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公開番号2024122612
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030263
出願日2023-02-28
発明の名称梁の施工方法、梁及びハーフプレキャスト部材
出願人株式会社大林組
代理人個人,個人
主分類E04C 3/22 20060101AFI20240902BHJP(建築物)
要約【課題】支保工を用いずに大断面の鉄筋コンクリート造の梁を施工するための梁の施工方法、梁及びハーフプレキャスト部材を提供する。
【解決手段】梁20は、最下部を構成する複数のハーフPCa部材21,22,23を備える。各ハーフPCa部材21~23は、梁20の幅方向D2に分割され、梁20の軸方向D1の長さのコンクリートで構成されたブロック部を有する。梁20は、複数のつなぎ筋25及び複数の梁側面軸方向筋26を備える。つなぎ筋25は、ハーフPCa部材21~23の上面近傍において、梁20を構成する全てのハーフPCa部材21~23に渡る長さで、梁20の幅方向D2に延在するように配置される。梁側面軸方向筋26は、梁20の側面近傍において、垂直方向に離間して配置される。梁20は、上部であって、梁20の高さH1の半分以上の高さH2を有する領域である現場打設コンクリート部29を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数のハーフプレキャスト部材を備える梁を施工する方法であって、
前記ハーフプレキャスト部材は、コンクリートで構成されたブロック部と、このブロック部に下部が埋設され上方に延在する鉄筋とを備え、
前記ブロック部は、前記梁の延在方向と直交する幅方向に分割された形状で構成され、
前記複数のハーフプレキャスト部材を、前記梁の下端部において前記幅方向に並ぶように配置し、
前記幅方向に延在するつなぎ筋を、前記幅方向に並べたすべてのハーフプレキャスト部材に渡るように、前記ブロック部の上方に配置し、
前記梁の軸方向に延在する梁側面軸方向筋を、前記梁の両側面に配置し、
前記ハーフプレキャスト部材の上方の側方を型枠で覆った状態で、前記梁の上側の領域をコンクリート打設することにより、前記ブロック部から上方に突出した鉄筋を埋設した前記梁を形成することを特徴とする梁の施工方法。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
複数のハーフプレキャスト部材を備える梁であって、
前記ハーフプレキャスト部材は、コンクリートで構成されたブロック部と、このブロック部に下部が埋設され上方に延在する鉄筋とを備え、
前記ブロック部は、前記梁の延在方向と直交する幅方向に分割された形状で構成され、
最下部において前記幅方向に並べられた前記複数のハーフプレキャスト部材と、
前記ブロック部の上方に配置され、前記幅方向に並べたすべてのハーフプレキャスト部材に渡るように、前記幅方向に延在するつなぎ筋と、
前記梁の軸方向に延在し前記梁の両側面に配置された梁側面軸方向筋と、
前記ブロック部から上方に突出した鉄筋を埋設し、上側の領域を構成する現場打設コンクリート部とを備えることを特徴とする梁。
【請求項3】
梁の一部を構成するハーフプレキャスト部材であって、
前記梁の長さに応じた軸方向の長さと、前記梁の幅方向に複数に分割された幅とを有するコンクリートで構成されたブロック部と、
前記ブロック部に埋設されている前記軸方向に延在する複数の軸方向筋と、
前記ブロック部に下端部が埋設し前記ブロック部から上方に突出した複数のスターラップと、を有し、
前記ブロック部の前記幅方向の側面には、前記梁の幅方向に隣接する他のハーフプレキャスト部材との係合部が形成されていることを特徴とするハーフプレキャスト部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、建物の梁の施工方法、梁及びこの梁に用いられるハーフプレキャスト部材に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
競技場等の建築物では、大断面の鉄筋コンクリート造の梁(RC梁)を設けることがある。このような梁を形成する場合、大規模な支保工を設けて、コンクリートを現場で打設することが一般的である。この場合、コンクリートの硬化により一定の強度が発現するまでは、支保工を残しておく必要があった。そして、支保工を外せないため、支保工の下となる部分の他の工事の施工開始の遅延に繋がっていた。また、大断面のRC梁に用いる支保工は、物量が多くなるとともに、仮設費用が嵩んでいた。
【0003】
そこで、施工時間短縮のために、工場で予め製作したプレキャスト部材を用いて梁を構築することも考えられる。しかしながら、大断面のRC梁をプレキャスト(以下、PCa)梁として工場で製作した後で、現場に搬送することは不可能である。
【0004】
そこで、梁の一部を、工場で予め製作した後、この工場で予め製作したハーフプレキャスト部材(ハーフPCa部材)を用いて、梁を構築することも考えられる。例えば、梁の断面の一部を構成するハーフPCa部材(ハーフPCa梁)を用いて梁を構築する技術もある(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載の梁の構築方法では、まず、断面U字形をなしたハーフPCa梁を複数の柱間に連続配置する。そして、柱とパネルで囲われたゾーン内でハーフPCa同士を一次コンクリートまたは鋼板の溶接などの接合手段により接合する。その後、PC鋼線をハーフPCa梁の空洞部に配置して緊張した後、空洞部にコンクリートを打設する。
【0005】
また、梁の下部全体を、スラブ材などで用いられているハーフプレキャスト(PCa)床板1枚で構成するとともに、これを用いて梁を構築することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平7-279428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したハーフPCa梁やハーフPCa床板を用いる場合、大断面のRC梁においては、施工時の荷重、支持スパンから求まる必要な厚みが厚くなる。従って、梁幅まで考慮すると、プレキャスト部分の重量が重くなり過ぎるため、運搬が不可能であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する梁の施工方法は、複数のハーフプレキャスト部材を備える梁を施工する方法であって、前記ハーフプレキャスト部材は、コンクリートで構成されたブロック部と、このブロック部に下部が埋設され上方に延在する鉄筋とを備え、前記ブロック部は、前記梁の延在方向と直交する幅方向に分割された形状で構成され、前記複数のハーフプレキャスト部材を、前記梁の下端部において前記幅方向に並ぶように配置し、前記幅方向に延在するつなぎ筋を、前記幅方向に並べたすべてのハーフプレキャスト部材に渡るように、前記ブロック部の上方に配置し、前記梁の軸方向に延在する梁側面軸方向筋を、前記梁の両側面に配置し、前記ハーフプレキャスト部材の上方の側方を型枠で覆った状態で、前記梁の上側の領域をコンクリート打設することにより、前記ブロック部から上方に突出した鉄筋を埋設した前記梁を形成する。
【0009】
更に、上記課題を解決する梁は、複数のハーフプレキャスト部材を備える梁であって、前記ハーフプレキャスト部材は、コンクリートで構成されたブロック部と、このブロック部に下部が埋設され上方に延在する鉄筋とを備え、前記ブロック部は、前記梁の延在方向と直交する幅方向に分割された形状で構成され、最下部において前記幅方向に並べられた前記複数のハーフプレキャスト部材と、前記ブロック部の上方に配置され、前記幅方向に並べたすべてのハーフプレキャスト部材に渡るように、前記幅方向に延在するつなぎ筋と、前記梁の軸方向に延在し前記梁の両側面に配置された梁側面軸方向筋と、前記ブロック部から上方に突出した鉄筋を埋設し、上側の領域を構成する現場打設コンクリート部とを備える。
【0010】
また、上記課題を解決するハーフプレキャスト部材は、梁の一部を構成するハーフプレキャスト部材であって、前記梁の長さに応じた軸方向の長さと、前記梁の幅方向に複数に分割された幅とを有するコンクリートで構成されたブロック部と、前記ブロック部に埋設されている前記軸方向に延在する複数の軸方向筋と、前記ブロック部に下端部が埋設し前記ブロック部から上方に突出した複数のスターラップと、を有し、前記ブロック部の前記幅方向の側面には、前記梁の幅方向に隣接する他のハーフプレキャスト部材との係合部が形成されている。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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