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公開番号2025076971
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-16
出願番号2024018035
出願日2024-02-08
発明の名称ダイヤモンド基板及びその製造方法並びにセンサー
出願人信越化学工業株式会社,国立研究開発法人産業技術総合研究所,国立大学法人東京科学大学
代理人個人,個人,個人
主分類C30B 29/04 20060101AFI20250509BHJP(結晶成長)
要約【課題】下地基板上に、規定された条件でCVDを行うことで、NV軸が高配向(例えば[111]高配向)、かつ単一スピンで高密度な窒素-空孔中心(NVC)を有する、ダイヤモンド結晶を形成できるダイヤモンド基板の製造方法を提供する。
【解決手段】CVD法により下地基板上にダイヤモンド結晶を形成してダイヤモンド基板を製造する方法において、ダイヤモンド結晶の少なくとも一部に、NVC含有ダイヤモンド結晶層を形成するため、原料ガス中、炭化水素ガス:0.005体積%以上7.000体積%以下、水素ガス:85.000体積%以上99.995体積%未満、窒素ガスまたは窒化物ガス:5.0×10-5体積%以上8.000体積%以下とし、原料ガス中の炭化水素ガスとして、12C構成炭化水素ガスの比率が天然の炭化水素ガスにおける比率よりも高い12C濃縮炭化水素ガスを使用するダイヤモンド基板の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
化学気相成長(CVD)法により、炭化水素ガスと希釈用ガスである水素ガスとを含む原料ガスを用いて、下地基板上にダイヤモンド結晶を形成してダイヤモンド基板を製造する方法において、
前記下地基板上に形成するダイヤモンド結晶の少なくとも一部に、窒素空孔中心を有するダイヤモンド結晶層を形成するために、前記原料ガスに窒素ガスまたは窒化物ガスを混入すると共に、前記原料ガスに含まれる各ガスの量を、
炭化水素ガスの量を0.005体積%以上7.000体積%以下、
水素ガスの量を85.000体積%以上99.995体積%未満、
窒素ガスまたは窒化物ガスの量を5.0×10
-5
体積%以上8.000体積%以下
として、前記窒素空孔中心を有するダイヤモンド結晶層を形成し、
前記原料ガス中の炭化水素ガスとして、炭素の同位体である
12
Cから構成される炭化水素ガスの比率が天然の炭化水素ガスにおける比率よりも高い
12
C濃縮炭化水素ガスを使用することを特徴とするダイヤモンド基板の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記原料ガスとして、さらに酸素ガスまたは酸化物ガスの量を0.010体積%以上2.000体積%以下含むことを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
【請求項3】
前記原料ガス中の炭化水素ガスを、メタンガスとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
【請求項4】
前記CVD法によるダイヤモンド結晶の形成におけるガス圧力を、1.3kPa(10Torr)以上50.0kPa(376Torr)以下とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
【請求項5】
前記
12
C濃縮炭化水素ガスを、該
12
C濃縮炭化水素ガスにおける
12
Cから構成される炭化水素ガスの体積比が99.950体積%以上のものとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
【請求項6】
前記
12
C濃縮炭化水素ガスを、該
12
C濃縮炭化水素ガスにおける
13
Cから構成される炭化水素ガスの体積比が0.040体積%以下のものとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
【請求項7】
前記下地基板を、単結晶ダイヤモンドの単層基板とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
【請求項8】
前記単結晶ダイヤモンドの単層基板を、高温高圧合成単結晶ダイヤモンド層、ヘテロエピタキシャル単結晶ダイヤモンド層、CVD合成ホモエピタキシャルダイヤモンド層のいずれかとすることを特徴とする請求項7に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
【請求項9】
前記CVD法によるダイヤモンド結晶の形成において、窒素空孔中心を含まないダイヤモンド結晶層を形成するとき、天然の炭化水素ガスを使用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
【請求項10】
前記下地基板を、下層基板と該下層基板上の中間層から成る積層構造とすることを特徴する請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンド基板及びその製造方法並びにセンサーに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ダイヤモンドは、室温で5.47eVという広いバンドギャップを持ち、ワイドバンドギャップ半導体として知られている。
【0003】
ワイドバンドギャップ半導体の中でも、ダイヤモンドは、絶縁破壊電界強度が10MV/cmと非常に高く、高電圧動作が可能である。また、既知の物質として最高の熱伝導率を有していることから放熱性にも優れている。さらに、キャリア移動度や飽和ドリフト速度が非常に大きいため、高速デバイスとして適している。
【0004】
そのため、ダイヤモンドは、高周波・大電力デバイスとしての性能を示すJohnson性能指数を、炭化ケイ素や窒化ガリウムといった半導体と比較しても最も高い値を示し、究極の半導体と言われている。
【0005】
さらにダイヤモンドには、結晶中に存在する窒素-空孔中心(NVC)の現象があり、室温で単一スピンを操作及び検出することが可能で、その状態を光検出磁気共鳴でイメージングできる特徴がある。この特徴を活かして、磁場、電場、温度、圧力などの高感度センサーとして幅広い分野での応用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
US2013/0143022A1
【非特許文献】
【0007】
M.Hatano et al., OYOBUTURI 85, 311 (2016)
T.Fukui,et al.,APEX 7,055201(2014).
H.Ozawa,et.al.,NDF Dia.Symp.29,16(2015).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、ダイヤモンドは、半導体材料や電子・磁気デバイス用材料としての実用化が期待されており、大面積かつ高品質なダイヤモンド基板の供給が望まれている。例えば、特許文献1には、化学気相成長法によるヘテロエピタキシャル成長で、ダイヤモンド(111)結晶を形成する技術について報告されている。また、特に、ダイヤモンドの用途のうち重要度の高いNVCデバイス用途では、窒素-空孔軸(NV軸)が高配向であることが必要で、そのためダイヤモンド表面はNV軸が[111]方向に揃う(111)結晶面であることが望ましい(非特許文献1)。また、例えば医療用のMRI分野への適用を考えると、磁気センサー部となるダイヤモンド基板が大直径(大口径)であれば、より広い領域を効率良く測定できる装置が実現できる。また、製造コスト的にも有利である。
【0009】
また、当該ダイヤモンド基板を電子・磁気デバイスに用いる場合、センサー部分は、ダイヤモンド結晶中にNV軸が[111]方向に揃うことだけでなく、更に、高密度に形成する必要もある。
【0010】
これまでに報告されている、[111]配向した高密度NVC形成ダイヤモンド結晶の作製は、次の通りである。
高温高圧合成(HPHT)法により合成された単結晶ダイヤモンドを下地基板として、マイクロ波化学気相成長(CVD)法で、水素希釈メタンに窒素を添加して成長させることで検討されている(非特許文献2、3)。
しかしながら、報告されている文献では、実用上大型サイズを得るのが困難なHPHTIb(111)のみをベース基板としており、更に、非特許文献2ではCVDにおけるガス組成の詳細が不明である。また、非特許文献3では文献中のCVD条件が最適化されているのか不明である。
(【0011】以降は省略されています)

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