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公開番号2024122804
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030570
出願日2023-02-28
発明の名称超音波流量センサ
出願人株式会社キーエンス
代理人
主分類G01F 1/667 20220101AFI20240902BHJP(測定;試験)
要約【課題】超音波流量センサの小型化を実現しつつ、信号線による超音波素子への機械的影響を低減することにある。
【解決手段】超音波流量センサ1は、超音波信号を送受信する第1の超音波素子11と、第1の超音波素子11が取り付けられ、第1の超音波素子11からの超音波信号を配管13に向けて伝達する素子ベース14と、素子ベース14に取り付けられた第1素子ベース14を収容するヘッド筐体52と、ヘッド筐体52とケーブル53を介して接続されるアンプ筐体60と、ヘッド筐体52の中に固定され、ケーブル53と、第1の超音波素子11との間を中継する回路パターンが形成された中継基板40と、第1の超音波素子11と中継基板40に形成された回路パターンとをヘッド筐体52の中で電気的に接続する、金属細線44を備えることができる。ここで、金属細線44は、絶縁材料にエナメルを用いることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
配管を流れる流体の流量を超音波信号により測定する超音波流量センサであって、
超音波信号を送受信する第1の超音波素子と、
前記第1の超音波素子が取り付けられ、当該第1の超音波素子からの超音波信号を配管に向けて伝達する第1素子ベースと、
前記第1素子ベースに取り付けられた前記第1の超音波素子を収容するヘッド筐体と、
前記ヘッド筐体とケーブルを介して接続されるアンプ筐体と、
前記ヘッド筐体の中に固定され、前記ケーブルと前記第1の超音波素子との間を中継する回路パターンが形成された中継基板と、
前記第1の超音波素子と前記中継基板に形成された回路パターンとを前記ヘッド筐体の中で電気的に接続する、絶縁材料にエナメルを用いた金属細線と、
超音波信号を送受信する第2の超音波素子と、
前記第2の超音波素子が取り付けられ、当該第2の超音波素子からの超音波信号を配管に向けて伝達する第2素子ベースと、
を備える超音波流量センサ。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の超音波流量センサにおいて、
前記ヘッド筐体に、前記金属細線が収容される空間を囲むノイズシールドが収容される超音波流量センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の超音波流量センサにおいて、
前記アンプ筐体に収容され、前記第1の超音波素子と前記第2の超音波素子との間で送受信する超音波信号に基づいて配管の流量を測定する制御部をさらに備える超音波流量センサ。
【請求項4】
請求項3に記載の超音波流量センサにおいて、
前記アンプ筐体に収容され、前記第1の超音波素子を駆動する駆動回路をさらに備える超音波流量センサ。
【請求項5】
請求項4に記載の超音波流量センサにおいて、
前記アンプ筐体は、第二ケーブルを介して接続される中継筐体と本体筐体とを有し、前記制御部は前記本体筐体に収容され、前記第1の駆動回路は前記中継筐体に収容される超音波流量センサ。
【請求項6】
請求項3に記載の超音波流量センサにおいて、
前記アンプ筐体に第二ケーブルを介して接続されるとともに、前記第2素子ベースに取り付けられた前記第2の超音波素子を収容する第2ヘッド筐体を更に備え、前記第1ヘッド筐体と前記第2ヘッド筐体とが前記配管を挟んで、それぞれ前記配管の外壁に取り付けられるクランプオン型である超音波流量センサ。
【請求項7】
請求項1に記載の超音波流量センサにおいて、
前記第1の金属細線は、断面積が0.1平方ミリメートル以下である、超音波流量センサ。
【請求項8】
請求項7に記載の超音波流量センサにおいて、
前記第1の金属細線は、エナメルを用いた金属細線を複数本のより合わせた電線である、超音波流量センサ。
【請求項9】
請求項1に記載の超音波流量センサにおいて、
前記第1の超音波素子と前記第2の超音波素子との間で送受信する超音波信号に基づいて配管の流量を測定するとともに、測定した流量と所定のしきい値との比較結果を求める制御部をさらに備え、
前記中継基板に、表示灯光源が実装され、
前記ヘッド筐体に、前記制御部が求めた前記比較結果に基づいて前記表示灯光源からの光を受けて点灯する表示灯が形成される、超音波流量センサ。
【請求項10】
請求項1に記載の超音波流量センサにおいて、
前記中継基板に、前記ヘッド筐体を識別するヘッド識別素子が実装され、前記アンプ筐体は、起動時に前記ヘッド識別素子に基づいて前記ヘッド筐体の種別を判別する制御回路を収容する、超音波流量センサ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、流路を流れる流体の流量を超音波信号により測定する超音波流量センサに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
流路を流れる流体の流量を超音波信号によって測定する測定機器として、超音波流量センサが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の超音波流量センサは、配管の外壁に対して着脱自在に取り付けられ、配管の外から流体の流量を測定するクランプオン型超音波流量センサである。特許文献1のクランプオン型超音波流量センサの測定原理は、いわゆる伝搬時間差式であり、配管内を流れる流体に対して斜めに超音波信号を通過させ、流れに沿った方向と流れに逆らった方向とで超音波信号の伝播時間差を測定し、この伝搬時間差から気体の流速・流量を算出する。特許文献1では、配管に取り付けられるヘッド部と、ヘッド部にケーブルを介して接続されるヘッド部以外の中継部や本体部とに分離して、ヘッド部を小型化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-158678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、配管が多く配置されるような狭小なスペースで超音波流量センサを取り付けたいという要求もあり、超音波流量センサのさらなる小型化が望まれている。
しかしながら、さらなる小型化により、ヘッド部筐体内において超音波素子に対する信号線の機械的影響が相対的に大きくなる。たとえば、信号線を介して応力が印加されることにより、たとえば、信号線が超音波素子から剥離して、超音波素子との間の導通不良を生じたり、超音波素子自体が素子ベースから剥離して、超音波素子と素子ベース間に空気の層が生じることにより、伝播する超音波信号の強度が下がるおそれがある。
本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、超音波流量センサの小型化を実現しつつ、信号線による超音波素子への機械的影響を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本開示の一態様では、流路を流れる流体の流量を超音波信号により測定する超音波流量センサを前提とすることができる。
超音波流量センサは、超音波信号を送受信する第1の超音波素子と、前記第1の超音波素子が取り付けられ、当該第1の超音波素子からの超音波信号を配管に向けて伝達する素子ベースと、前記素子ベースに取り付けられた前記第1素子ベースを収容するヘッド筐体と、前記ヘッド筐体とケーブルを介して接続されるアンプ筐体と、前記ヘッド筐体の中に固定され、前記ケーブルと、前記第1の超音波素子との間を中継する回路パターンが形成された中継基板と、前記第1の超音波素子と前記中継基板に形成された回路パターンとを前記ヘッド筐体の中で電気的に接続する、金属細線を備えることができる。ここで、金属細線は、絶縁材料にエナメルを用いることができる。また、超音波流量センサは、上記構成に加えて、超音波信号を送受信する第2の超音波素子と、前記第2の超音波素子が取り付けられ、当該第2の超音波素子からの超音波素子を配管に向けて伝達する第2素子ベースを備えることができる。
【0006】
このように、小型化された超音波流量センサにおいて、筐体内の配線としてエナメルを用いた金属細線を用いることで、例えば、信号線の曲げによる被覆の反力を含む機械的影響を小さくすることができ、超音波素子及び中継基板を含む部品のヘッド筐体内の収容時あるいは組み立て時の金属細線の曲率を小さくすることで、筐体内の配線をコンパクトな構成とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、第1の超音波素子と中継基板に形成された回路パターンとを、絶縁材料にエナメルを用いた金属細線で電気的に接続する構成により、超音波流量センサの小型化を実現しつつ、信号線による超音波素子への機械的影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態に係る超音波流量センサの断面図である。
本発明の実施形態に係る超音波流量センサの機能ブロック図である。
本発明の実施形態に係る超音波流量センサのシールドを省略した外観に係る側面図である。
本発明の実施形態に係る超音波流量センサのシールドを省略した外観に係る斜視図である。
本発明の実施形態に係る超音波流量センサの筐体を省略した外観に係る斜視図である。
本発明の実施形態の変形例1に係る超音波流量センサの断面図である。
本発明の実施形態の変形例1に係る超音波流量センサの超音波素子周辺部の外観図である。
本発明の実施形態の変形例1に係る超音波流量センサの超音波素子周辺を説明する外観図である。
本発明の実施形態の変形例1に係る超音波流量センサの機能ブロック図である。
本発明の実施形態の変形例2に係る超音波流量センサの外観図である。
本発明の実施形態の変形例2に係る超音波流量センサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る超音波流量センサ1の断面図である。超音波流量センサ1は、例えば圧縮空気をはじめとした各種気体の流量測定が可能に構成されている。超音波流量センサ1は、図示しないが空気圧システムに組み込んで利用することができる。本実施形態では、空気圧システムの配管の途中に超音波流量センサ1を設け、この超音波流量センサ1により、流路を流れる流体の流量を超音波信号により測定することで、空気圧システムの動作管理を流量に基づいて行えるようにしている。尚、超音波流量センサ1は、圧縮空気以外にも例えば窒素やアルゴン等の流量を測定することもできる。超音波流量センサ1が流量を測定する流体を、例えば対象流体、被測定流体と呼ぶこともできる。
以下、超音波流量センサ1の具体的な構造について説明する。超音波流量センサ1は、図1左側の(図示しない)上流側外部配管と、図1右側の(図示しない)下流側外部配管との間に設けられる。上流側外部配管は、超音波流量センサ1よりも上流側に位置する外部配管であり、また、下流側外部配管は、超音波流量センサ1よりも下流側に位置する外部配管である。尚、上流、下流は、説明の便宜を図るために定義するだけであり、実際の使用状態を限定するものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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