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公開番号2024114516
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-23
出願番号2023020330
出願日2023-02-13
発明の名称シリコン単結晶ウェーハ及びシリコン単結晶ウェーハの製造方法
出願人信越半導体株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C30B 29/06 20060101AFI20240816BHJP(結晶成長)
要約【課題】
P型のドーパント及び窒素がドープされたシリコン単結晶ウェーハにおいて、デバイスプロセスの熱処理が施された場合であっても、P型のドーパントによるアクセプター濃度から予想される抵抗率よりも高い抵抗率を維持できるものとなるシリコン単結晶ウェーハを提供すること目的とする。
【解決手段】
P型のドーパント及び窒素がドープされ、P型で抵抗率が1000Ω・cm以上の熱処理ウェーハであるシリコン単結晶ウェーハであって、窒素の一部がドナー化しており、前記P型のドーパントによるアクセプターを、ドナー化した窒素で補償しているものであることを特徴とするシリコン単結晶ウェーハ。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
P型のドーパント及び窒素がドープされ、P型で抵抗率が1000Ω・cm以上の熱処理ウェーハであるシリコン単結晶ウェーハであって、
窒素の一部がドナー化しており、前記P型のドーパントによるアクセプターを、ドナー化した窒素で補償しているものであることを特徴とするシリコン単結晶ウェーハ。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記P型のドーパントがボロンであることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶ウェーハ。
【請求項3】
P型のドーパント及び窒素がドープされ、P型で抵抗率が1000Ω・cm以上のシリコン単結晶ウェーハの製造方法であって、
シリコン単結晶ウェーハを製造する際の条件を決定する準備工程と、前記準備工程で決定した条件で前記シリコン単結晶ウェーハを製造する製品製造工程からなり、
前記準備工程は、
前記シリコン単結晶ウェーハの目標の抵抗率を決定する目標抵抗率決定ステップと、
予備試験用シリコン単結晶を製造してデバイスプロセスにおける最高温度以上の処理温度の熱処理を行ったときの窒素ドナー濃度の減少量を定量して、残留する窒素ドナー濃度を算出する算出ステップと、
前記目標の抵抗率と、前記残留する窒素ドナー濃度を考慮して、シリコン単結晶製造時における狙い抵抗率を決定する狙い抵抗率決定ステップと、
を含み、
前記製品製造工程は、
前記準備工程で製造した前記予備試験用シリコン単結晶の製造条件と同じ窒素濃度、酸素濃度とし、かつ前記狙い抵抗率決定ステップで決定した狙い抵抗率になるように前記P型のドーパントを調整してシリコン単結晶を製造する単結晶製造ステップと、
製造した前記シリコン単結晶に前記処理温度で熱処理を行う熱処理ステップと、
を含むことを特徴とするシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
【請求項4】
前記P型のドーパントをボロンとすることを特徴とする請求項3に記載のシリコン単結晶ウェーハの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン単結晶ウェーハ及びシリコン単結晶ウェーハの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,000 文字)【背景技術】
【0002】
半導体集積回路を作製するための基板として、主にCZ(Czochra1ski)法によって作製されたシリコンウェーハが用いられている。特に、通信機器内の集積回路も高機能化、小型化の要求が強い。
【0003】
通信機器内の集積回路では、トランジスタなどの能動素子やインダクター等の受動素子が組み合わされている。それらの素子が扱う信号のレベルは大信号から微弱な信号まで非常に広い範囲である。
【0004】
そのため、半導体基板上で別々の集積回路の信号がお互いに干渉することを少なくしなければならない。また、能動素子および受動素子ともに、抵抗損失成分や浮遊容量成分を小さくしないと、消費電流が増加し、通信機器の動作時間が短くなってしまうことから、高調波レベルは極めて小さな値であることが望ましい。
【0005】
これらの高周波用集積回路には、P型のシリコンウェーハが用いられている場合がある。使用されるシリコンウェーハは、抵抗損失を低減するため抵抗率を高くする必要がある。抵抗率は高いほど、高周波特性が向上することがわかっている。
【0006】
さらに特性を改善するために、トラップリッチ層を用いたウェーハが多く使用されている(特許文献1、特許文献2)。具体的には、トラップリッチ層としてポリシリコン層(多結晶シリコン層)が多く用いられている。
【0007】
高抵抗率基板に高周波信号が入力されると反転層が形成されることで基板の抵抗率が変わってしまう。そこでトラップリッチ層中の深い準位でキャリアを捕獲することで、抵抗率を高い状態に保つことができ、良好な高周波特性を得ることができる。
【0008】
受動素子では、高抵抗率基板の上にトラップリッチ層としてポリシリコン層を形成したウェーハが多く用いられる。
【0009】
他方、能動素子にはトラップリッチ層を使ったSOIウェーハが多く使用されている。具体的な構造は、高抵抗率基板上にトラップリッチ層としてポリシリコン層、その上に熱酸化膜層としての酸化膜層、その上にシリコン単結晶層である。
【0010】
これらの高周波通信用のSOIウェーハの基板の抵抗率は高い方がよい。その理由は、電極に入力された高周波信号が基板側を通ってしまうことで、入力信号の整数倍の周波数を持つ高調波が発生してしまい、ノイズやエネルギーロスとなってしまうからである。
(【0011】以降は省略されています)

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