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公開番号2025173067
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-27
出願番号2024078411
出願日2024-05-14
発明の名称ガラスクロス及びその製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類D03D 15/267 20210101AFI20251119BHJP(織成)
要約【課題】単繊維直径が3.0μm未満、厚みが15μm以下、質量が10g/m2以下、かつ誘電正接に優れるガラスクロスを提供する。
【解決手段】組成中にSiO2を50質量%以上含むガラスクロスであって、上記ガラスクロスを構成する経糸と緯糸のいずれか一方の単繊維直径が3.0μm未満であり、ガラスクロスの厚みが15μm以下、質量が10g/m2以下であるガラスクロス。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
組成中にSiO
2
を50質量%以上含むガラスクロスであって、上記ガラスクロスを構成する経糸と緯糸のいずれか一方の単繊維直径が3.0μm未満であり、ガラスクロスの厚みが15μm以下、質量が10g/m
2
以下であるガラスクロス。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
組成中に含まれるSiO
2
とB
2

3
との合計含有量が、65質量%以上である請求項1記載のガラスクロス。
【請求項3】
組成中に含まれるSiO
2
が95質量%以上であり、ガラスクロスの厚みが10μm以下である請求項1記載のガラスクロス。
【請求項4】
通気度が、50(cm
3
/cm
2
/s)以上であるガラスクロス。
【請求項5】
ガラスクロスを、フッ酸水溶液、フッ化アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水及びアルカリ電解水から選択される1種以上のエッチング液で処理するエッチング工程を有する、請求項1~3のいずれか1項記載のガラスクロスを製造する製造方法。
【請求項6】
ガラスクロスを、フッ酸水溶液、フッ化アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水及びアルカリ電解水から選択される1種以上のエッチング液で処理し、ガラスクロスの単繊維直径を0.1μm以上エッチングする、ガラスクロスの単繊維直径の調整方法。
【請求項7】
エッチング液が、pH12以上のアルカリ電解水である請求項6記載のガラスクロスの単繊維直径の調整方法。
【請求項8】
単繊維直径が3.0μm以上のガラスクロスを、エッチング液でエッチング処理し、単繊維直径を3.0μm未満に調整する請求項6又は7記載の単繊維直径の調整方法。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項記載のガラスクロスと、有機樹脂とを含む複合材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、従来にない、極薄でかつ低重量のガラスクロス及びその製造方法及び有機樹脂との複合材料、ならびにガラスクロスの単繊維直径の調整方法に関するものである。また、天然石英や合成石英を原料とすることで、誘電特性に優れた極薄石英ガラスクロスに関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
現在、スマートフォン等の情報端末の高性能化、高速通信化に伴い、使用されるプリント配線板において、高密度化、極薄化と共に、低誘電化、低誘電正接化が著しく進行している。このプリント配線板の絶縁材料としては、ガラスクロスをエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(以下、「マトリックス樹脂」という。)に含浸させて得られるプリプレグを積層して加熱加圧硬化させた積層板が広く使用されている。
【0003】
すなわち、プリント配線板の極薄化にはガラスクロスの極薄化が必要である。ガラスクロスは複数本のフィラメントを束ね、撚りをかけてヤーンとした後にクロスへと製織される。すなわちフィラメントの単繊維直径を細くすることが重要である。
【0004】
特許文献1では、単繊維直径が4μmのガラスクロスが得られているが、今後のガラスクロスの肉薄化需要にはより細い単繊維直径のガラスクロスが求められる。特許文献2には、低重量ガラスクロスとして3.0~4.2の範囲の直径を備えるフィラメントからなる7.5~12.0μmの範囲の厚さと、1m
2
当たり6.0~10.0gの範囲の質量とを備えるガラスクロスが報告されている。
【0005】
しかしながら、単繊維直径3μm未満のガラスフィラメントは繊維径が細すぎるために強度が非常に弱く、ストランドへ束ねる工程やストランドをヤーンに撚糸する工程でフィラメントが切れて毛羽となり、整経時に問題となって製織することが困難であった。さらに、ヤーン自体も非常に軽いためエアジェット製織機で製織を行う場合に真っすぐに緯糸を飛ばせない等様々な問題が生じる。JIS R3413:2012(非特許文献1)に記載のように、3μm未満のガラス繊維は定義されていない。
【0006】
また、表面低粗化銅箔と基板との接着用ボンディングフィルムの要求があり、強度向上、熱膨張減少にガラスクロスの併用が検討され、極薄ガラスクロスの要求がある。また、多層基板も薄型化の要求があり、極薄ガラスクロスと有機樹脂からなるプリプレグが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-117169号公報
特許第6818278号公報
【非特許文献】
【0008】
JIS R 3413:2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、単繊維直径が3.0μm未満、厚みが15μm以下、質量が10g/m
2
以下、通気度が50(cm
3
/cm
2
/s)以上、かつ誘電正接に優れるガラスクロスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ガラスフィラメントからガラスクロスを製織した後、エッチングによって後から繊維径を細くすることで製織時の問題を回避しつつ、単繊維直径3μm未満、厚み15μm以下のガラスクロスが得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
(【0011】以降は省略されています)

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