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公開番号
2025021454
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-13
出願番号
2024121997
出願日
2024-07-29
発明の名称
フィルムコンデンサ用フィルム、金属積層体、フィルムコンデンサ、パワーコントロールユニット、電動自動車、および電動航空機
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
H01G
4/32 20060101AFI20250205BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】 本発明は、高い耐湿熱性とセルフヒーリング性を具備し、誘電体として用いたときの発熱、コート層の熱分解や加水分解による性能低下を軽減できる、フィルムコンデンサ用フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 厚みの異なる2種類の樹脂層を有するフィルムコンデンサ用フィルムであって、相対的に厚みの小さい層を樹脂層A、相対的に厚みの大きい層を樹脂層Bとしたときに、前記樹脂層Bの少なくとも片面に前記樹脂層Aを有し、下記の条件1と2を共に満たす、フィルムコンデンサ用フィルム。
条件1:前記樹脂層Aが酸化防止剤を0.01質量%以上10質量%以下含有する。
条件2:次の溶媒a)~c)のいずれに対しても前記樹脂層Aの可溶分が30質量%以下である。
a)メチルエチルケトン b)トルエン c)ジオキサン
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
厚みの異なる2種類の樹脂層を有するフィルムコンデンサ用フィルムであって、
前記2種類の樹脂層のうち、相対的に厚みの小さい層を樹脂層A、相対的に厚みの大きい層を樹脂層Bとしたときに、前記樹脂層Bの少なくとも片面に前記樹脂層Aを有し、下記の条件1と2を共に満たす、フィルムコンデンサ用フィルム。
条件1:前記樹脂層Aの全構成成分を100質量%としたときに、前記樹脂層Aが酸化防止剤を0.01質量%以上10質量%以下含有する。
条件2:前記樹脂層Aの全構成成分を100質量%としたときに、次の溶媒a)~c)のいずれに対しても前記樹脂層Aの可溶分が30質量%以下である。
a)メチルエチルケトン b)トルエン c)ジオキサン
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
DSCで測定される融点が180℃以上380℃以下であり、または/かつDSCで測定されるガラス転移温度が130℃以上370℃以下である、請求項1に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
【請求項3】
前記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤を含む、請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
【請求項4】
前記樹脂層Aがカルボジイミドを含む、請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
【請求項5】
前記樹脂層Aにおける前記カルボジイミドの含有量が、前記樹脂層Aの全構成成分を100質量%としたときに0.01質量%以上10質量%以下である、請求項4に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
【請求項6】
前記樹脂層Aが、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合、イミド結合、オキサゾリン環、アルキレン基のうち少なくとも1つの構造を有する請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
【請求項7】
前記樹脂層Aが、ウレタンアクリレート重合体、アクリレート重合体、ウレタンメタクリレート重合体、メタクリレート重合体、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、およびエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーの単位構造を有する、請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
【請求項8】
前記樹脂層Bが、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、およびポリエーテルイミドからなる群の少なくとも一つを含み、かつその合計量が50質量%より多く100質量%以下である、請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
【請求項9】
前記酸化防止剤として、以下の条件A、Bの少なくとも一方を満たすものを含有する、請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
条件A:融点が155℃よりも高く400℃以下である。
条件B:155℃にて固体である。
【請求項10】
前記樹脂層Aの厚みが1.0nm以上1.0μm以下である、請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体として好適に用いることができるフィルムコンデンサ用フィルム、およびこれを用いた金属積層体、フィルムコンデンサ、パワーコントロールユニット、電動自動車、および電動航空機に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
ここ数年、地球環境問題等に起因してハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)等の電動機駆動併用車、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)等の電動機駆動車の市場が拡大しており、それ伴い、これらの車両に使用されるフィルムコンデンサの需要も急速に増大している。
【0003】
フィルムコンデンサは、樹脂製のフィルムを誘電体とするコンデンサであり、優れた周波数特性や温度安定性を備える。フィルムコンデンサの誘電体として用いられるフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステルフィルム、ポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム等の熱可塑性樹脂フィルム、および非晶性の熱可塑性樹脂フィルムであるポリエーテルイミド(PEI)フィルム等が挙げられる。
【0004】
一方で、ポリエーテルイミドフィルムやポリフェニレンスルフィドフィルムなどの優れた耐熱性を持つフィルムは、一般的にセルフヒーリング(SH)性が悪い。そのため、このようなフィルムを誘電体とするフィルムコンデンサを長時間使用していると、フィルムコンデンサの容量が低下していくという欠点があった。
【0005】
これに対し、基材フィルムにコート層を設けることでセルフヒーリング性を改善する技術が知られているが、高温および/または高湿環境下に長時間さらされるとコート層が熱分解や加水分解するため、十分にフィルムコンデンサ性能が保持されない。上述の問題点を解決するために、コート層に老化防止剤を含有させる技術が開示されている(特許文献1)。また、ポリエーテルイミドフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等は誘電正接が大きいため、インバーターの平滑コンデンサのフィルムコンデンサ誘電体として使用すると発熱が大きく、フィルムコンデンサの性能が低下するリスクもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平9-141809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1に示すような従来技術は、高温および/または高湿環境下でのコート層の熱分解や加水分解の軽減とセルフヒーリング性向上とを両立するには不十分であるという課題があった。そこで本発明は、係る従来技術の背景を鑑み、高い耐湿熱性とセルフヒーリング性を具備し、フィルムコンデンサの誘電体として使用したときの発熱、コート層の熱分解や加水分解による性能低下を軽減できる、フィルムコンデンサ用フィルムを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題は、以下の発明によって解決可能である。すなわち本発明のフィルムコンデンサ用フィルムは、厚みの異なる2種類の樹脂層を有するフィルムコンデンサ用フィルムであって、前記2種類の樹脂層のうち、相対的に厚みの小さい層を樹脂層A、相対的に厚みの大きい層を樹脂層Bとしたときに、前記樹脂層Bの少なくとも片面に前記樹脂層Aを有し、下記の条件1と2を共に満たす、フィルムコンデンサ用フィルムである。
条件1:前記樹脂層Aの全構成成分を100質量%としたときに、前記樹脂層Aが酸化防止剤を0.01質量%以上10質量%以下含有する。
条件2:前記樹脂層Aの全構成成分を100質量%としたときに、次の溶媒a)~c)のいずれに対しても前記樹脂層Aの可溶分が30質量%以下である。
a)メチルエチルケトン b)トルエン c)ジオキサン。
【0009】
また、本発明のフィルムコンデンサ用フィルムは以下の態様とすることもでき、以下のとおりこれを用いて金属積層体、フィルムコンデンサ、パワーコントロールユニット、電動自動車、および電動航空機を得ることもできる。
(1) 厚みの異なる2種類の樹脂層を有するフィルムコンデンサ用フィルムであって、前記2種類の樹脂層のうち、相対的に厚みの小さい層を樹脂層A、相対的に厚みの大きい層を樹脂層Bとしたときに、前記樹脂層Bの少なくとも片面に前記樹脂層Aを有し、下記の条件1と2を共に満たす、フィルムコンデンサ用フィルム。
条件1:前記樹脂層Aの全構成成分を100質量%としたときに、前記樹脂層Aが酸化防止剤を0.01質量%以上10質量%以下含有する。
条件2:前記樹脂層Aの全構成成分を100質量%としたときに、次の溶媒a)~c)のいずれに対しても前記樹脂層Aの可溶分が30質量%以下である。
a)メチルエチルケトン b)トルエン c)ジオキサン
(2) DSCで測定される融点が180℃以上380℃以下であり、または/かつDSCで測定されるガラス転移温度が130℃以上370℃以下である、(1)に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
(3) 前記酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤を含む、(1)または(2)に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
(4) 前記樹脂層Aがカルボジイミドを含む、(1)~(3)のいずれかに記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
(5) 前記樹脂層Aにおける前記カルボジイミドの含有量が、前記樹脂層Aの全構成成分を100質量%としたときに0.01質量%以上10質量%以下である、(4)に記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
(6) 前記樹脂層Aが、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合、イミド結合、オキサゾリン環、アルキレン基のうち少なくとも1つの構造を有する(1)~(5)のいずれかに記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
(7) 前記樹脂層Aが、ウレタンアクリレート重合体、アクリレート重合体、ウレタンメタクリレート重合体、メタクリレート重合体、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、およびエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーの単位構造を有する、(1)~(6)のいずれかに記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
(8) 前記樹脂層Bが、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、およびポリエーテルイミドからなる群の少なくとも一つを含み、かつその合計量が50質量%より多く100質量%以下である、(1)~(7)のいずれかに記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
(9) 前記酸化防止剤として、以下の条件A、Bの少なくとも一方を満たすものを含有する、(1)~(8)のいずれかに記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
条件A:融点が155℃よりも高く400℃以下である。
条件B:155℃にて固体である。
(10) 前記樹脂層Aの厚みが1.0nm以上1.0μm以下である、(1)~(9)のいずれかに記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
(11) 厚みが0.1μm以上10.0μm以下である、(1)~(10)のいずれかに記載のフィルムコンデンサ用フィルム。
(12) (1)~(11)のいずれかに記載のフィルムコンデンサ用フィルムの少なくとも一方の表面に金属層を有する、金属積層体。
(13) 前記樹脂層B、前記樹脂層A、前記金属層をこの順に有する、(12)に記載の金属積層体。
(14) (13)に記載の金属積層体を用いてなる、フィルムコンデンサ。
(15) (14)に記載のフィルムコンデンサを有する、パワーコントロールユニット。
(16) (15)に記載のパワーコントロールユニットを有する、電動自動車。
(17) (15)に記載のパワーコントロールユニットを有する、電動航空機。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い耐湿熱性とセルフヒーリング性を具備し、フィルムコンデンサの誘電体として使用したときの発熱、コート層の熱分解、および加水分解による性能低下を軽減できる、フィルムコンデンサ用フィルムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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