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公開番号2025093842
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2024091045
出願日2024-06-04
発明の名称高温超伝導体単結晶の製造方法及びこれにより製造された高温超伝導体単結晶
出願人現代自動車株式会社,HYUNDAI MOTOR COMPANY,起亞株式会社,KIA CORPORATION,ソウル大学校産学協力団,SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
代理人弁理士法人共生国際特許事務所
主分類C30B 29/22 20060101AFI20250617BHJP(結晶成長)
要約【課題】多段種子を用いて、希土類金属を含有する高温超伝導体単結晶を容易に成長させることができる高温超伝導体単結晶の製造方法、及びこれにより製造された高温超伝導体単結晶を提供する。
【解決手段】本発明の高温超伝導体単結晶の製造方法は、希土類金属を含有するReBCO系高温超伝導体単結晶を製造する方法であって、希土類金属を含有するReBCO系前駆体を準備する前駆体準備ステップと、互いに異なる格子定数を有する複数の種子を準備する樹脂準備ステップと、前駆体の上面に準備された種子を積層して配置する種子配置ステップと、前駆体を前駆体の包晶温度以上に加熱して前駆体の一部を溶融させる溶融ステップと、前駆体を前駆体の結晶成長温度に冷却して種子の結晶方位に合わせて単結晶を成長させる成長ステップと、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
希土類金属を含有するReBCO系前駆体に、互いに異なる格子定数を有する複数の種子を配置するステップと、
前記ReBCO系前駆体を前記ReBCO系前駆体の包晶温度以上に加熱して前記ReBCO系前駆体の一部を溶融させるステップと、
該ステップで溶融させた前記ReBCO系前駆体を前記ReBCO系前駆体の結晶成長温度に冷却して種子の結晶方位に合わせて単結晶を成長させるステップと、を含むことを特徴とする、高温超伝導体単結晶の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ReBCO系前駆体は、希土類金属としてGdとHoを含有する(Gd、Ho)BCO系前駆体であることを特徴とする、請求項1に記載の高温超伝導体単結晶の製造方法。
【請求項3】
前記(Gd、Ho)BCO系前駆体は、(Gd
1-x
Ho

)Ba

Cu


7-δ
(0.4<x<0.6、δ<7)であることを特徴とする、請求項2に記載の高温超伝導体単結晶の製造方法。
【請求項4】
前記ReBCO系前駆体は、
Gd



、BaCO

及びCuO粉末とHo含有粉末とを化学組成量に合わせて混合して混合粉末を準備する混合過程、及び
前記混合粉末を加圧成形して前記ReBCO系前駆体を準備する成形過程によって準備されることを特徴とする、請求項1に記載の高温超伝導体単結晶の製造方法。
【請求項5】
前記複数の種子は、シード種子とバッファ種子から構成され、
前記ReBCO系前駆体と前記バッファ種子との格子定数の差は、前記ReBCO系前駆体と前記シード種子との格子定数の差より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の高温超伝導体単結晶の製造方法。
【請求項6】
前記ReBCO系前駆体と前記バッファ種子との包晶温度の差は、前記ReBCO系前駆体と種子種との包晶温度の差よりも小さいことを特徴とする、請求項5に記載の高温超伝導体単結晶の製造方法。
【請求項7】
前記バッファ種子と前記ReBCO系前駆体との格子定数の差が0.8%以下であることを特徴とする、請求項5に記載の高温超伝導体単結晶の製造方法。
【請求項8】
シード樹脂は、NdBa

Cu


7-δ
(δ<7)であることを特徴とする、請求項5に記載の高温超伝導体単結晶の製造方法。
【請求項9】
前記バッファ種子は、GdBa

Cu


7-δ
(δ<7)であることを特徴とする、請求項5に記載の高温超伝導体単結晶の製造方法。
【請求項10】
前記配置するステップで、
前記バッファ種子が前記ReBCO系前駆体に近く配置され、前記シード種子が前記ReBCO系前駆体から遠く配置されることを特徴とする、請求項5に記載の高温超伝導体単結晶の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高温超伝導体単結晶の製造方法及びこれにより製造された高温超伝導体単結晶に関し、より詳細には、多段種子を用いて、2種以上の希土類金属を含有する高温超伝導体単結晶を容易に成長させることができる高温超伝導体単結晶の製造方法、及びこれにより製造された高温超伝導体単結晶に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
1911年、オランダ・ライデン大学のカメリン・オンネス(Heike Kamerlingh-Onnes)が水銀の電気抵抗を測定する実験を行い、絶対温度4.2K(零下268.8℃)で電気抵抗が突然なくなる現象を発見した。これを起点として、高磁場が必要なアプリケーションでNbTiやSnTiなどの低温超伝導体が使用され始めた。
1987年、スイスのベドノルツ(Johannes Bednorz)とミュラー(Karl Muller)によって高温超伝導体が発見された。その後、高温超伝導体の臨界温度及び臨界電流密度の向上のために盛んに研究が進められてきた。
高温超伝導体の代表的な組成は、BSCCOとREBCOがある。このとき、Reは、Rare Earthであって、希土類元素を意味する。
2つの組成はいずれも、酸化銅(Cu Oxide)内の酸素含有量が化学的に不安定な状態(Non-Stoichiometric compound)であるため、製造及び使用の際に酸素雰囲気の制御が重要である。
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進させるためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
韓国特許第10-0045485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、多段種子を用いて、2種以上の希土類金属を含有する高温超伝導体単結晶を容易に成長させることができる高温超伝導体単結晶の製造方法、及びこれにより製造された高温超伝導体単結晶を提供する。
本発明で解決しようとする技術的課題は、上述した技術的課題に限定されず、上述していない別の技術的課題は、以降の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の高温超伝導体単結晶の製造方法は、希土類金属を含有するReBCO系前駆体に、互いに異なる格子定数を有する複数の種子を前駆体に配置するステップと、前駆体を前駆体の包晶温度以上に加熱して前駆体の一部を溶融させるステップと、前駆体を前駆体の結晶成長温度に冷却して種子の結晶方位に合わせて単結晶を成長させるステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、次の効果を期待することができる。
第一に、超電導素材を線材として活用する際に、駆動用モーターに適用線材の臨界電流密度を高めることができるため、超電導コイル(レーストラック)の磁場を現在のレベルの線材よりも高めて出力密度を最大化することができる。
第二に、超電導バルク磁石として活用する際には、臨界電流密度の増加が着磁される磁場の最大化に繋がり、モーターの出力密度を最大化することができる。
第三に、直接的には、新規種子の開発なしに、大面積の単結晶超伝導体の製造及び新規物質の製造に利点を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の高温超伝導体単結晶の製造方法を用いた階段式多段種子成長の模式図である。
本発明の高温超伝導体単結晶の製造方法の一例を示すフローチャートである。
X線回折を利用して測定した(Gd
1-x
Ho

)Ba

Cu



-δ(0.4<x<0.6、δ<7)前駆体とNdBCOシード種子のa軸、b軸格子定数を示すグラフである。
本発明の高温超伝導体単結晶の製造方法の熱処理過程の温度変化を示す図である。
本発明の高温超伝導体単結晶の製造方法を用いた階段式多段種子成長を示す写真である。
10K温度での単結晶高温超伝導体のHo含有量による磁化率を示すグラフである。
10K温度での単結晶高温超伝導体のHo含有量による臨界電流密度をExte nded Bean Critical State Modelによって示すグラフである。
10K温度での多結晶と単結晶高温超伝導体のHo含有量による臨界電流密度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本明細書に開示された実施形態を詳細に説明するが、図面符号に関係なく、同一又は類似の構成要素は、同一の参照番号を付与し、これについての重複説明は省略する。
以下の説明において使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は、明細書作成の容易さのみが考慮されて付与又は混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味又は役割を有するものではない。
本明細書に開示された実施形態を説明するにあたり、関連する公知の技術についての具体的な説明が、本明細書に開示された実施形態の要旨を乱すおそれがあると判断された場合、その詳細な説明を省略する。また、添付図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、添付図面によって、本明細書に開示された技術的思想が限定されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。
【0009】
「第1」、「第2」等の序数を含む用語は多様な構成要素の説明に使用できるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されるものではない。これらの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いるとしたときには、該他の構成要素に直接連結又は接続されている場合もあるが、それらの間に別の構成要素が介在している場合も含むと理解されるべきである。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いるとしたときには、それらの間に別の構成要素が介在しないと理解されるべきである。
単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0010】
本発明は、上部種子溶融成長法において前駆体と種子の格子定数との差が大きい場合に、これを緩和する多段種子を用いて、希土類金属を含有する高温超伝導体単結晶を容易に成長させることができる高温超伝導体単結晶の製造方法、及びこれにより製造された高温超伝導体単結晶に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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