TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024111986
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-20
出願番号2023016773
出願日2023-02-07
発明の名称シリコン単結晶の評価方法、および、エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法
出願人株式会社SUMCO
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C30B 29/06 20060101AFI20240813BHJP(結晶成長)
要約【課題】育成したシリコン単結晶の所定領域が、ゲッタリング能力が高くかつ半導体デバイスの品質不良発生を抑制できるエピタキシャルシリコンウェーハを作成可能な領域であるか否かを判定することができるシリコン単結晶の評価方法を提供すること。
【解決手段】シリコン単結晶の評価方法は、チョクラルスキー法により育成され、ボロンが添加された抵抗率が10mΩ・cm以下、かつ、酸素濃度が12×1017atoms/cm3以上16×1017atoms/cm3以下のシリコン単結晶の直胴部から取得された評価用ウェーハを有する評価用エピタキシャルウェーハに対して酸素析出核成長処理工程を行い、当該評価用エピタキシャルウェーハの評価用ウェーハのBMD密度が閾値以上の場合、評価用ウェーハの取得位置を含む所定領域が不合格領域であると判定し、閾値未満の場合、所定領域が合格領域であると判定する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
チョクラルスキー法により育成され、ボロンが添加された抵抗率が10mΩ・cm以下、かつ、酸素濃度が12×10
17
atoms/cm

以上16×10
17
atoms/cm

以下のシリコン単結晶の評価方法であって、
前記シリコン単結晶の直胴部におけるボトム側の領域から評価用ウェーハを取得する評価用ウェーハ取得工程と、
前記評価用ウェーハの表面にエピタキシャル層を成長させて、評価用エピタキシャルウェーハを作成する評価用エピタキシャルウェーハ作成工程と、
前記評価用エピタキシャルウェーハに対して、酸化性雰囲気下で以下の式(1)および式(2)を満たす条件で熱処理を行う酸素析出核成長処理工程と、
前記酸素析出核成長処理工程後の前記評価用エピタキシャルウェーハを構成する前記評価用ウェーハのBMD密度を測定するBMD密度測定工程と、
前記BMD密度測定工程で測定された前記BMD密度が閾値以上の場合、前記直胴部における前記評価用ウェーハの取得位置を含む所定領域が不合格領域であると判定し、前記閾値未満の場合、前記所定領域が合格領域であると判定する評価工程と、を備える、シリコン単結晶の評価方法。
H≧-0.06×T+70 … (1)
900≦T≦1100 … (2)
H:熱処理時間(時間)
T:熱処理温度(℃)
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記酸素析出核成長処理工程後の評価用エピタキシャルウェーハに対してフラッシュランプ熱処理を行った際に、前記エピタキシャル層に転位欠陥が発生した前記評価用エピタキシャルウェーハを構成する前記評価用ウェーハのBMD密度を測定し、当該測定値以下に前記閾値を設定する閾値設定工程を備える、請求項1に記載のシリコン単結晶の評価方法。
【請求項3】
前記シリコン単結晶の前記直胴部は、当該直胴部から取得されたシリコンウェーハに対して、酸化性雰囲気下で800℃の温度で3時間の熱処理後、1000℃の温度で16時間の熱処理を行った場合に、前記シリコンウェーハにおけるBMD密度が3×10

個/cm

以上1×10
11
個/cm

を満たすように形成された直胴部である、請求項1に記載のシリコン単結晶の評価方法。
【請求項4】
前記シリコン単結晶の前記直胴部は、OSF領域を含まない、請求項1に記載のシリコン単結晶の評価方法。
【請求項5】
予め、引き上げ炉内の温度測定、または、シミュレーションにより酸素析出核形成温度帯域を求めておき、育成中のシリコン単結晶が前記酸素析出核形成温度帯域に滞在した時間を算出する滞在時間算出工程を備え、
前記評価用ウェーハ取得工程において、前記滞在時間算出工程で算出された滞在時間が所定滞在時間を超える前記ボトム側の領域から前記評価用ウェーハを取得する、請求項1に記載のシリコン単結晶の評価方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の評価方法で合格領域と判定された領域から取得したウェーハにエピタキシャル成長処理を行ってエピタキシャルウェーハを製造する、エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン単結晶の評価方法、および、エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの基板材料としてエピタキシャルシリコンウェーハ(以下、「エピウェーハ」と言う場合がある)が広く使用されている。エピウェーハは、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」と言う場合がある)により育成されたシリコン単結晶から切り出したシリコンウェーハ(以下、「ウェーハ」と言う場合がある)の表面に、エピタキシャル層(以下、「エピ層」と言う場合がある)が形成されたものであり、エピ層の結晶の完全性が高いため、高品質で信頼性が高い半導体デバイスを製造することが可能である。
【0003】
近年、デバイス工程におけるラッチアップ現象の防止や、トレンチ構造のキャパシタを用いる場合にトレンチ周辺の電圧印加時の空乏層広がりを防止することを目的に、ボロンを高濃度にドープしたp+シリコンウェーハの表面にエピ層を形成したエピウェーハの提供が求められている。
【0004】
一方、エピウェーハのエピ層が金属不純物で汚染されていると、半導体デバイス特性が悪化してしまう。そこで、エピ層の金属不純物による汚染を排除するために、ゲッタリング作用を有するエピウェーハの提供が求められる。
ゲッタリング技術としては、一般的に、デバイスプロセスの熱処理中に誘起される酸素起因の微小な酸素析出物(BMD:Bulk Micro Defect)を利用して不純物元素を捕獲するイントリンシックゲッタリング(intrinsic gettering、以下、IGという)が採用される。
【0005】
しかしながら、エピ層の形成工程で高温熱処理がウェーハに施されることにより、ウェーハに内在する微小な酸素析出核が縮小、消滅してしまい、その後のデバイスプロセスにおいて、ウェーハ内にゲッタリング源となるBMDを十分に誘起させることができず、エピウェーハはゲッタリング能力が低いという問題がある。
このような問題を解決するために、特許文献1では、CZ法でシリコン単結晶を製造する段階で、育成中のシリコン単結晶が650℃付近の酸素析出核形成温度帯域に滞在する滞在時間を長くし、かつ、シリコン単結晶内に取り込まれる酸素濃度が均一になるように製造条件を制御することにより、トップからボトムまでの直胴部全体に亘ってBMD密度が均一にかつ高密度のシリコン単結晶の製造方法が報告されている。
【0006】
また、特許文献2では、ボロンは酸素析出核の安定性を増大させるため、シリコン単結晶のボロン濃度を高濃度に添加すると、酸素析出物が形成されやすいことが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2010-208894号公報
特開2017-24965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
シリコン単結晶の製造過程において、酸素析出核を形成するようにシリコン単結晶の酸素濃度や熱履歴を調整することは有効な手段であり、ボロン濃度を高濃度にするほどウェーハ中のBMD密度の増大を図ることができる。このため、本発明者はボロンをより高濃度に添加したp++シリコンウェーハ、具体的には、ボロンが添加された抵抗率が10mΩ・cm以下のウェーハにエピタキシャル層を形成したエピウェーハの提供を想起した。
【0009】
ところが、酸素濃度が高く、かつ高濃度にボロンが添加されたウェーハ表面にエピ層を形成したエピウェーハに対してFLA(flash lamp annealing)などの熱処理を行うと、ウェーハ中のBMDを起点に転位が発生し、転位がエピタキシャル層にまで達した転位欠陥が発生する場合があることが判明した。この原因について鋭意研究し、以下の知見を得た。
【0010】
通常、エピウェーハのウェーハ中のBMDはそのサイズが小さいため、直接、ウェーハ中のBMD密度を測定することができない。このため、ウェーハ中のBMD密度を測定するには、一般的に、エピウェーハに対して800℃以下の低温熱処理を行ってウェーハ内に酸素析出核を形成する処理を行った後、1000℃以上の高温熱処理を行って酸素析出核を成長させて酸素析出物として顕在化させる処理が行われる。具体的には、800℃の温度で3時間の熱処理を行った後、引き続き1000℃の温度で16時間の熱処理を施す2-step熱処理が実施される。その後、この2-step熱処理が施されたエピウェーハについて、光学顕微鏡や赤外散乱トモグラフ法などを用いて、ウェーハ中のBMD密度が測定される。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社プロテリアル
SiCエピタキシャル基板
4日前
住友化学株式会社
窒化ガリウム単結晶基板
2か月前
信越半導体株式会社
シリコン単結晶製造装置
1か月前
住友金属鉱山株式会社
FeGa合金単結晶の製造方法
3か月前
株式会社信光社
光学部品および光学部品の製造方法
1か月前
株式会社プロテリアル
単結晶製造装置
3か月前
ローム株式会社
半導体基板及びその製造方法
4か月前
国立大学法人豊橋技術科学大学
ダイヤモンド構造体の集積方法
1か月前
パナソニックホールディングス株式会社
III族窒化物半導体基板
2か月前
株式会社SUMCO
シリコンウェーハ及びその製造方法
1か月前
SECカーボン株式会社
SiC単結晶製造装置
19日前
SECカーボン株式会社
結晶成長装置の設計方法
13日前
株式会社ディスコ
ダイヤモンド基板の製造方法
1日前
株式会社ディスコ
ダイヤモンド基板の製造方法
1日前
信越化学工業株式会社
炭化タンタル被覆材料及び化合物半導体成長装置
4か月前
シアメン タングステン カンパニー リミテッド
結晶成長方法および結晶成長装置
11日前
株式会社クリスタルシステム
相平衡状態図の作成方法
1か月前
株式会社プロテリアル
単結晶製造方法および単結晶製造装置
2か月前
信越半導体株式会社
シリコン単結晶製造装置及びシリコン単結晶の製造方法
25日前
株式会社プロテリアル
SiCエピタキシャル基板
4日前
株式会社プロテリアル
炭化ケイ素単結晶の製造方法
1か月前
国立大学法人長岡技術科学大学
製造装置
2か月前
信越半導体株式会社
GaNエピタキシャル膜の製造方法及び半導体デバイスの製造方法
1か月前
グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社
シリコンウェーハ及びシリコンウェーハの製造方法
4か月前
DOWAエレクトロニクス株式会社
AlNテンプレート基板およびその製造方法
4日前
国立大学法人長岡技術科学大学
断熱材及び製造装置
2か月前
住友金属鉱山株式会社
ニオブ酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶の製造方法、及びARグラス
2か月前
株式会社SUMCO
シリコン単結晶の製造方法、および、シリコン単結晶製造装置
4か月前
株式会社SUMCO
シリコン単結晶の製造方法、および、シリコン単結晶製造装置
4か月前
株式会社SUMCO
シリコン単結晶の製造方法、および、シリコン単結晶製造装置
3か月前
株式会社レゾナック
SiCエピタキシャルウェハ
3か月前
信越半導体株式会社
SiC基板の製造方法、半導体装置の製造方法、SiC基板、及び半導体装置。
1か月前
株式会社オキサイド
テルビウム・ガリウム・ガーネット単結晶およびその製造方法ならびにファラデー回転子
2か月前
株式会社SUMCO
加熱装置、シリコン単結晶製造装置およびシリコン単結晶の製造方法
1か月前
信越化学工業株式会社
積層構造体及び半導体装置
1か月前
環球晶圓股ふん有限公司
ウェハ
26日前
続きを見る