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公開番号2025178688
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-09
出願番号2024085444
出願日2024-05-27
発明の名称樹脂組成物
出願人株式会社トクヤマ
代理人
主分類C08L 83/04 20060101AFI20251202BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 シリコーン樹脂と六方晶窒化ホウ素フィラーを含み、熱伝導性とシリンジ吐出性の高いシリコーン樹脂組成物を得ること。
【解決手段】 シリコーン樹脂と、六方晶窒化ホウ素フィラーと、熱伝導性フィラーとを含み、前記六方晶窒化ホウ素フィラーは水銀圧入法により測定される細孔の体積基準メディアン径が0.5~4.0μmであり、前記熱伝導性フィラーはD50が0.01~0.8μmであり、前記六方晶窒化ホウ素フィラーの充填率が30容量%以上であり、前記六方晶窒化ホウ素フィラーと前記熱伝導性フィラーの合計の充填率が50容量%以上である、シリコーン樹脂組成物。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
シリコーン樹脂と、六方晶窒化ホウ素フィラーと、熱伝導性フィラーとを含み、前記六方晶窒化ホウ素フィラーは水銀圧入法により測定される細孔の体積基準メディアン径が0.5~4.0μmであり、
前記熱伝導性フィラーはD50が0.01~0.8μmであり、
前記六方晶窒化ホウ素フィラーの充填率が30容量%以上であり、
前記六方晶窒化ホウ素フィラーと前記熱伝導性フィラーの合計の充填率が50容量%以上である、
シリコーン樹脂組成物。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記六方晶窒化ホウ素フィラーはD90が250μm以下である、請求項1記載のシリコーン樹脂組成物。
【請求項3】
前記六方晶窒化ホウ素フィラーと、前記熱伝導性フィラーの容量比が、2:1~10:1である、請求項1記載のシリコーン樹脂組成物。
【請求項4】
前記熱伝導性フィラーが、シリカフィラーである、請求項1記載のシリコーン樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のシリコーン樹脂組成物の硬化体。
【請求項6】
シリンジに充填されている、請求項1~4記載のシリコーン樹脂組成物。
【請求項7】
発熱部材と、冷却部材と、前記発熱部材および前記冷却部材に接触するように配置された請求項1~4のいずれか一項に記載のシリコーン組成物またはその硬化体とを備える、電子部品。
【請求項8】
発熱部材と、冷却部材とを備える電子部品の製造方法であって、請求項6に記載のシリコーン樹脂組成物をシリンジから吐出して前記発熱部材又は前記冷却部材の少なくとも一方に塗布したのち、前記発熱部材と前記冷却部材とを前記シリコーン樹脂組成物を介して押圧する工程を含む、電子部品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスのパワー密度上昇に伴い、デバイスに使用される材料には、より高度な放熱特性が求められている。このような材料として、サーマルインターフェースマテリアルと呼ばれる一連の材料があり、その使用量は急速に拡大している。サーマルインターフェースマテリアルとは、半導体素子から発生する熱をヒートシンクまたは筐体等に逃がす経路の熱抵抗を緩和するための材料であり、放熱シートのような硬化もしくは半硬化した流動性が無い状態で使用されるものと、グリース、ギャップフィラーなど流動性があるペースト状または液状で使用されるものとがある(例えば、特許文献1~3)。
【0003】
一般に、サーマルインターフェースマテリアルは、熱伝導性のフィラーを樹脂に分散した樹脂組成物が使用される。該樹脂組成物に使用される樹脂としては、シリコーン樹脂が広く使用されている。熱伝導性のフィラーの一つとしては六方晶窒化ホウ素粉末が知られており、熱伝導率が高いこと、誘電率が低いこと、比重が小さいことなどの特徴がある。
【0004】
特許文献1では、シリコーン樹脂と熱伝導性のフィラー(熱伝導性充填剤)を含有する放熱シートが開示されている。実施例において具体的には、シリコーン樹脂と六方晶窒化ホウ素を含み、六方晶窒化ホウ素の充填率が65~85質量%である放熱シートが開示されている。
【0005】
特許文献2では、シリコーン樹脂(シリコーンオイル)と熱伝導性のフィラー(熱伝導性粒子)を含む非硬化性のグリースが開示されている。実施例において具体的には、窒化ホウ素の充填率が27質量%であるシリコーングリースが開示されている。
【0006】
特許文献3では、硬化性のシリコーン樹脂(ケイ素原子に結合しているアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合している水素原子を有するジオルガノポリシロキサン)と、熱伝導性のフィラーを含有するギャップフィラーが開示されている。熱伝導性のフィラーとして窒化ホウ素が例示されているが、実施例において窒化ホウ素を使用した例は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO2023/090240
WO2022/158029
特開2023-168633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
流動性があるペースト状または液状のサーマルインターフェースマテリアル(TIM)を使用して電子部品を製造する際には、TIMをシリンジから吐出させて発熱部材又は冷却部材の少なくとも一方に塗布し、その後、塗布面に他方の部材を押し当ててTIMを薄く押しつぶすことが一般的である。この薄膜化した際の膜厚が小さいほど、熱抵抗が小さくなり、TIMの放熱性能の効果が高くなる。そのため、このような用途に使用される樹脂組成物には、簡便に薄く押しつぶすことが出来ることが求められる。
【0009】
ここで、六方晶窒化ホウ素は一次粒子が平板状であることや粒子表面の官能基が少ないことにより、シリコーン樹脂に多量に配合すると樹脂組成物の粘度が著しく上昇してしまう傾向にある。特許文献1のような放熱シートの製造にあたっては、シリコーン樹脂組成物を溶媒で希釈して塗工した後、溶媒を揮発させてシート状に成形するため、シリコーン樹脂組成物自体の粘度が高くても使用可能である。しかしながら、ペースト状または液状のTIMにおいては、組成物の粘度が高くシリンジ吐出性が悪いと、取り扱い性が低下すると共に、簡便に薄く押しつぶすことが困難になり、電子部品の製造が困難になってしまう。
【0010】
近年、高速大容量通信を可能とする5Gや6Gなどのミリ波帯電磁波の利用が拡大している。このような場面で使われる回路基板では、サーマルインターフェースマテリアルの誘電率が高いと高周波ノイズを発生させる懸念がある。そこで、誘電率の低い六方晶窒化ホウ素をフィラーとして使用したシリコーン樹脂組成物を使用することが有効と考えられる。しかし、上記のように六方晶窒化ホウ素は一次粒子が平板状であることや粒子表面の官能基が少ないことにより、シリコーン樹脂との親和性が低く、熱伝導率を高めるために配合量を高めると、シリコーン樹脂組成物の流動性が低下し、シリンジ吐出性が低下して、取り扱い性が低く、簡便に薄く押しつぶすことが困難なものになってしまう。実際に特許文献2では、実施例では窒化ホウ素の割合を27質量%(25容量%程度)として作業性に優れた粘度を有しているとされているが、32質量%(30容量%程度)とした比較例2では測定不可となるほど著しく粘度が高くなってしまっており、シリンジ吐出性も低いことが予想される。本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、シリコーン樹脂と六方晶窒化ホウ素フィラーを含み、熱伝導性とシリンジ吐出性の高いシリコーン樹脂組成物を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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