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公開番号
2025162699
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-28
出願番号
2024066063
出願日
2024-04-16
発明の名称
室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類
C08L
83/06 20060101AFI20251021BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】密封された包装形態での貯蔵安定性に優れ、臭気が少ない室温硬化性オルガノポリシロキサン組成の提供。
【解決手段】
下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
(A)25℃における粘度が20~1,000,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン
(B)ケイ素原子に結合する官能基が酸素原子以外のヘテロ原子を含まない炭化水素基である、アルコキシ若しくはエノキシシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物
(C)硬化触媒
(D)有機ケイ素化合物
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
(A)25℃における粘度が20~1,000,000mPa・sである下記一般式(1)で示されるジオルガノポリシロキサン:100質量部
TIFF
2025162699000012.tif
30
132
(式(1)中、R
1
は、独立に、水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基又は炭素原子数2~10のアルコキシアルキル基であり、R
2
は、独立に、一価炭化水素基、ハロゲン化一価炭化水素基及びシアノアルキル基から選択される炭素原子数1~10の基である。aはR
1
が水素原子の場合は2であり、R
1
が炭素原子数1~10のアルキル基又は炭素原子数2~10のアルコキシアルキル基の場合は0又は1である。Yは酸素原子、炭素原子数1~6の二価炭化水素基又は下記一般式(2)で示される基である。nはこのジオルガノポリシロキサンの25℃の粘度を20~1,000,000mPa・sとする数である。)
TIFF
2025162699000013.tif
29
132
(式(2)中、R
2
は、独立に、一価炭化水素基、ハロゲン化一価炭化水素基及びシアノアルキル基から選択される炭素原子数1~10の基であり、Zは炭素原子数1~6の二価炭化水素基である。)
(B)ケイ素原子に結合する官能基が酸素原子以外のヘテロ原子を含まない炭化水素基である、アルコキシ若しくはエノキシシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.5~20質量部
(C)硬化触媒:0.001~20質量部
(D)下記一般式(3)で表される有機ケイ素化合物:0.1~5質量部
TIFF
2025162699000014.tif
22
132
(式(3)中、R
1
は、独立に、水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基又は炭素原子数2~10のアルコキシアルキル基であり、R
2
は、独立に、一価炭化水素基、ハロゲン化一価炭化水素基及びシアノアルキル基から選択される炭素原子数1~10の基であり、R
3
は、独立に、炭素原子数1~10のアルキレン基であり、mは1~3の数である。)
続きを表示(約 300 文字)
【請求項2】
(C)成分が錫化合物である請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【請求項3】
更に、(E)無機充填材を(A)成分100質量部に対し1~300質量部含む請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【請求項4】
更に、(F)シランカップリング剤を(A)成分100質量部に対し0.1~20質量部含む請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【請求項5】
ポリエチレン及び/又はポリプロピレン製のカートリッジに充填されている請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、室温で硬化しシリコーンゴムとなる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に関し、具体的には、硬化後はガラス、各種金属、樹脂等への自己接着性に優れたシリコーンゴムを与え、特に密封された包装形態での貯蔵安定性に優れた低臭気の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、室温で硬化してゴム状弾性体を生成するオルガノポリシロキサン組成物の中で、いわゆる1成分型(1液型)室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、空気中の水分と接触することにより硬化反応が進行する。該室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、使用直前にベースポリマー、架橋材、触媒などを秤量したり、混合したりする煩雑さが無く、配合上のミスを生じることがない上に、一般的にプライマーを使用しない場合でも広範囲の基材に接着性が優れている。このため、該室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、電気・電子工業などにおける弾性接着剤やコーティング材として、また建築用シーリング材などとして広く用いられている。
【0003】
このような1成分型室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、空気中の水分と接触した際に組成物から放出される化合物によりしばしば分類され、代表的なものとしては、脱酢酸型、脱オキシム型、脱アミド型、脱ヒドロキシルアミン型、脱アセトン型、脱アルコール型のオルガノポリシロキサン組成物が挙げられる。その中でもアルコールを放出して硬化する脱アルコール型のオルガノポリシロキサン組成物は、臭気が少ないこと、銅や鉄などの金属類を腐食しないこと、自己接着性(プライマーを使用しない場合の各種基材に対する硬化後の接着性)に優れること、接着耐久性に優れることなどから、特に好まれて使用されている。
【0004】
しかし、1成分型脱アルコール型のオルガノポリシロキサン組成物は製造後短期間の間は前記した優れた特性を有するが、配合によっては保存中に時間の経過とともに製造直後の特性が得られなくなるなど、貯蔵安定性に欠点があった。また、使用現場における直射日光のもとでの保管や、輸送中にコンテナ内で保管されるなどのしばしば起こり得る40℃を超える高温環境下での保管は、比較的短期間であっても本来の特性が得られなかったり、硬化不良を起こしてしまうなどの問題を生じる。
【0005】
1成分型脱アルコール型のオルガノポリシロキサン組成物は古くから提案されており、特公昭39-27643号公報(特許文献1)では、末端水酸基封鎖オルガノポリシロキサンとアルコキシシランとチタン化合物からなる組成物が提案されている。
また、特開昭55-43119号公報(特許文献2)では、末端にアルコキシシロキシ基を持つオルガノポリシロキサン、アルコキシシラン及びアルコキシチタンからなる組成物が提案されている。
しかし、これらの組成物はシーリング材に良好な物理的特性を付与するために、炭酸カルシウムを配合した場合、貯蔵安定性が得られず、長期間保管した組成物を使用した際に所望の特性が得られなかったり、50℃を超える高温環境下で保管した場合は組成物が硬化しなくなってしまうなどの問題があった。
【0006】
米国特許第4417042号明細書(特許文献3)では有機シラザン構造を持つスカベンジャーを用いることで組成物内のアルコール化合物を捕捉して貯蔵安定性を向上させた組成物について提案されている。この技術は特にスカベンジャーにヘキサメチルジシラザンを選択する場合に貯蔵安定性を向上させた。しかし、該ヘキサメチルジシラザンが低沸点で揮発性が高く刺激臭を有するため、これを添加した組成物にも強い臭いが生じることと、アルコール捕捉時にアンモニアとトリメチルメトキシシランが副生することにより、長期経過後には更に臭気が強く、脱アルコール型の長所である低臭気性を損なうものであった。
また、環状シラザンなど高沸点のシラザンを用いた場合にも同様にアンモニアと低沸点のアルコキシシランが副生することによる臭気の問題は解決できず、また環状シラザンは高価であることから工業的にコスト高となる問題もあった。
【0007】
特公平7-39547号公報(特許文献4)では、密封状態において貯蔵安定性に優れる組成物について提案されている。ここで提案されている組成物はアルコキシシリルアルキレン基をオルガノポリシロキサンの末端に修飾したポリマーの使用が必須であり、このポリマーの調製のために、工業的にコスト高となってしまうなどの問題が生じた。
【0008】
更に特開平2-38309号公報(特許文献5)、特開2003-176411号公報(特許文献6)では、脂肪酸エステルで処理された炭酸カルシウムを使用する組成物が提案されている。該組成物は、50℃を超える高温保存において貯蔵安定性が不十分であったり、脂肪酸エステルで処理された炭酸カルシウムを特殊な充填材として用いるために、該充填材の添加量が多い組成物はコスト高となってしまうなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特公昭39-27643号公報
特開昭55-43119号公報
米国特許第4417042号明細書
特公平7-39547号公報
特開平2-38309号公報
特開2003-176411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、大気中の湿気により室温で硬化してシリコーンゴム硬化物を与える脱アルコール型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、特に密封された包装形態での貯蔵安定性に優れ、臭気が少ない室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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