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公開番号2025161105
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-24
出願番号2024064020
出願日2024-04-11
発明の名称電磁波遮蔽部材
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類H05K 9/00 20060101AFI20251017BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】本発明は、60~90GHzの高周波数帯で、広い吸収帯域かつ優れた吸収特性及びシールド特性を示す電磁波遮蔽部材を提供することを目的とする。
【解決手段】電磁波吸収フィラー及びバインダー樹脂を含む電磁波吸収層と、該電磁波吸収層の電磁波入射面の反対面側に設置される反射層とを有する電磁波遮蔽部材であって、前記電磁波吸収層は、その誘電率が4~30であり、その誘電正接が0.1~2.0であると共に、前記電磁波吸収フィラーの含有量が電磁波吸収層の全質量に対して1~20質量%であり、且つ、前記反射層の体積抵抗率が1×10-4~1×10-1Ω・cmであることを特徴とする電磁波遮蔽部材。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電磁波吸収フィラー及びバインダー樹脂を含む電磁波吸収層と、該電磁波吸収層の電磁波入射面の反対面側に設置される反射層とを有する電磁波遮蔽部材であって、前記電磁波吸収層は、その誘電率が4~30であり、その誘電正接が0.1~2.0であると共に、前記電磁波吸収フィラーの含有量が電磁波吸収層の全質量に対して1~20質量%であり、且つ、前記反射層の体積抵抗率が1×10
-4
~1×10
-1
Ω・cmであることを特徴とする電磁波遮蔽部材。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記電磁波吸収フィラーが、カーボンブラック、カーボンナノチューブ及び炭素繊維からなる群から選ばれる1つ以上である請求項1記載の電磁波遮蔽部材。
【請求項3】
前記バインダー樹脂の誘電率が5以下である請求項1又は2記載の電磁波遮蔽部材。
【請求項4】
前記反射層が炭素材料で構成される請求項1又は2記載の電磁波遮蔽部材。
【請求項5】
前記炭素材料が、カーボンナノチューブ、炭素繊維、グラファイト及びグラフェンからなる群から選ばれる1つ以上である請求項4記載の電磁波遮蔽部材。
【請求項6】
60~90GHzの周波数帯の全域において、透過減衰量が30dB以上である請求項1又は2記載の電磁波遮蔽部材。
【請求項7】
60~90GHzの周波数帯域において、反射減衰量が10dB以上である周波数帯域幅が20GHz以上である請求項1又は2記載の電磁波遮蔽部材。
【請求項8】
60~90GHzの周波数帯域の少なくとも一部帯域において、反射減衰量が20dB以上である請求項1又は2記載の電磁波遮蔽部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高速大容量通信対応機器や車載向けに使用される半導体装置に好適に用いられる電磁波遮蔽部材に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
周波数が30~300GHzのいわゆるミリ波帯域の電波を用いた高速大容量通信は、5G対応通信機器や自動車自動運転システム、遠隔医療システムなど多分野での活用が見込まれている。その中で、電磁波吸収材料は不要な電波の漏れや、反射を吸収する部材として知られており、安定的な通信環境の維持と誤動作の防止といった役割を果たしている。
【0003】
ミリ波用電磁波吸収材料の開発分野において、炭素系フィラーを樹脂中に充填した誘電体層と、これに導電性材料で構成される反射層を張り付けたλ/4型の電磁波吸収シートの開発が多く報告されている。しかしながら、これらの電磁波吸収シートでは、吸収原理上の理由で狭帯域の吸収特性しか得られず、10dBの減衰量では10GHz程度の吸収帯域、20dBの減衰量では5GHz程度の吸収帯域の性能に限られていた(特許文献1及び特許文献2)。
【0004】
その一方で、広帯域の吸収特性を得るために2層以上の誘電体層で設計したものが報告されている(特許文献3)。しかしながら、このような多層構造の電磁波吸収体は各層の誘電特性や膜厚及び積層方法などの多くのパラメータ制御が必要となるため、実用化への障壁が高く、また製造コストが大幅に上昇してしまうという課題が残されている。
【0005】
したがって、実用性や利便性を考慮すると、減衰量が10dB以上の高吸収性能、かつ吸収帯域が20GHz以上の広帯域なミリ波用電磁波吸収材料がより有効と考えられるが、λ/4型の電磁波吸収材料では、上記のような性能を明確に記載した報告はこれまでにされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2018/168859号
特開2023-129145号公報
特開2020-145278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、60~90GHzの高周波数帯で、広い吸収帯域かつ優れた吸収特性及びシールド特性を示す電磁波遮蔽部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、電磁波吸収フィラー及びバインダー樹脂を含み、誘電率が4~30であり、誘電正接が0.1~2.0である電磁波吸収層と、該電磁波吸収層の電磁波入射面の反対面側に設置され、体積抵抗率が1×10
-4
~1×10
-1
Ω・cmである反射層とを有し、前記電磁波吸収フィラーの含有量は電磁波吸収層の全質量に対して1~20質量%である電磁波遮蔽部材が、60~90GHzの高周波数帯で、広い吸収帯域かつ優れた吸収特性及びシールド特性を示すことを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0009】
したがって、本発明は、下記の電磁波遮蔽部材を提供する。
1.電磁波吸収フィラー及びバインダー樹脂を含む電磁波吸収層と、該電磁波吸収層の電磁波入射面の反対面側に設置される反射層とを有する電磁波遮蔽部材であって、前記電磁波吸収層は、その誘電率が4~30であり、その誘電正接が0.1~2.0であると共に、前記電磁波吸収フィラーの含有量が電磁波吸収層の全質量に対して1~20質量%であり、且つ、前記反射層の体積抵抗率が1×10
-4
~1×10
-1
Ω・cmであることを特徴とする電磁波遮蔽部材。
2.前記電磁波吸収フィラーが、カーボンブラック、カーボンナノチューブ及び炭素繊維からなる群から選ばれる1つ以上である上記1記載の電磁波遮蔽部材。
3.前記バインダー樹脂の誘電率が5以下である上記1又は2記載の電磁波遮蔽部材。
4.前記反射層が炭素材料で構成される上記1又は2記載の電磁波遮蔽部材。
5.前記炭素材料が、カーボンナノチューブ、炭素繊維、グラファイト及びグラフェンからなる群から選ばれる1つ以上である上記4記載の電磁波遮蔽部材。
6.60~90GHzの周波数帯の全域において、透過減衰量が30dB以上である上記1又は2記載の電磁波遮蔽部材。
7.60~90GHzの周波数帯域において、反射減衰量が10dB以上である周波数帯域幅が20GHz以上である上記1又は2記載の電磁波遮蔽部材。
8.60~90GHzの周波数帯域の少なくとも一部帯域において、反射減衰量が20dB以上である上記1又は2記載の電磁波遮蔽部材。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電磁波遮蔽部材によれば、60G~90GHzの高周波数帯で、広い吸収領域かつ優れた吸収特性及びシールド特性を示すことが可能である。従来の電磁波遮蔽部材に比べて薄くすることができるため、デバイス内の狭い空間にも設置可能であり、電磁波遮蔽部材として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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