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公開番号
2025020426
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-12
出願番号
2024199656,2021509936
出願日
2024-11-15,2021-01-27
発明の名称
糖液の製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
C13K
1/02 20060101AFI20250204BHJP(糖工業)
要約
【課題】
有機酸、芳香族化合物といった発酵阻害物質を低減したセルロース含有バイオマスを原料とする糖液を製造する。
【解決手段】
セルロース含有バイオマスを原料とする糖液の製造方法であって、
工程(1):目開き1mmのふるいで通過しない重量割合が乾燥重量で50%以下になるようにセルロース含有バイオマスを粉砕する工程、
工程(2):工程(1)で得られた粉砕バイオマスをアルカリ性水性媒体に接触させて前処理バイオマスを得る工程、
工程(3):工程(2)で得られた前処理バイオマスに水を添加して固液分離し、セルロース含有固形分を得る工程、および
工程(4):工程(3)で得られたセルロース含有固形分を加水分解して糖液を得る工程、
を含む、方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
セルロース含有バイオマスを原料とする糖液の製造方法であって、
工程(1):目開き1mmのふるいで通過しない重量割合が乾燥重量で50%以下になるようにセルロース含有バイオマスを粉砕する工程、
工程(2):工程(1)で得られた粉砕バイオマスをアルカリ性水性媒体に接触させて前処理バイオマスを得る工程、
工程(3):工程(2)で得られた前処理バイオマスに水を添加して固液分離し、セルロース含有固形分を得る工程、および
工程(4):工程(3)で得られたセルロース含有固形分を加水分解して糖液を得る工程、
を含む、方法。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
前記工程(2)が、前記工程(1)で得られた粉砕バイオマスにアルカリ性媒体を通液させて前処理バイオマスを得る工程である、請求項1に記載の糖液の製造方法。
【請求項3】
前記工程(2)が、前記工程(1)で得られた粉砕バイオマスとアルカリ性媒体を濾過器に供給し、該濾過器を用いて粉砕バイオマスとアルカリ性媒体を通液させる工程である、請求項1または2に記載の糖液の製造方法。
【請求項4】
前記工程(2)のアルカリ性水性媒体が水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを含む水性媒体である、請求項1~3のいずれかに記載の糖液の製造方法。
【請求項5】
前記工程(3)の固液分離が圧搾である、請求項1~4のいずれかに記載の糖液の製造方法。
【請求項6】
前記セルロース含有バイオマスがバガスである、請求項1~5のいずれかに記載の糖液の製造方法。
【請求項7】
工程(5):工程(4)で得られた糖液をナノ濾過膜または逆浸透膜に通じて濾過し、非透過液として糖液を回収し、透過液を工程(3)で前処理バイオマスに添加する水に再利用する工程、
をさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載の糖液の製造方法。
【請求項8】
目開き1mmのふるいで通過しない重量割合が乾燥重量で50%以下の粉砕セルロース含有バイオマスおよびアルカリ性水性媒体を含有し、含水率が50重量%以上70重量%未満である、セルロース含有固形分。
【請求項9】
前記セルロース含有バイオマスがバガスである、請求項8に記載のセルロース含有固形分。
【請求項10】
目開き1mmのふるいで通過しない重量割合が乾燥重量で40~50%である、粉砕セルロース含有バイオマス。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はセルロース含有バイオマスから発酵原料等で使用可能な糖液を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
糖質を原料とした化学品の発酵生産プロセスは、種々の工業原料生産に利用されている。この発酵原料となる糖質として、現在、さとうきび、澱粉、テンサイなどの食用原料に由来するものが工業的に使用されているが、今後の世界人口の増加による食用原料価格の高騰、あるいは食用と競合するという倫理的な側面から、再生可能な非食用資源、すなわちセルロース含有バイオマスをより効率的に糖液を製造するプロセス、あるいは得られた糖液を発酵原料として、効率的に工業原料に変換するプロセスの構築が今後の課題となっている。
【0003】
セルロース含有バイオマス原料中の糖質は、複雑な構造をとる細胞壁中に埋め込まれている。したがって、酵素が効率的に作用するようにするために、酵素加水分解に先立って、バイオマス原料にアルカリ処理を施すことが好ましい。
【0004】
例えば、セルロールの酵素加水分解速度を向上させるために、セルロース含有物とアルカリ水溶液とを接触させるアルカリ処理を行い、アルカリ性濾液を繰り返し利用する特定の前処理をセルロース含有バイオマスに適用することで糖液が高純度で糖を含有することが開示されている(特許文献1)。
【0005】
また、セルロースを含有する植物バイオマス原料を、アンモニアを含む処理剤で処理して40~100℃の水に浸漬し、多糖を水中に溶出せしめ、酵素糖化工程に供するための酵素糖化用原料を得ることが開示されている。本発明によれば、酵素糖化を効率的に行うことができ、そのため、糖の生産効率を向上させた糖の製造方法に用いられる(特許文献2)。
【0006】
しかしながら、アルカリ処理を行う際に生じる有機酸、芳香族化合物といった発酵阻害物質が糖液に混入するという品質課題があり、発酵阻害物質が低減したセルロース糖液の製造方法が依然として求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO2017/170552号
WO2012/096236号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、セルロース含有バイオマスから糖液を製造する際に、セルロース含有バイオマスのアルカリ処理によって生じる有機酸、芳香族化合物といった発酵阻害物質を低減させる方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、今般、セルロース含有バイオマスを特定の粉砕度合いまで粉砕し、アルカリ性水性媒体に接触させて水を添加し、水を添加した前処理バイオマスを固液分離し、前処理バイオマスを加水分解すると、発酵阻害物質が低減した糖液を効率的に取得しうることを見出した。
【0010】
本発明は、かかる知見に基づくものであり、以下の[1]~[10]で構成される。
[1]セルロース含有バイオマスを原料とする糖液の製造方法であって、工程(1):目開き1mmのふるいで通過しない重量割合が乾燥重量で50%以下になるようにセルロース含有バイオマスを粉砕する工程、
工程(2):工程(1)で得られた粉砕バイオマスをアルカリ性水性媒体に接触させて前処理バイオマスを得る工程、
工程(3):工程(2)で得られた前処理バイオマスに水を添加して固液分離し、セルロース含有固形分を得る工程、および
工程(4):工程(3)で得られたセルロース含有固形分を加水分解して糖液を得る工程、
を含む、方法。
[2]前記工程(2)が、前記工程(1)で得られた粉砕バイオマスにアルカリ性媒体を通液させて前処理バイオマスを得る工程である、[1]に記載の糖液の製造方法。
[3]前記工程(2)が、前記工程(1)で得られた粉砕バイオマスとアルカリ性媒体を濾過器に供給し、該濾過器を用いて粉砕バイオマスとアルカリ性媒体を通液させる工程である、[1]または[2]に記載の糖液の製造方法。
[4]前記工程(2)のアルカリ性水性媒体が水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを含む水性媒体である、[1]~[3]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[5]前記工程(3)の固液分離が圧搾である、[1]~[4]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[6]前記セルロース含有バイオマスがバガスである、[1]~[5]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[7]工程(5):工程(4)で得られた糖液をナノ濾過膜または逆浸透膜に通じて濾過し、非透過液として糖液を回収し、透過液を工程(3)で前処理バイオマスに添加する水に再利用する工程、
をさらに含む、[1]~[6]のいずれかに記載の糖液の製造方法。
[8]目開き1mmのふるいで通過しない重量割合が乾燥重量で50%以下の粉砕セルロース含有バイオマスおよびアルカリ性水性媒体を含有し、含水率が50重量%以上70重量%未満である、セルロース含有固形分。
[9]前記セルロース含有バイオマスがバガスである、[8]に記載のセルロース含有固形分。
[10]目開き1mmのふるいで通過しない重量割合が乾燥重量で40~50%である、粉砕セルロース含有バイオマス。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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