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公開番号
2025116596
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-08
出願番号
2024011108
出願日
2024-01-29
発明の名称
磁気ドメイン構造体
出願人
信越化学工業株式会社
,
国立大学法人東北大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02F
1/09 20060101AFI20250801BHJP(光学)
要約
【課題】 使用する光の波長程度のサイズの磁気ドメインを発現しつつ、大きな光透過率と、大きな磁気光学効果を有する磁気ドメイン構造体を提供する。
【解決手段】 支持基板上に、交互に積層された複数の誘電体層と複数の磁性絶縁体層からなる多層膜を有する磁気ドメイン構造体であって、支持基板、誘電体層、磁性絶縁体層が、いずれもガーネット構造を有する材料からなるものであり、支持基板上に、複数の誘電体層と複数の磁性絶縁体層が交互に積層された、第1の多層膜を有し、第1の多層膜上に形成され、第1の多層膜における磁性絶縁体層の一層の厚さよりも厚い磁性絶縁体層からなる欠陥層を有し、欠陥層上に、複数の誘電体層と複数の磁性絶縁体層が交互に積層された、第2の多層膜を有するものであり、無磁場環境下で、磁化が支持基板面に対して垂直方向を向いた200nm以上の幅を有する磁気ドメインが発現しているものである磁気ドメイン構造体。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
支持基板上に、交互に積層された複数の誘電体層と複数の磁性絶縁体層からなる多層膜を有する磁気ドメイン構造体であって、
前記支持基板、前記誘電体層、前記磁性絶縁体層が、いずれもガーネット構造を有する材料からなるものであり、
前記支持基板上に、一定の厚さを有する複数の前記誘電体層と一定の厚さを有する複数の前記磁性絶縁体層が交互に積層された、第1の多層膜を有し、
前記第1の多層膜上に形成され、前記第1の多層膜における前記磁性絶縁体層の一層の厚さよりも厚い前記磁性絶縁体層からなる欠陥層を有し、
前記欠陥層上に、前記第1の多層膜におけるそれぞれの厚さと同等の厚さを有する、複数の前記誘電体層と複数の前記磁性絶縁体層が交互に積層された、第2の多層膜を有するものであり、
無磁場環境下で、磁化が支持基板面に対して垂直方向を向いた200nm以上の幅を有する磁気ドメインが発現しているものであることを特徴とする磁気ドメイン構造体。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
前記欠陥層の厚さが、前記第1の多層膜における前記磁性絶縁体層の一層の厚さの2倍であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ドメイン構造体。
【請求項3】
前記支持基板がガドリニウムガリウムガーネットからなり、
前記誘電体層がガドリニウムガリウムガーネットからなり、
前記磁性絶縁体層がセリウム置換イットリウム鉄ガーネットからなる
ものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気ドメイン構造体。
【請求項4】
前記ガドリニウムガリウムガーネットが、ガドリニウムが置換されていないものである、又は、ガドリニウムの一部が他の元素で置換されているものであることを特徴とする請求項3に記載の磁気ドメイン構造体。
【請求項5】
前記第1の多層膜及び第2の多層膜における、前記誘電体層の厚さt1[nm]、及び、前記磁性絶縁体層の厚さt2[nm]は、前記誘電体層の屈折率をn1、前記磁性絶縁体層の屈折率をn2としたとき、
t1=λ/(4×n1)、t2=λ/(4×n2)
(ここで、λは前記磁気ドメイン構造体を使用しようとする波長である設計波長[nm]である。)
であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁気ドメイン構造体。
【請求項6】
前記支持基板、前記誘電体層、前記磁性絶縁体層のそれぞれの結晶面の法線がいずれも<111>方向であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ドメイン構造体。
【請求項7】
前記支持基板の前記第1の多層膜とは反対側に、反射膜を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気ドメイン構造体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ドメイン構造体に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年の高度情報化社会の発展に伴い、磁気を用いたデバイスが広く利用され、再注目されている。古くから、ハードディスクドライブやテープレコーダーなどの記録媒体としての活躍の場が大きかった磁気デバイスであるが、これらは、磁気の不揮発、安定、堅牢という特徴が利用されてきたと言える。これらの特徴に加えて、最近では、磁気の高速動作と形状の自由度という特性を利用した応用デバイス開発が進んでいる。これらの特徴は、光通信や光デバイスに使用するときに、有用で、高速ディスプレイや光メモリ、レーザーの高速スイッチ等への応用が進んでいる。これらの磁気デバイスの中の、磁性材料には、磁気ドメインと呼ばれる磁性材料の中での磁気のパターンがあり、これをうまく制御することが重要になる。
【0003】
磁気ドメイン(磁区)は、磁性材料内部に存在する微小な領域のことで、この領域内の磁気モーメント(小さな磁石と考えることができる)が一定の方向に揃っている。磁気ドメインの存在は、磁性体が最小のエネルギー状態に達するための自然な現象である。この特徴は、磁性体を使った時にのみ現れる、他の電気的な特性を使った材料では得られない独自性の高いものである。
【0004】
磁気ドメインを使うと、光の進行方向を変調し、位相干渉(ホログラフィ)を起こすことができるため、三次元ディスプレイ、光ホログラフィックメモリ、レーザースイッチなどに応用することができる。このようなデバイスを実現するには、磁性材料には、次の3つの特性が必要である。1つ目は、光の波長程度のサイズの磁気ドメインが磁性材料中にあること、2つ目は、磁気でどれくらい光を変調できるかを表す磁気光学効果が大きいこと、3つ目は、光透過率が大きいことである。これら3つの特性を同時に有する材料は自然には存在しないため、上述の光デバイス開発の障害となっている。
【0005】
一般に、磁性材料は、基板の上に、膜の形状で、成膜し作製される。この成膜の際に、基板と膜の間の原子・分子サイズの差を起源とする応力ひずみが、膜の中に入り、これを起源とする磁気異方性エネルギーが蓄積する。この結果、膜面垂直方向が、磁気的な容易軸となり、磁気ドメインが発現する。膜が厚くなると、応力ひずみが小さくなり、磁気異方性エネルギーも小さくなる。このため、膜厚が大きい磁性材料には磁気ドメインができづらくなる。
【0006】
また、光透過率を大きくするには、膜厚を小さくする方法が簡単な手段である。これらの一方で、磁気光学効果を大きくするには、この磁性材料の膜厚を増やすのが、一般的な方法である。
【0007】
すなわち、膜厚の大小のみを使って、磁気ドメインと光を使ったデバイスを作製することは原理的に不可能な状況にある。
【0008】
磁気光学材料を使った三次元ディスプレイ、光ホログラフィックメモリ、レーザースイッチは、非特許文献1、2、3に記載されている。
【0009】
非特許文献1は、磁気光学材料に、三次元ディスプレイ用のホログラムパターンを書き込むことで、三次元画像を出力することができることを示した論文である。非特許文献1の材料では、膜面に対して、垂直方向に、磁気ドメインを作り出すことができるため、非特許文献1の図5に示されているような像を表示することができたことが記載されている。しかし、画像の輝度は暗く、製品化にはいたっていない。これは、磁気ドメインを持ちつつ、大きな磁気光学効果と、透過率を持つ材料が作られていないためである。
【0010】
非特許文献2は、磁気光学材料の、磁気光学ホログラムメモリ応用例を示した論文である。非特許文献2では、磁気光学材料である磁性ガーネット膜に、光を集光して、当てることで、任意の形の磁気ドメインを形成し、これを用いて、磁気光学ホログラフィックメモリを作製したことが記載されている。この中で使用されている磁気光学材料の磁気光学効果が大きく、透過率が高いほど、エラー率が下がり、記録できる情報量が多くなる。
(【0011】以降は省略されています)
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