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公開番号2025158240
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-17
出願番号2024060595
出願日2024-04-04
発明の名称熱伝導性シリコーン組成物、硬化物及び製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C08L 83/04 20060101AFI20251009BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】絶縁性と熱伝導性に優れ、適度な粘度を有する熱伝導性シリコーン組成物を提供する。
【解決手段】(A)オルガノポリシロキサン、
(B)酸素含有量が0.5質量%以下、平均粒子径が45~85μmであり、比率(D90/D10)が8~12の範囲にある丸み状窒化アルミニウム粉末、
(C)BET比表面積が1.0~4.0m2/gであり、平均粒子径0.5~5μmの不定形状窒化アルミニウム粉末、及び
(D)下記一般式(1)
-SiR1 a(OR2)3-a (1)
で表されるケイ素化合物
((B):(C))が5:5~8:2であり、(B)成分と(C)成分との合計量が組成物中78~86体積%であり、上記熱伝導性シリコーン組成物が、30~800Pa・s、熱伝導率がISO 22007-2準拠のホットディスク法において、8.0W/m・K以上である熱伝導性シリコーン組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)オルガノポリシロキサン(但し、(D)成分を除く。)、
(B)酸素含有量が0.5質量%以下、体積基準のレーザー回折型粒度分布において、累積が50%(D
50
)である平均粒子径が45~85μmであり、かつ累積が90%(D
90
)と累積が10%(D
10
)の比率(D
90
/D
10
)が8~12の範囲にある丸み状窒化アルミニウム粉末、
(C)BET比表面積が1.0~4.0m
2
/gであり、平均粒子径0.5~5μmの不定形状窒化アルミニウム粉末、及び
(D)下記一般式(1)
-SiR
1
a
(OR
2

3-a
(1)
(式中、R
1
は独立に非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R
2
は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、aは0、1又は2である。)
で表されるシリル基を1分子中に少なくとも1個含有し、25℃での粘度が0.01~100mPa・sであるケイ素化合物
を含む熱伝導性シリコーン組成物であって、
上記(B)成分と(C)成分の配合割合体積比((B):(C))が5:5~8:2であり、(B)成分と(C)成分との合計量が組成物中78~86体積%であり、
上記熱伝導性シリコーン組成物が、25℃における粘度がスパイラル粘度計による回転数10rpm測定時において、30~800Pa・s、熱伝導率がISO 22007-2準拠のホットディスク法において、8.0W/m・K以上である熱伝導性シリコーン組成物。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
(D)成分が、下記一般式(2)
TIFF
2025158240000012.tif
28
102
(式中、R
1
は独立に非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R
2
は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、bは5~100の整数であり、aは0、1又は2である。)
で表されるケイ素化合物である、請求項1記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項3】
さらに、硬化剤を含む請求項1記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項4】
付加反応硬化型、縮合反応硬化型又は有機過酸化物硬化型である、請求項3記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項5】
付加反応硬化型である請求項4記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物。
【請求項7】
(B)及び(C)成分を混合する工程を含む、請求項1~5のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物を製造する製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性に優れたシリコーン組成物に関するものであり、特に電子部品用放熱部材として使用した際に、パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、CPU(中央処理装置)等の発熱性電子部品を損傷させることなく、電子機器に組み込むことができる、絶縁性に優れた高熱伝導性シリコーン組成物、ならびにその硬化物及び製造方法に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、CPU等の発熱性電子部品においては、使用時に発生する熱を如何に除去するかが重要な問題となっている。従来、このような除熱方法としては、発熱性電子部品を電気絶縁性の放熱シートを介して放熱フィンや金属板に取り付け、熱を逃がすことが一般的に行われており、その放熱シートとしてはシリコーン樹脂に熱伝導性フィラーを分散させたものが使用されている。
【0003】
近年、電子部品内の回路の高集積化に伴いその発熱量も大きくなっており、例えば、100℃以上、特には150℃環境といった高温時における熱伝導率が重要になる場合もある。このことから、従来にも増して高い熱伝導性を有する材料が求められてきている。熱伝導性材料の熱伝導性を向上させるためには、これまで酸化アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末といった高い熱伝導性を示すフィラーをマトリックス樹脂へ含有する手法が一般的であった(特許文献1,2)。
【0004】
そこで熱伝導率を向上させるために、平均球形度、水酸基量、及び平均粒子径が10~50μmで規定された球状酸化アルミニウム粉末と平均粒子径が0.3~1μmで規定され、それぞれの酸化アルミニウムの配合割合と体積比が規定された高熱伝導性樹脂組成物の手法が開示されているが、球状酸化アルミニウム粉末の平均粒子径が最大で50μmでは、熱伝導率的に不十分な問題があった(特許文献3)。
【0005】
また、平均粒子径が0.1~100μmであるアルミナ粉末を使用した熱伝導性シリコーン組成物が提案されているものの、具体的な熱伝導率や粘度の規定はされていない。さらに、平均粒子径が5~50μm(ただし5μmを含まない)の球状アルミナ粉末と平均粒子径が0.1~5μmの球状もしくは不定形状のアルミナ粉末で規定され、それぞれの酸化アルミニウムの配合割合と重量比が規定された熱伝導性シリコーン組成物が開示されているものの、これも特許文献5と同様、平均粒子径が大きい球状アルミナの平均球形度や水酸基量の規定がなく、高熱伝導率化させるためには不十分であるという問題があった。
【0006】
そこで、平均球形度0.8以上、水酸基が30個/nm
2
以下であり、平均粒子径50~150μmの球状酸化アルミニウム粉末を使用した熱伝導性シリコーン組成物を提案したものの、球状酸化アルミニウム粉末の粒度分布の規定がなく、流動性を確保しながらさらなる高熱伝導率化を図るためには限界があった(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2005-162555号公報
特開2005-209765号公報
特開2013-056996号公報
国際公開第2018/088416号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、絶縁性と熱伝導性に優れ、適度な粘度を有する熱伝導性シリコーン組成物、特に電子部品用放熱部材として好適な熱伝導性シリコーン組成物ならびにその硬化物及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)オルガノポリシロキサンを含有するシリコーン組成物に、(B)特定の酸素含有量、特定の平均粒子径を有し、かつ比率(D
90
/D
10
)が特定範囲にある丸み状窒化アルミニウム粉末、(C)特定のBET比表面積及び平均粒子径の不定形状窒化アルミニウム粉末、及び(D)シリル基を1分子中に少なくとも1個含有し、特定の粘度を有するあるケイ素化合物を、(B),(C)成分を特定配合量とすることにより、上記課題が解決できることを知見し、本発明をなすに至った。なお、本組成物には、硬化剤を配合して硬化性の組成物とすることもできる。
【0010】
従って、本発明は下記発明を提供する。
1.(A)オルガノポリシロキサン(但し、(D)成分を除く。)、
(B)酸素含有量が0.5質量%以下、体積基準のレーザー回折型粒度分布において、累積が50%(D
50
)である平均粒子径が45~85μmであり、かつ累積が90%(D
90
)と累積が10%(D
10
)の比率(D
90
/D
10
)が8~12の範囲にある丸み状窒化アルミニウム粉末、
(C)BET比表面積が1.0~4.0m
2
/gであり、平均粒子径0.5~5μmの不定形状窒化アルミニウム粉末、及び
(D)下記一般式(1)
-SiR
1
a
(OR
2

3-a
(1)
(式中、R
1
は独立に非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R
2
は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、aは0、1又は2である。)
で表されるシリル基を1分子中に少なくとも1個含有し、25℃での粘度が0.01~100mPa・sであるケイ素化合物
を含む熱伝導性シリコーン組成物であって、
上記(B)成分と(C)成分の配合割合体積比((B):(C))が5:5~8:2であり、(B)成分と(C)成分との合計量が組成物中78~86体積%であり、
上記熱伝導性シリコーン組成物が、25℃における粘度がスパイラル粘度計による回転数10rpm測定時において、30~800Pa・s、熱伝導率がISO 22007-2準拠のホットディスク法において、8.0W/m・K以上である熱伝導性シリコーン組成物。
2.(D)成分が、下記一般式(2)
TIFF
2025158240000001.tif
28
102
(式中、R
1
は独立に非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R
2
は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、bは5~100の整数であり、aは0、1又は2である。)
で表されるケイ素化合物である、1記載の熱伝導性シリコーン組成物。
3.さらに、硬化剤を含む1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
4.付加反応硬化型、縮合反応硬化型又は有機過酸化物硬化型である、3記載の熱伝導性シリコーン組成物。
5.付加反応硬化型である4記載の熱伝導性シリコーン組成物。
6.3~5のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物。
7.(B)及び(C)成分を混合する工程を含む、1~5のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物を製造する製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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