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公開番号
2024116071
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-27
出願番号
2024000535
出願日
2024-01-05
発明の名称
合成繊維用処理剤及び合成繊維
出願人
三洋化成工業株式会社
代理人
主分類
D06M
13/224 20060101AFI20240820BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】タールを除去しやすく、高温における繊維-金属間の摩擦低減効果に優れた合成繊維用処理剤を提供する。
【解決手段】合成繊維用処理剤はAO基を有さないエステル化合物(A)と、AO基を有するエステル化合物(B)とを含有する水分散液からなり、エステル化合物(A)は、脂肪族カルボン酸アルキルエステルであり、エステル化合物(B)は、脂肪族モノカルボン酸と多価アルコールとの部分エステルのAO付加物(B1)、AO付加物(B1)と脂肪族モノカルボン酸とのエステル(B2)、AO付加物(B1)と脂肪族モノカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とのエステル(B3)、脂肪族モノカルボン酸と一価又は多価アルコールのAO付加物とのエステル(B4)及び硫黄原子含有脂肪族カルボン酸と脂肪族モノアルコールのAO付加物とのエステル(B5)のうちの少なくとも1種であり、不揮発成分の強酸価が0.00~0.10mgKOH/gである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)と、アルキレンオキシ基を有するエステル化合物(B)とを含有する水分散液からなる合成繊維用処理剤であって、
アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)は、脂肪族カルボン酸アルキルエステルであり、
アルキレンオキシ基を有するエステル化合物(B)は、脂肪族モノカルボン酸と多価アルコールとの部分エステルのアルキレンオキサイド付加物(B1)、前記アルキレンオキサイド付加物(B1)と脂肪族モノカルボン酸とのエステル(B2)、前記アルキレンオキサイド付加物(B1)と脂肪族モノカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とのエステル(B3)、脂肪族モノカルボン酸と一価又は多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物とのエステル(B4)及び硫黄原子含有脂肪族カルボン酸と脂肪族モノアルコールのアルキレンオキサイド付加物とのエステル(B5)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、合成繊維用処理剤中の不揮発成分の強酸価が0.00~0.10mgKOH/gである合成繊維用処理剤。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
さらに、シリコーン系化合物(C)を含む請求項1に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項3】
さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(D)を含む請求項1または2に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項4】
さらに、界面活性剤(E)を含む請求項1または2に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項5】
さらに、外観調整剤(G)を含む請求項1または2に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項6】
アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)の重量Waに対するアルキレンオキシ基を有するエステル化合物(B)の重量Wbの比(Wb/Wa)が80/20~20/80である請求項1または2に記載の合成繊維用処理剤。
【請求項7】
合成繊維本体を請求項1または2に記載の合成繊維用処理剤で処理してなる合成繊維であって、前記アルキレンオキシ基を有するエステル化合物(B)及び前記アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)の合計含有量が、合成繊維の重量に基づき、0.1~3.0重量%である合成繊維。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成繊維用処理剤(以下、処理剤と略記する場合がある)及び合成繊維に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
合成繊維を製造するにあたり、紡糸、延伸および巻取り等の処理工程を円滑に行うため、処理前の繊維に合成繊維用処理剤を付与することが行われている。
例えば、合成繊維を製造する材料としてポリエステル及びポリカーボネート等を用いる場合、前記の紡糸、延伸および巻取り等の処理工程等を高温で行うことがある。前記処理工程を高温で行うと、繊維に付与された油剤の蒸発、熱分解および発煙等が生じやすくなり、延伸ローラー等の機器が汚染されることがあり、解決策が検討されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平5-263361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術によっても、高温(例えば200℃以上)における繊維-金属間の摩擦力低減効果が不充分であった。また、前記技術によっては、延伸ローラー上に蓄積するタールが硬く、処理剤の加熱劣化物の除去性が不充分であり、改善が求められている。
本発明の課題は、延伸ローラー上に蓄積するタールが軟らかいためタールを除去しやすく、高温における繊維-金属間の摩擦低減効果に優れた合成繊維用処理剤の水分散液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、以下の通りである。
[1]アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)と、アルキレンオキシ基を有するエステル化合物(B)とを含有する水分散液からなる合成繊維用処理剤であって、アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)は、脂肪族カルボン酸アルキルエステルであり、アルキレンオキシ基を有するエステル化合物(B)は、脂肪族モノカルボン酸と多価アルコールとの部分エステルのアルキレンオキサイド付加物(B1)、前記アルキレンオキサイド付加物(B1)と脂肪族モノカルボン酸とのエステル(B2)、前記アルキレンオキサイド付加物(B1)と脂肪族モノカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とのエステル(B3)、脂肪族モノカルボン酸と一価又は多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物とのエステル(B4)及び硫黄原子含有脂肪族カルボン酸と脂肪族モノアルコールのアルキレンオキサイド付加物とのエステル(B5)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、合成繊維用処理剤中の不揮発成分の強酸価が0.00~0.10mgKOH/gである合成繊維用処理剤。
[2]さらに、シリコーン系化合物(C)を含む[1]に記載の合成繊維用処理剤。
[3]さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(D)を含む[1]または[2]に記載の合成繊維用処理剤。
[4]さらに、界面活性剤(E)を含む[1]~[3]のいずれか1項に記載の合成繊維用処理剤。
[5]さらに、外観調整剤(G)を含む[1]~[4]のいずれか1項に記載の合成繊維用処理剤。
[6]アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)の重量Waに対するアルキレンオキシ基を有するエステル化合物(B)の重量Wbの比(Wb/Wa)が80/20~20/80である[1]~[5]のいずれか1項に記載の合成繊維用処理剤
[7]合成繊維本体を[1]~[6]のいずれか1項に記載の合成繊維用処理剤で処理してなる合成繊維であって、前記アルキレンオキシ基を有するエステル化合物(B)及び前記アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)の合計含有量が、合成繊維の重量に基づき、0.1~3.0重量%である合成繊維。
【発明の効果】
【0006】
本発明の合成繊維用処理剤によれば、延伸ローラー上に蓄積するタールが軟らかいためタールを除去しやすく、高温における繊維-金属間の摩擦低減効果に優れた合成繊維用処理剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<合成繊維用処理剤>
本発明の合成繊維用処理剤は、アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)と、アルキレンオキシ基を有するエステル化合物(B)とを含有する水分散液からなる。
【0008】
アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)は脂肪族カルボン酸アルキルエステルである。アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)は、繊維に平滑性を付与しうる。アルキレンオキシ基を有さない化合物(A)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。以下において「アルキレンオキシ基を有さないエステル化合物(A)」を「エステル化合物(A)」と呼ぶことがある。
【0009】
脂肪族カルボン酸アルキルエステルとしては、硫黄原子を含有しない脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A1)及び硫黄原子含有脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A2)等が挙げられる。
【0010】
硫黄原子を含有しない脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A1)としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸(x1)とアルコール(y)とのエステルおよび脂肪族ポリカルボン酸(x2)とアルコール(y)とのエステル等が挙げられる。以下において「硫黄原子を含有しない脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A1)」を「硫黄原子非含有アルキルエステル(A1)」または「エステル(A1)」と呼ぶことがある。
(【0011】以降は省略されています)
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