ga
2
O
3
単結晶からなる半導体膜のN濃度とCl濃度を示すSIMS(二次イオン質量分析)プロファイルである。
図4(a)~(c)は、基板及び半導体膜がβ-Ga
2
O
3
単結晶からなる場合の、基板の主面の(001)面からのオフ角とSIMSにより測定された半導体膜のN濃度及びCl濃度との関係を示すグラフである。
図5(a)、(b)は、β-Ga
2
O
3
単結晶からなる基板の主面の(001)面からのオフ角がそれぞれ約0°(0°~0.01)、約0.2°(0.19~0.2°)である場合の、GaClガスの供給分圧とSIMSにより測定された半導体膜のN濃度及びCl濃度との関係を示すグラフである。
図6は、GaClガスの供給分圧、O
2
ガスの供給分圧のGaClガスの供給分圧に対する比の値、β-Ga
2
O
3
単結晶からなる基板の主面の(001)面からのオフ角、β-Ga
2
O
3
単結晶からなる半導体膜の抵抗の高さ及び成膜速度の関係をまとめたグラフである。
図7は、本発明の実施の形態に係る半導体膜を備えたデバイスの一例としてのMISFET(metal-insulator-semiconductor field-effect transistor)の垂直断面図である。
図8(a)、(b)は、MISFETの半導体膜に形成される空乏層の深さとECV法により測定したN
d
-N
a
(ドナー濃度N
d
からアクセプター濃度N
a
を引いた値)との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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