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公開番号
2024120274
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-05
出願番号
2023026949
出願日
2023-02-24
発明の名称
フェーズドアレイアンテナ装置
出願人
国立大学法人 名古屋工業大学
代理人
弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類
H01Q
3/30 20060101AFI20240829BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】アンテナを高密度に配置できるフェーズドアレイアンテナ装置を提供すること。
【解決手段】本開示技術に係るフェーズドアレイアンテナ装置は、アンテナ群と、アンテナ群のアンテナを操作する複数個の送受信回路とを有しており、複数個の送受信回路に、送受信信号を異なる位相にする第1送受信回路51および第2送受信回路52が含まれ、アンテナ群に、第1送受信回路により操作される第1外側アンテナ201と、第2送受信回路により操作される第2外側アンテナ206と、第1外側アンテナと第2外側アンテナとの間における第1外側アンテナ寄りに位置し第1送受信回路により操作される第1内側アンテナ202と、第1外側アンテナと第2外側アンテナとの間における第2外側アンテナ寄りに位置し第2送受信回路により操作される第2内側アンテナ205とが含まれ、第1内側アンテナと第2内側アンテナとの間に結合構造15が設けられているものである。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
複数個のアンテナを配列してなるアンテナ群と、前記アンテナ群に含まれるアンテナの送受信を操作する複数個の送受信回路とを有するフェーズドアレイアンテナ装置であって、 前記複数個の送受信回路に、前記アンテナの送受信信号を第1の位相にする第1送受信回路と、前記アンテナの送受信信号を第2の位相にする第2送受信回路とが含まれ、
前記アンテナ群に、
前記第1送受信回路による位相操作を受ける第1外側アンテナと、
前記第2送受信回路による位相操作を受ける第2外側アンテナと、
前記第1外側アンテナと前記第2外側アンテナとの間における前記第1外側アンテナ寄りの位置に配置され前記第1送受信回路による位相操作を受ける第1内側アンテナと、 前記第1外側アンテナと前記第2外側アンテナとの間における前記第2外側アンテナ寄りの位置に配置され前記第2送受信回路による位相操作を受ける第2内側アンテナとが含まれ、
前記第1内側アンテナと前記第2内側アンテナとの間に、電磁波を相互に通す結合構造が設けられているフェーズドアレイアンテナ装置。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナ装置であって、
多層配線板を有しており、
前記多層配線板のうち上層側の厚み部分における前記アンテナ群の各アンテナの位置には、各導電層がウィンドウパターンである上層伝搬部が形成されており、
前記多層配線板のうち下層側の厚み部分の導電層には、
前記第1送受信回路に接続された第1アンテナパターンと、
前記第2送受信回路に接続された第2アンテナパターンとが形成されており、
前記多層配線板のうち前記上層側の厚み部分と前記下層側の厚み部分との間の中間の厚み部分には、
前記第1外側アンテナの前記上層伝搬部の領域と前記第1内側アンテナの前記上層伝搬部の領域とに跨がり各導電層がウィンドウパターンである第1内層伝搬部と、
前記第2外側アンテナの前記上層伝搬部の領域と前記第2内側アンテナの前記上層伝搬部の領域とに跨がり各導電層がウィンドウパターンである第2内層伝搬部とが形成されており、
前記第1アンテナパターンは前記第1内層伝搬部の領域内に、前記第2アンテナパターンは前記第2内層伝搬部の領域内に、それぞれ配置されており、
前記結合構造は、前記第1内側アンテナの前記上層伝搬部と前記第2内側アンテナの前記上層伝搬部との間に形成されているフェーズドアレイアンテナ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のフェーズドアレイアンテナ装置であって、
前記アンテナ群に含まれる複数個のアンテナが、複数の列および複数の行をなして格子状に配置されており、
前記複数の列の各列および前記複数の行の各行のいずれにも、前記第1外側アンテナ、前記第2外側アンテナ、前記第1内側アンテナ、および前記第2内側アンテナに相当するものが含まれており、
前記列の方向の前記結合構造は、前記複数の導電層のうち2層間にて電磁波を相互に通す層間結合構造であり、
前記行の方向の前記結合構造は、前記複数の導電層のうち少なくとも1つのものにおけるスリットにて電磁波を相互に通すスリット結合構造であるフェーズドアレイアンテナ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のフェーズドアレイアンテナ装置であって、
前記列の方向は、送受信される電磁波の電界の方向と平行な方向であり、
前記行の方向は、送受信される電磁波の電界の方向と垂直な方向であるフェーズドアレイアンテナ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、フェーズドアレイアンテナ装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来のフェーズドアレイアンテナ装置の一例として、特許文献1に開示されているものを挙げることができる。特許文献1の装置は、複数のアンテナ素子と、複数の能動回路とを有している。同装置では、電源回路から各能動回路に電力を供給して、各能動回路により、各アンテナ素子を介した信号の送受信動作を行うようになっている。同文献では、送受信動作の開始時または終了時の電源電圧の立ち上がりおよび立ち下がりに発生するリンギングおよびなまりの抑制に着目している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-9083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のフェーズドアレイアンテナ装置では、アンテナ配置の高密度化を図るに際して、各アンテナ(特許文献1では「アンテナ素子」)を操作する送受信回路(特許文献1では「能動回路」)のサイズが問題となる。送受信回路は集積回路であり、必要な機能を持たせるための最低限のサイズが必要となる。そのことと、各アンテナに対してそれぞれ送受信回路を要することが、アンテナ配置の高密度化に対する制約要因となる。このため、ある程度以上の高集積化は困難であった。
【0005】
本開示技術の課題とするところは、アンテナを高密度に配置できるフェーズドアレイアンテナ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示技術の一態様におけるフェーズドアレイアンテナ装置は、複数個のアンテナを配列してなるアンテナ群と、アンテナ群に含まれるアンテナの送受信を操作する複数個の送受信回路とを有するフェーズドアレイアンテナ装置であって、複数個の送受信回路に、アンテナの送受信信号を第1の位相にする第1送受信回路と、アンテナの送受信信号を第2の位相にする第2送受信回路とが含まれ、アンテナ群に、第1送受信回路による位相操作を受ける第1外側アンテナと、第2送受信回路による位相操作を受ける第2外側アンテナと、第1外側アンテナと第2外側アンテナとの間における第1外側アンテナ寄りの位置に配置され第1送受信回路による位相操作を受ける第1内側アンテナと、第1外側アンテナと第2外側アンテナとの間における第2外側アンテナ寄りの位置に配置され第2送受信回路による位相操作を受ける第2内側アンテナとが含まれ、第1内側アンテナと第2内側アンテナとの間に、電磁波を相互に通す結合構造が設けられているものである。
【0007】
上記態様におけるフェーズドアレイアンテナ装置では、アンテナ群に含まれるアンテナのうち第1外側アンテナは第1送受信回路による位相操作を受け、第2外側アンテナは第2送受信回路による位相操作を受ける。第1内側アンテナは、第1送受信回路による位相操作を受けつつも結合構造により第2内側アンテナの影響を受ける。第2内側アンテナは、第2送受信回路による位相操作を受けつつも結合構造により第1内側アンテナの影響を受ける。このため第1内側アンテナおよび第2内側アンテナは、第1操作アンテナの送受信信号の位相と第2操作アンテナの送受信信号の位相との中間の位相で送受信を行うことになる。このため、第1送受信回路と第2送受信回路との間の位相差を操作することで、アンテナ群全体としての指向性を操作することができる。ここで、送受信回路の総数がアンテナの総数より少ないので、アンテナの配置間隔を、送受信回路のサイズより小さくすることができる。このため、アンテナを高密度に配置してグレーティングローブ放射の影響を受けにくくしたフェーズドアレイアンテナ装置とすることができる。
【0008】
上記態様におけるフェーズドアレイアンテナ装置では、多層配線板を有しており、多層配線板のうち上層側の厚み部分におけるアンテナ群の各アンテナの位置には、各導電層がウィンドウパターンである上層伝搬部が形成されており、多層配線板のうち下層側の厚み部分の導電層には、第1送受信回路に接続された第1アンテナパターンと、第2送受信回路に接続された第2アンテナパターンとが形成されており、多層配線板のうち上層側の厚み部分と下層側の厚み部分との間の中間の厚み部分には、第1外側アンテナの上層伝搬部の領域と第1内側アンテナの上層伝搬部の領域とに跨がり各導電層がウィンドウパターンである第1内層伝搬部と、第2外側アンテナの上層伝搬部の領域と第2内側アンテナの上層伝搬部の領域とに跨がり各導電層がウィンドウパターンである第2内層伝搬部とが形成されており、第1アンテナパターンは第1内層伝搬部の領域内に、第2アンテナパターンは第2内層伝搬部の領域内に、それぞれ配置されており、結合構造は、第1内側アンテナの上層伝搬部と第2内側アンテナの上層伝搬部との間に形成されているものとすることができる。このような構成では、多層配線板の各導電層のパターンによりアンテナ群の各アンテナを実現できる。
【0009】
多層配線板により構成される態様のフェーズドアレイアンテナ装置では、アンテナ群に含まれる複数個のアンテナが、複数の列および複数の行をなして格子状に配置されており、複数の列の各列および複数の行の各行のいずれにも、第1外側アンテナ、第2外側アンテナ、第1内側アンテナ、および第2内側アンテナに相当するものが含まれており、列の方向の結合構造は、複数の導電層のうち2層間にて電磁波を相互に通す層間結合構造であり、行の方向の結合構造は、複数の導電層のうち少なくとも1つのものにおけるスリットにて電磁波を相互に通すスリット結合構造であるものとすることができる。この構成により、ウィンドウパターンにおけるいずれの方向においても、アンテナ間の結合動作の効率がよい動作をさせることができる。
【0010】
列の方向と行の方向とで結合構造の種類が異なる態様におけるフェーズドアレイアンテナ装置では、列の方向は、送受信される電磁波の電界の方向と平行な方向であり、行の方向は、送受信される電磁波の電界の方向と垂直な方向であることが望ましい。このようになっていると、ウィンドウパターンにおけるいずれの方向においても、アンテナ間の結合動作の効率がよい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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