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公開番号
2024134843
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023045247
出願日
2023-03-22
発明の名称
炭化ケイ素繊維状物質の製造方法
出願人
イビデン株式会社
代理人
弁理士法人WisePlus
主分類
C30B
29/36 20060101AFI20240927BHJP(結晶成長)
要約
【課題】 生成効率が高く、高アスペクト比の炭化ケイ素繊維状物質を得ることのできる製造方法を提供する。
【解決手段】 未炭化の籾殻を、表面に炭化ケイ素を含み密閉された容器内で加熱することを特徴とする炭化ケイ素繊維状物質の製造方法。
【選択図】 図3
特許請求の範囲
【請求項1】
未炭化の籾殻を、表面に炭化ケイ素を含み密閉された容器内で加熱することを特徴とする、炭化ケイ素繊維状物質の製造方法。
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
前記籾殻の表面に、遷移金属を含む物質を付着させ、前記籾殻を加熱する請求項1に記載の炭化ケイ素繊維状物質の製造方法。
【請求項3】
前記籾殻を、密閉された前記容器内で、不活性雰囲気下、1500~1700℃の温度で加熱する請求項1又は2に記載の炭化ケイ素繊維状物質の製造方法。
【請求項4】
得られる炭化ケイ素繊維状物質の平均長さが1mm以上である、請求項1又は2に記載の炭化ケイ素繊維状物質の製造方法。
【請求項5】
前記容器は、炭素基材の表面に炭化ケイ素粒子を含む炭化ケイ素層が形成されてなる、請求項1又は2に記載の炭化ケイ素繊維状物質の製造方法。
【請求項6】
加熱後に、炭化ケイ素繊維状物質と籾殻の残渣を含む混合物を、油/水混合液中で撹拌し、水層に炭化ケイ素繊維状物質を分離して回収する、請求項1又は2に記載の炭化ケイ素繊維状物質の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化ケイ素繊維状物質の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品周辺部材として、高アスペクト比の炭化ケイ素材料が求められている。
【0003】
炭化ケイ素ウィスカを製造する方法として、例えば、特許文献1に、粉末状の酸化ケイ素原料と炭素原料とを混合し、水素ガスを流通させながら加熱する方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、炭化ケイ素ウィスカを製造する方法として、炭化させた籾殻を黒鉛容器に充填して加熱する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭61-295299号公報
特開平7-138100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、炭化ケイ素ウィスカの生成効率が低く、さらなる生成効率の向上が望まれていた。また、特許文献2に記載の方法で得られる炭化ケイ素ウィスカの長さは約20~30μmであるところ、より高アスペクト比の炭化ケイ素ウィスカを製造する方法が求められていた。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされた発明であり、生成効率が高く、高アスペクト比の炭化ケイ素繊維状物質を得ることのできる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の炭化ケイ素繊維状物質の製造方法は、未炭化の籾殻を、表面に炭化ケイ素を含み密閉された容器内で加熱することを特徴とする。
【0009】
本発明の炭化ケイ素繊維状物質の製造方法では、未炭化の籾殻を、表面に炭化ケイ素を含み密閉された容器内で加熱する。
未炭化の籾殻には、酸化ケイ素、セルロース等の有機分、及び、微量元素としてFe、Ni、Co等の遷移金属が含まれる。そのため、未炭化の籾殻を加熱することで、籾殻に含まれる有機分が熱分解して生じる炭化水素と、籾殻に含まれる酸化ケイ素が加熱されて発生する酸化ケイ素ガスとが反応して炭化ケイ素繊維状物質が形成される。このとき、籾殻に微量元素として含まれるFe、Ni、Co等の遷移金属が炭化ケイ素繊維状物質の形成にあたって触媒として機能する。
さらに、容器の表面が炭化ケイ素を含んでなると、未炭化の籾殻から発生する酸化ケイ素ガスが、容器と反応することも抑制される。そのため、未炭化の籾殻から発生する酸化ケイ素ガスが効率よく炭化ケイ素繊維状物質の生成に用いられる。
以上のことから、本発明の炭化ケイ素繊維状物質の製造方法においては、未炭化の籾殻を原料として、従来よりも高い反応効率で炭化ケイ素繊維状物質を製造することができる。また、得られる炭化ケイ素繊維状物質の長さも従来より長くすることができる。
【0010】
本発明の炭化ケイ素繊維状物質の製造方法において、上記籾殻の表面に、遷移金属を含む物質を付着させ、上記籾殻を加熱することが好ましい。
籾殻に含まれる微量元素は炭化ケイ素繊維状物質の生成において触媒として機能するが、自然由来であるため、元素の種類や含有量が安定しないことがある。
これに対して、遷移金属を含む物質を籾殻の表面に付着させることによって、籾殻に含まれる触媒量を安定化することができるため、上述した籾殻由来の微量元素の影響を受けることなく、炭化ケイ素繊維状物質の生成反応を安定化することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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