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公開番号2025113345
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2025083693,2023522623
出願日2025-05-20,2022-05-12
発明の名称含フッ素アクリル組成物、含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物及び物品、並びに添加剤
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C08L 71/00 20060101AFI20250725BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】活性エネルギー線硬化性組成物に添加して、硬化物層表面に優れた防汚性、耐摩耗性を付与することができ、活性エネルギー線硬化性組成物に対する安定した溶解性を有する含フッ素アクリル組成物を提供する。
【解決手段】(A)フルオロポリエーテルを主鎖に持ち、分子鎖の片方の末端にトリフルオロメチル基を有し、他方の末端に(メタ)アクリル基を有し、1分子中にカルボン酸エステル結合、スルホン酸エステル結合、アミド結合、ウレタン結合及びウレア結合からなる群より選択される2個以上の結合を有する含フッ素アクリル化合物(但し、分子中にケイ素原子を含まない)及び(B)フルオロポリエーテルを主鎖に持ち、分子鎖の両末端のそれぞれに2個以上の(メタ)アクリル基を有し、1分子中に平均して4~10個の(メタ)アクリル基を有する含フッ素アクリル化合物を含み、(B)100質量部に対して成分(A)を1~400質量部含有する含フッ素アクリル組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)フルオロポリエーテルを主鎖に持ち、分子鎖の片方の末端にトリフルオロメチル基を有し、他方の末端に(メタ)アクリル基を有し、1分子中にカルボン酸エステル結合、スルホン酸エステル結合、アミド結合、ウレタン結合及びウレア結合からなる群より選択される同種又は異種の2個以上の結合を有する含フッ素アクリル化合物(但し、分子中にケイ素原子を含まない。)、及び
(B)フルオロポリエーテルを主鎖に持ち、分子鎖の両末端のそれぞれに2個以上の(メタ)アクリル基を有し、1分子中に平均して4~10個の(メタ)アクリル基を有する含フッ素アクリル化合物
を必須成分として含有し、成分(B)100質量部に対して成分(A)を1~400質量部含有する含フッ素アクリル組成物。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
成分(A)及び成分(B)において、それぞれのフルオロポリエーテルがパーフルオロオキシアルキレン構造を繰り返し単位として有するものである請求項1に記載の含フッ素アクリル組成物。
【請求項3】
成分(A)及び成分(B)において、それぞれのフルオロポリエーテルが、下記構造式
TIFF
2025113345000079.tif
10
149
(式中、dは単位毎に独立して1~3の整数であり、p、q、r、s、t、uはそれぞれ0~200の整数で、p+q+r+s+t+u=3~200の整数であり、これら各単位は直鎖状であっても分岐状であってもよい。また、p、q、r、s、t、uが付された括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
で表される2価のパーフルオロポリエーテル基である請求項1に記載の含フッ素アクリル組成物。
【請求項4】
成分(A)において、2価のパーフルオロポリエーテル基が、下記構造式
-CF
2
O-(CF
2
O)
p1
(CF
2
CF
2
O)
q1
-CF
2

TIFF
2025113345000080.tif
38
96
(式中、p1、q1、r1、r2、vが付された括弧で括られた各繰り返し単位の配列はランダムであり、p1は1~199の整数、q1は1~170の整数、p1+q1は6~200である。eは単位毎に独立して1~6の整数であり、vは0~6の整数、r1、r2はそれぞれ1~100の整数で、r1+r2は2~120の整数、v+r1+r2は3~126の整数である。C
e

2e
Oは直鎖状であっても分岐状であってもよいが、eが3の場合は直鎖状である。wは4~120の整数である。)
で表される2価のパーフルオロポリエーテル基のいずれかである請求項3に記載の含フッ素アクリル組成物。
【請求項5】
活性エネルギー線硬化性組成物(E)100質量部に対し、請求項1~4のいずれか1項に記載の含フッ素アクリル組成物を0.005~100質量部含むものである含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項6】
活性エネルギー線硬化性組成物(E)が、非フッ素化アクリル化合物(a)を含むものである請求項5に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項7】
活性エネルギー線硬化性組成物(E)が、光重合開始剤(b)を含むものである請求項5に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項8】
活性エネルギー線硬化性組成物(E)が、溶剤を含むものである請求項5に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項9】
請求項5に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層を表面に有する物品。
【請求項10】
請求項1~4のいずれか1項に記載の含フッ素アクリル組成物を含む添加剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線硬化性組成物に添加することで、塗工時には安定した溶解性を有し、塗工後の硬化物層表面に優れた防汚性、滑り性、耐摩耗性を付与することができる含フッ素アクリル組成物、及び該含フッ素アクリル組成物を含む含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物、並びにこの組成物の硬化物層を基材表面に有する物品、並びに添加剤に関する。
なお、本発明において、単に活性エネルギー線硬化性組成物と記載する場合は、この組成物に主成分として含フッ素アクリル化合物を含まないものをいう。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、樹脂成形体等の表面を保護する手段として、ハードコート処理が広く一般に用いられている。これは成形体の表面に硬質の硬化樹脂層(ハードコート層)を形成し、傷つき難くするものである。ハードコート層を構成する材料としては、熱硬化性樹脂組成物や紫外線もしくは電子線硬化型樹脂組成物など活性エネルギー線による硬化性樹脂組成物(ハードコート剤)が多く使用されている。
【0003】
一方、樹脂成形品の利用分野の拡大や高付加価値化の流れに伴い、硬化樹脂層(ハードコート層)に対する高機能化の要望が高まっており、その一つとして、ハードコート層への防汚性の付与が求められている。これはハードコート層の表面に撥水性、撥油性などの性質を付与することにより、汚れ難く、あるいは汚れても容易に取り除くことができるようにするものである。
【0004】
ハードコート層に防汚性を付与する方法としては、一旦形成されたハードコート層表面に含フッ素防汚剤を塗工及び/又は定着させる方法が広く用いられているが、含フッ素硬化性成分を硬化前の硬化性樹脂組成物(非フッ素化ハードコート剤)に添加し、これを塗布硬化させることでハードコート層の形成と防汚性の付与を同時に行う方法についても検討されてきた。例えば、特開平6-211945号公報(特許文献1)には、アクリル系の硬化性樹脂組成物にアルキルフルオロアクリレートを添加、硬化させることで防汚性を付与したハードコート層の製造が示されている。
【0005】
本発明者らは、このような硬化性樹脂組成物に防汚性を付与できる含フッ素化合物として、様々な開発を進めており、例えば、特開2013-237824号公報(特許文献2)には、含フッ素アルコール化合物を熱硬化性組成物に配合することで防汚性を付与する方法を提案している。また、本発明者らは、例えば、特開2010-53114号公報(特許文献3)、特開2010-138112号公報(特許文献4)、特開2010-285501号公報(特許文献5)に示す光硬化可能な含フッ素アクリル化合物を提案している。
【0006】
近年、こうした含フッ素アクリル化合物を配合した防汚性に優れる活性エネルギー線硬化性組成物(硬化性樹脂組成物)は用途が大きく拡大してきており、ハードコート、特に大型ディスプレイ表面の防汚処理、スマートフォンやタブレットなどの携帯用情報機器のディスプレイや筐体の表面処理においては、防汚性能、耐摩耗性についてより高い性能が求められてきている。
【0007】
しかしながら、従来の含フッ素アクリル化合物は、人の指による摩耗に起因する性能の低下が著しく、実用上満足できる耐摩耗性を有するものではない。また、滑り性に代表される耐摩耗性の向上に向けた一つの手段はよりフッ素変性の高い成分を表面に配列させることであるが、従来技術範囲において含フッ素アクリル化合物のフッ素含有率を増加させると、非フッ素化ハードコート剤に対する溶解性が低下し、塗工表面に欠損等の不均一部分による部分塗工不良やゆず肌状の全面塗工不良が発生する。よって、耐摩耗性の向上と、非フッ素化ハードコート剤への安定した溶解性の両立は困難なものであるとされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平6-211945号公報
特開2013-237824号公報
特開2010-53114号公報
特開2010-138112号公報
特開2010-285501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、紫外線や電子線等の活性エネルギー線硬化性組成物に添加することで、硬化物層表面に優れた防汚性、耐摩耗性を付与することができ、かつ活性エネルギー線硬化性組成物に対する安定した溶解性を有する含フッ素アクリル組成物、該含フッ素アクリル組成物を含む含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物、並びにこの組成物の硬化物層を基材表面に有する物品、並びに添加剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するために検討を重ねた結果、(A)フルオロポリエーテルを主鎖に持つ直鎖ポリマーであって、分子鎖の片方の末端にトリフルオロメチル基を有し、他方の末端に(メタ)アクリル基を有し、1分子中にカルボン酸エステル結合、スルホン酸エステル結合、アミド結合、ウレタン結合及びウレア結合からなる群より選択される同種又は異種の2個以上の結合を有する含フッ素アクリル化合物、及び(B)フルオロポリエーテルを主鎖に持つ直鎖ポリマーであって、分子鎖の両末端のそれぞれに2個以上の(メタ)アクリル基を有し、1分子中に平均して4~10個の(メタ)アクリル基を有する含フッ素アクリル化合物を必須成分として含有し、成分(B)100質量部に対して成分(A)を1~400質量部含有する含フッ素アクリル組成物が、上記要求を満たし、ハードコート剤などの防汚添加剤等として有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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