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公開番号2024122908
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2024026159
出願日2024-02-26
発明の名称熱可塑性エラストマー組成物および成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 77/00 20060101AFI20240902BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、容易に成形することができ、高温剛性、低温衝撃性ならびに高温靭性を向上した熱可塑性エラストマー組成物を提供すること。
【解決手段】
示差走査熱量測定(DSC)による融点が200℃以上のポリアミド樹脂(A)、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物とを含むガラス転移温度が-40℃以下である反応性官能基を有する共重合体(B)、ならびに芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物とを含むガラス転移温度が-20℃以下である(B)成分以外の共重合体(C)を配合してなる熱可塑性エラストマー組成物であって、ポリアミド樹脂(A)、共重合体(B)、および共重合体(C)の組成比(重量比)が(A):(B)=50:50~80:20、(B):(C)=90:10~25:75、(A):((B)+(C))=40:60~65:35であることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
示差走査熱量測定(DSC)による融点が200℃以上のポリアミド樹脂(A)、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物とを含むガラス転移温度が-40℃以下である反応性官能基を有する共重合体(B)、ならびに芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物とを含むガラス転移温度が-20℃以下である(B)成分以外の共重合体(C)を配合してなる熱可塑性エラストマー組成物であって、ポリアミド樹脂(A)、共重合体(B)、および共重合体(C)の組成比(重量比)が(A):(B)=50:50~80:20、(B):(C)=90:10~25:75、(A):((B)+(C))=40:60~65:35であることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物がイソプレン、ブタジエン、エチレン・ブチレン、およびエチレン・プロピレンから選ばれる少なくとも1種に由来する重合体ブロックである請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂(A)、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物とを含む反応性官能基を有する共重合体(B)、ならびに芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物とを含む(B)成分以外の共重合体(C)からなる熱可塑性エラストマー組成物およびそれを用いた成形品に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、柔軟性を有する高分子材料としては、天然ゴムまたは合成ゴム等のゴム類に架橋剤や補強剤などを配合して高温高圧下で架橋したものが汎用的に用いられている。しかしながら、このようなゴム類は、高温高圧下で長期にわたって架橋及び成形を行う工程が必要であり、加工性に劣るといった課題があった。また、架橋したゴムは熱可塑性を示さないため、熱可塑性樹脂のようにリサイクル成形が一般的に不可能である。そのため、通常の熱可塑性樹脂と同じように射出成形、熱プレス成形、および押出成形等の汎用の溶融成形技術を利用して成形品を容易に製造することのできる熱可塑性エラストマーが近年種々開発されている。
【0003】
特許文献1には、剛性と耐衝撃性のバランスがよい熱可塑性樹脂組成物として、アルコキシシリル基、アミノ基、酸無水物基、およびカルボキシル基の群から選ばれた少なくとも1種の基を有する変性共役ジエン系重合体と、極性樹脂と合計100重量%を主成分とする熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-291117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1において具体的に開示された例は、反応性官能基を有するジエン系共重合体とポリアミド6からなる樹脂組成物であるが、反応性官能基を有するジエン系共重合体とポリアミド6とが反応し、ポリアミド6の持つ高温剛性が低下し、かつ、共役ジエン系共重合体とポリアミド6が反応することで、低温衝撃性(低温環境における衝撃強度)が低下してしまう課題があった。
【0006】
本発明は、容易に成形することができ、高温剛性、低温衝撃性ならびに高温靭性(高温環境における靱性)を向上した熱可塑性エラストマー組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
(1)示差走査熱量測定(DSC)による融点が200℃以上のポリアミド樹脂(A)、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物とを含むガラス転移温度が-40℃以下である反応性官能基を有する共重合体(B)、ならびに芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物とを含むガラス転移温度が-20℃以下である(B)成分以外の共重合体(C)を配合してなる熱可塑性エラストマー組成物であって、ポリアミド樹脂(A)、共重合体(B)、および共重合体(C)の組成比(重量比)が(A):(B)=50:50~80:20、(B):(C)=90:10~25:75、(A):((B)+(C))=40:60~65:35であることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
(2)前記共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物がイソプレン、ブタジエン、エチレン・ブチレン、およびエチレン・プロピレンから選ばれる少なくとも1種に由来する重合体ブロックである(1)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(3)(1)または(2)のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品。
【発明の効果】
【0008】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、汎用の溶融成形技術を利用して容易に成形することができ、低温衝撃性に優れた成形品を得ることができる。すなわち、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は高温剛性、低温衝撃性、高温靭性、および耐熱性に優れ、例えば、自動車用途、電気・電子用途等に展開することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明は示差走査熱量測定(DSC)による融点が200℃以上のポリアミド樹脂(A)(以下、ポリアミド樹脂(A)と略記することがある)、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物とを含むガラス転移温度が-40℃以下である反応性官能基を有する共重合体(B)(以下、共重合体(B)と略記することがある)、ならびに芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン系化合物を主体とする重合体ブロック及び/またはその水素添加物とを含むガラス転移温度が-20℃以下である(B)成分以外の共重合体(C)(以下、共重合体(C)と略記することがある)を配合してなる熱可塑性エラストマー組成物である。
(【0011】以降は省略されています)

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