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公開番号2025166284
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-06
出願番号2024070177
出願日2024-04-24
発明の名称ラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサン、その製造方法およびそれを含む硬化性組成物
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C08F 22/20 20060101AFI20251029BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低粘度で、硬度、耐衝撃性および基材への密着性に優れ、硬化収縮の小さい硬化物を与えるラジカル重合性基含有環状シロキサンを提供すること。
【解決手段】式(1)で表されるラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサン。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
下記式（１）で表されるラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサン。
TIFF
2025166284000015.tif
72
86
（式中、Ｒ
1
は、それぞれ独立して１価炭化水素基を表し、Ｒ
2
は、それぞれ独立して、１価炭化水素基または水素原子を表し、Ｒ
3
は、水素原子またはメチル基を表し、Ａは、炭素数１～１０の２価炭化水素基を表し、ｎは、２～６の整数であり、ｍは、０～４の整数であり、かつ、ｎ＋ｍの合計は４～６である。括弧内のシロキサン単位の配列は任意であってよい。）
続きを表示（約 740 文字）【請求項２】
前記Ａが、炭素数２～４の２価飽和炭化水素基である請求項１記載のラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサン。
【請求項３】
下記式（２）で表される環状ハイドロジェンシロキサンと下記式（３）で表される化合物とを、アミン触媒の存在下で脱水素反応させる請求項１記載のラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサンの製造方法。
TIFF
2025166284000016.tif
32
86
（式中、Ｒ
1
は、それぞれ独立して１価炭化水素基を表し、ｐは、２～６の整数であり、ｑは、０～４の整数であり、かつ、ｐ＋ｑの合計は４～６である。括弧内のシロキサン単位の配列は任意であってよい。）
TIFF
2025166284000017.tif
30
86
（式中、Ｒ
3
は、水素原子またはメチル基を表し、Ａは、炭素数１～１０の２価炭化水素基を表す。）
【請求項４】
前記アミン触媒が、ジエチルヒドロキシルアミンである請求項３記載のラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサンの製造方法。
【請求項５】
（Ａ）請求項１記載のラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサン、および
（Ｂ）重合開始剤
を含む硬化性組成物。
【請求項６】
さらに（Ｃ）成分として、（Ａ）成分以外の重合性不飽和基含有化合物を含む請求項５記載の硬化性組成物。
【請求項７】
請求項５または６記載の硬化性組成物の硬化物。
【請求項８】
請求項５または６記載の硬化性組成物の硬化物を有する物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、ラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサン、その製造方法およびそれを含む硬化性組成物に関する。
続きを表示（約 2,400 文字）【背景技術】
【０００２】
環状シロキサンを主骨格とし、重合性の有機官能基を有した化合物は、シロキサン骨格の耐熱性、耐候性、低硬化収縮に優れる性質から、電子材料用封止材のバインダーやレンズ成形材、ハードコート等の塗料用バインダーとして応用されている。
【０００３】
例えば、特許文献１では、ハードコートに求められる硬さと衝撃に耐え得る柔軟性および長期の屋外暴露に対する耐候性の改良を目的とし、水酸基（－ＯＨ）を有する環状シロキサン誘導体と、イソシアナト基（－Ｎ＝Ｃ＝Ｏ）および（メタ）アクリロイル基を有する化合物との反応により、環状シロキサン骨格にウレタン結合［－Ｏ－（Ｃ＝Ｏ）－ＮＨ－］を介して重合性官能基として（メタ）アクリロイル基含有基を導入した化合物を、多官能（メタ）アクリレートを使用した光硬化性コーティング組成物のバインダーに応用する技術が提案されている。
【０００４】
しかし、ウレタン結合を含む多官能（メタ）アクリレート化合物は、ウレタン結合部位の分子間相互作用により凝集、高粘度化しやすく、有機溶媒による希釈が必要となる等、取り扱いおよび環境負荷の点で問題があった。
【０００５】
また、特許文献２～４では、Ｓｉ－Ｏ－Ｃ結合を介して重合性官能基が導入されたシリコーンオリゴマーが提案されているが、これらのシロキサン骨格はいずれも、テトラクロロシランやシリケートなどの４官能性シロキサン単位の縮合物からなるためランダム構造であり、主鎖の構造制御が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
特開２０２０－６６５７７号公報
特開平１０－２４５２４７号公報
特開２００５－２５８１１９号公報
特開２０１６－２０９８７４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、低粘度であり、硬度、耐衝撃性および基材への密着性に優れ、硬化収縮の小さい硬化物を与えるラジカル重合性基含有環状シロキサン、その製造方法およびそれを含む硬化性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ラジカル重合性官能基が環状シロキサン構造にＳｉ－Ｏ－Ｃ結合を介して導入された環状オルガノシロキサンが、官能基当量が小さいにもかかわらず低粘度であるとともに、硬度、耐衝撃性および基材への密着性に優れ、硬化収縮の小さい硬化物を与えることを見出し、本発明を完成した。
【０００９】
すなわち、本発明は、
１．下記式（１）で表されるラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサン、
TIFF
2025166284000001.tif
72
86
（式中、Ｒ
1
は、それぞれ独立して１価炭化水素基を表し、Ｒ
2
は、それぞれ独立して、１価炭化水素基または水素原子を表し、Ｒ
3
は、水素原子またはメチル基を表し、Ａは、炭素数１～１０の２価炭化水素基を表し、ｎは、２～６の整数であり、ｍは、０～４の整数であり、かつ、ｎ＋ｍの合計は４～６である。括弧内のシロキサン単位の配列は任意であってよい。）
２．前記Ａが、炭素数２～４の２価飽和炭化水素基である１のラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサン、
３．下記式（２）で表される環状ハイドロジェンシロキサンと下記式（３）で表される化合物とを、アミン触媒の存在下で脱水素反応させる１のラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサンの製造方法、
TIFF
2025166284000002.tif
32
86
（式中、Ｒ
1
は、それぞれ独立して１価炭化水素基を表し、ｐは、２～６の整数であり、ｑは、０～４の整数であり、かつ、ｐ＋ｑの合計は４～６である。括弧内のシロキサン単位の配列は任意であってよい。）
TIFF
2025166284000003.tif
30
86
（式中、Ｒ
3
は、水素原子またはメチル基を表し、Ａは、炭素数１～１０の２価炭化水素基を表す。）
４．前記アミン触媒が、ジエチルヒドロキシルアミンである３のラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサンの製造方法、
５．（Ａ）１のラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサン、および
（Ｂ）重合開始剤
を含む硬化性組成物、
６．さらに（Ｃ）成分として、（Ａ）成分以外の重合性不飽和基含有化合物を含む５の硬化性組成物、
７．５または６の硬化性組成物の硬化物、
８．５または６の硬化性組成物の硬化物を有する物品
を提供する。
【発明の効果】
【００１０】
本発明のラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサンは、アクリロイル基、メタクリロイル基に代表される重合性不飽和基が環状シロキサン主骨格にＳｉ－Ｏ－Ｃ結合を介して連結された構造を有するため、ラジカル重合性基当量が小さい（官能基密度が高い）場合であっても低粘度であり、本発明のラジカル重合性基含有環状オルガノシロキサンを含む重合性組成物から得られる硬化物は、硬度、耐衝撃性および基材への密着性に優れ、硬化収縮の小さいものとなる。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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