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公開番号2024121776
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2023207877
出願日2023-12-08
発明の名称リチウムイオン電池のための再生グラファイト
出願人アセンド エレメンツ,インコーポレイテッド,メキシケム フルーア インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01M 10/54 20060101AFI20240830BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 リチウムイオン電池のための再生グラファイトを提供する。
【解決手段】 リチウムイオン電池内のアノード材料として使用するために、再生電池ストリームから精製グラファイトを生成する方法が記載される。方法は、濾過により、グラファイトを含む沈殿物を得るための浸出ステップを含み、沈殿物は、その後、精製グラファイトを形成するために、水酸化物塩基の水溶液を用いたスラリーとして繰り返し焙焼され、及びその後、洗浄される。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
再生電池ストリームから精製グラファイトを生成する方法であって、
浸出液及びグラファイトを含む沈殿物を得るために、消耗したリチウムイオン電池のブラックマスを浸出させることと、
前記沈殿物を、
40重量%以下の水酸化物の濃度を有する水酸化物塩基の第1の水溶液を用いて、前記沈殿物のスラリーを調製すること、及び
焼結された沈殿物を形成するために、前記沈殿物の前記スラリーを250℃未満の温度で焙焼すること
によって焼結させることと、
前記焼結された沈殿物を、
40重量%以下の水酸化物の濃度を有する水酸化物塩基の第2の水溶液を用いて、前記焼結された沈殿物のスラリーを調製すること、及び
焼結グラファイトを形成するために、前記焼結された沈殿物の前記スラリーを250℃未満の温度で焙焼すること
によって焼結させることと、
精製グラファイトを形成するために、前記焼結グラファイトを洗浄することと
を含む方法。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記沈殿物の前記スラリーは、約1:1~1:4の、前記第1の水溶液に対する前記沈殿物の比率で調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記焼結された沈殿物の前記スラリーは、約1:1~1:4の、前記第2の水溶液に対する前記焼結された沈殿物の比率で調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の水溶液の前記濃度及び前記第2の水溶液の前記濃度は、同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の水溶液の前記濃度、前記第2の水溶液の前記濃度又は両方は、10重量%~35重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の水溶液の前記濃度、前記第2の水溶液の前記濃度又は両方は、20重量%~30重量%である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記水酸化物塩基は、NaOH又はKOHである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記沈殿物の前記スラリー、前記焼結された沈殿物の前記スラリー又は両方は、100℃~225℃の温度で焙焼される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記沈殿物の前記スラリー、前記焼結された沈殿物の前記スラリー又は両方は、1~20時間の時間にわたって焙焼される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記時間は、1~15時間である、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【背景技術】
【0001】
背景
リチウムイオン電池は、電気モーターの迅速な加速が求められる電気自動車(EV)及び電動工具などの高放電用途における二次(充電式)電池のための好ましい化学構造である。リチウムイオン電池は、通常、銅又はアルミニウムの平坦なシートである電流コレクタ上に適用又は堆積された電荷材料、導電性粉体及び結合剤を含む。電荷材料は、通常、グラファイト又は炭素であるアノード材料と、所定の比率のリチウム、ニッケル、マンガン、コバルト、アルミニウム、鉄及びリンなどの金属を含むカソード材料とを含み、これによりリチウムイオンセルのいわゆる「電池ケミストリー」を定義する。好ましい電池ケミストリーは、供給者及び用途間で変化し、リチウムイオン電池の再生の取り組みは、通常、再生された電荷材料製品における電池ケミストリーの指定されたモル比に従う。構成製品の純度は、再生されたセルの品質及び性能に非常に関連し、これは、多くの場合、99.5%の純度を意味する、いわゆる「電池グレード」材料に依存する。
続きを表示(約 3,700 文字)【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
概要
リチウムイオン電池でアノード材料として使用される再生グラファイトのための精製プロセスは、一連の焙焼、それに続く脱イオン化(DI)水による洗浄、任意選択によりそれに続く酸洗浄を含む。グラファイト源は、電池再生ストリームからのブラックマスの酸浸出など、適切なプロセスの結果としてもたらされる。不純物、最も顕著には酸化アルミニウムは、多くの場合、グラファイト源中に微量に存在する。焙焼プロセスは、洗浄との組合せでグラファイトを精製するために複数回にわたって反復され、非水溶性金属不純物を金属水酸化物などの水溶性金属塩に変換すると考えられる。グラファイト中の金属塩の除去は、希釈水酸化ナトリウム溶液中における浸出と、水溶性不純物の更なる除去のための精製グラファイトの洗浄とによって行われる。
【0003】
本明細書における構成は、電気及びハイブリッド自動車(EV及びHV)の人気の増大が、NMC(Ni、Mn、Co)カソード材料並びにグラファイト及び類似の炭素形態を含むアノード材料などの電荷材料を含む大量の使用済みリチウムイオン電池を生成するという観察に部分的に基づく。NMC電荷材料のための再生プロセスは、技術又は顧客仕様に従って電荷材料金属の所定の比率を実現するために、Ni、Mn、Co塩の対照(バージン)ストックを使用した増強を多くの場合に伴う、使用済みのNMC電荷材料の浸出を実行する。使用済みのリチウムイオン電池からグラファイトを回収することもできる。残念ながら、NMC再生に対する従来の方式には、回収されたグラファイトの粒子が、細断及び浸出プロセス後に残留物として残る、最も顕著には酸化アルミニウムである不純物を有するという欠点がある。大量の不純物が再生グラファイト製品中に留まる場合、性能及び物理的なアノード材料特性に関する顧客仕様を満たすことが問題となり得る。従って、本明細書における構成は、99.5%以上及び99.9%に近い改善された純度を有するグラファイトを含むアノード材料を生成することにより、従来の電池の再生の欠点を大幅に克服する。
【0004】
更に詳細には、電池アノード材料のための精製グラファイトを生成するための電池再生環境において、再生は、浸出液及び沈殿物を得るために、消耗したリチウムイオン電池のブラックマスを浸出させることを含む。浸出液は、カソード材料の多くを取り込み、これにより、大きい割合のグラファイト及び/又はアノード材料のために使用された他の炭素形態を含む、溶解しなかった沈殿物として残留物を残す。2フェーズの焙焼プロセスは、40重量%以下の水酸化物の濃度を有する水酸化物塩基の第1の水溶液を用いて、沈殿物のスラリーを調製することと、焼結された沈殿物を形成するために、沈殿物のスラリーを250℃未満の温度で焙焼することとによる沈殿物の第1の焼結を含む。次に、焼結された沈殿物の更なる焼結は、40重量%以下の水酸化物の濃度を有する水酸化物塩基の第2の水溶液を用いて、焼結された沈殿物のスラリーを調製することと、焼結グラファイトを形成するために、焼結された沈殿物のスラリーを250℃未満の温度で再度焙焼することとを含む。焼結グラファイトの洗浄は、再生電池内のアノード電荷材料(アノード材料)のための精製グラファイトをもたらす。
【0005】
図面の簡単な説明
上記及び他の特徴は、同様の参照符号が異なる図全体を通して同じ部分を参照する添付図面に示される、本明細書に開示される特定の実施形態に関する以下の説明から明らになるであろう。図面は、必ずしも縮尺が正確ではなく、代わりに本発明の原理の例示に重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書における構成と共に使用するのに適した再生環境のコンテキスト図である。
本明細書に開示される再生プロセスのフローチャートである。
再生された精製グラファイトの結果の例である。
再生された精製グラファイトの結果の例である。
再生された精製グラファイトの結果の例である。
再生された精製グラファイトの結果の例である。
再生された精製グラファイトの結果の例である。
再生された精製グラファイトの結果の例である。
再生された精製グラファイトの結果の例である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
以下に描かれるのは、NMC電池などの電池を再生するための例示的な方法及び方式である。本明細書における構成は、一例としてNMC電池ケミストリーを利用するが、開示の方式は、任意の適切な電池ケミストリーと共に実施することができる。リチウムイオン電池は、カソード材料を形成するために使用される金属イオンのタイプ及び比率を定義する、いわゆる電池ケミストリーを利用する。特定の比率は、再生された電荷材料の製造者又は受領者によって設定される。電荷材料及び電荷材料プレカーソルの供給者は、製造者によって指定された仕様を満たす電荷材料製品を生成する。アノード材料は、ほとんど常に炭素又はグラファイトフォーミュレーションであり、グラファイトの純度及び形態も製造者によって設定される。
【0008】
図1は、本明細書における構成と共に使用するのに適した再生環境のコンテキスト図である。図1を参照すると、再生シナリオ100は、通常、EVからのものである、配備されたリチウムイオン電池102に伴って開始する。リチウムイオン電池102は、十分な電荷を受け入れるための電荷材料の能力が大幅に劣化する前に有限数の充電サイクルを有する。これに加えて、車両の障害、衝突のダメージ、などに起因して早期に寿命が終了した電池がある。集合的な寿命が終了したものの再生ストリームは、使用済みのセル及び電荷材料104を含む消耗した電池の豊富な供給に寄与する。電池は、放電され、細砕、細断及び粉砕を通して粒状のブラックマスになるように攪拌される。浸出プロセスは、電荷材料及び任意の付随したケーシング並びに銅及びアルミニウムの電流コレクタを含むブラックマスを受け取る。カソード材料金属塩のカソード材料と炭素及びグラファイトのアノード材料の両方を含むブラックマスは、溶解した電荷材料金属の浸出液106を形成するために使用される。
【0009】
次いで、浸出液は、更に後述する精製グラファイトを収穫するために、グラファイトが豊富な沈殿物から分離され、浸出液は、別個の再生分岐を辿る。完全を期すために、浸出液は、硫酸浸出からの硫酸塩溶液中に少なくともNi、Mn及びCoを含むが、他の電荷材料金属及び/又は浸出酸を利用することもできる。浸出液106は、到来する再生ストリームの構成組成に基づいた電荷材料金属(Ni、Mn及びCo)のモル比を有する。モル比は、目標比率に調節された溶液108をもたらすために、硫酸塩(通常、フレッシュ材料のバージン又は対照形態)などの更なる金属塩(Ni、Mn及びCo塩)によって調節される。
【0010】
調節の結果としてもたらされる望ましい比率における電荷材料金属(電荷材料)を沈殿させるために浸出液のpHを調節することにより、1つ又は複数の容器110内に共沈反応が発生する。水酸化ナトリウム又は別の強力な塩基は、NMCなどの電荷材料金属が、通常、水酸化物として濾過によって分離可能である粒状の形態で溶液から抜け出すようにする。この浸出液のpH調節から共沈された粒状の形態は、新しい再生電池のための目標の電池ケミストリーのための望ましいモル比を有するカソード材料プレカーソルである。炭酸リチウム又は他のリチウム塩を伴う炉112内における焼結は、再生されたリチウムイオン電池のための活性カソード材料を形成する。例示的な構成では、活性カソード材料であるLiNi

Mn

Co



は、Ni

Mn

Co

(OH)

及びLi

CO

を焼結させることによって合成され、ここで、x、y及びzは、Ni、Mn及びCoの個々のモル比を表す。一般的な化学構造は、Ni、Mn及びCoの等しいモル成分を表すNMC111、NMC811、NMC622及びNMC532を含むが、浸出液106~108中の比率調節及び焼結により、任意の適切なモル比を実現することができる。次いで、再生されたカソード材料をカソード材料として再生ストリーム内にマージして戻すことができる一方、以下のプロセスは、再生電池のためのアノード材料を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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