TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024115527
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-26
出願番号2024014494
出願日2024-02-01
発明の名称タンパク質の修飾剤
出願人キヤノン株式会社,キヤノンバージニア, インコーポレイテッド,Canon Virginia, Inc.
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07K 14/435 20060101AFI20240819BHJP(有機化学)
要約【課題】分子サイズの小さい材料を用いてβシート構造を有するタンパク質に機能を付与することを目的とする。
【解決手段】生体分子に由来する構造と芳香族環を含む基を有し、前記芳香族環を含む基は、それぞれ置換基を有してもよい、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ナフチルアゾ基からなる群より選ばれる少なくともいずれかを有し、前記生体分子に由来する構造は、酵素、抗体、抗原、ペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、リガンド、酵素基質、ビオチン、カテコールアミンからなる群より選ばれるいずれかに由来する構造を含む、βシート構造を有するタンパク質の修飾剤を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
生体分子に由来する構造と芳香族環を含む基を有し、
前記芳香族環を含む基は、それぞれ置換基を有してもよい、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ナフチルアゾ基からなる群より選ばれる少なくともいずれかを有し、
前記生体分子に由来する構造は、酵素、抗体、抗原、ペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、リガンド、酵素基質、ビオチン、カテコールアミンからなる群より選ばれるいずれかに由来する構造を含む、
βシート構造を有するタンパク質の修飾剤。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記芳香族環を含む基が、ベンゾチアゾール基およびナフチルアゾ基の少なくともいずれかを有する請求項1に記載の修飾剤。
【請求項3】
前記芳香族環を含む基が、下記式(1-1)、式(2-1)、式(3-1)、式(4)、式(5-1)、式(9-1)で表される1価の基のいずれかである請求項1に記載の修飾剤。
JPEG
2024115527000052.jpg
21
74
TIFF
2024115527000053.tif
16
69
TIFF
2024115527000054.tif
21
71
(前記式(1-1)、式(2-1)、式(3-1)において、


からR

は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上4以下の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6以上10以下のアリール基またはアラルキル基、またはアルコキシ基を表し、
*は、結合手を示す。)
TIFF
2024115527000055.tif
39
117
(前記式(4)において、*は、結合手を示す。)
TIFF
2024115527000056.tif
29
57
(前記式(5-1)において、*は、結合手を示す。)
TIFF
2024115527000057.tif
20
84
(前記式(9-1)において、*は、結合手を示す。)
【請求項4】
前記生体分子に由来する構造が、酵素、抗体、抗原、オリゴヌクレオチド、およびビオチンからなる群より選ばれるいずれかに由来する構造を含む請求項1に記載の修飾剤。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の修飾剤と、βシート構造を有するタンパク質を含み、
前記修飾剤が、前記タンパク質と、前記βシート構造を介して、物理吸着している、修飾タンパク質。
【請求項6】
請求項5に記載の修飾タンパク質を含んでなる物品。
【請求項7】
シート状である請求項6に記載の物品。
【請求項8】
ゲル状である請求項6に記載の物品。
【請求項9】
スポンジ状である請求項6に記載の物品。
【請求項10】
繊維状である請求項6に記載の物品。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、βシート構造を有するタンパク質の修飾剤、修飾タンパク質、物品およびセンサーデバイス、およびタンパク質を修飾する方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
タンパク質は生体親和性・低毒性・親水性・低環境負荷といった特徴があり、さらに、構成しているアミノ酸の組み合わせや配列によって様々な特性を発揮し、食品や医療分野など多岐にわたる分野において素材や材料として活用することができる。中でも、βシート構造を有するタンパク質は、剛性が高く、凝集しやすいという特徴を有する。そのため、βシート構造を有するタンパク質は環境・製薬・再生医療・光学・電子デバイスに用いる足場材料として用いられることが期待される。
【0003】
一方、アミノ酸配列によっては、化学修飾が可能な部位が少ない場合があり、共有結合による化学修飾が困難な場合がある。
【0004】
βシート構造を有するタンパク質として、シルク繊維に含まれる、フィブロインが挙げられる。フィブロインは側鎖のないアミノ酸であるグリシンと側鎖の小さいアミノ酸であるアラニンを多く含む疎水性の結晶領域をもち、その結晶領域がβシート構造をとることで強固な相互作用が働き集積し剛直な線維を形成する。特許文献1には、化学的な修飾によって機能付与されたフィブロインについての開示がある。特許文献1では、化学反応を用いてフィブロインに付与したい特性を有する分子を共有結合することによって機能付与されたフィブロインを作製している。フィブロインはアミノ酸配列上、化学修飾が可能な部位が少ない。そのため、化学修飾ではフィブロインに目的とする分子を多く付与することは困難な場合がある。また、化学修飾は、長時間の反応時間が必要となり、反応試薬の除去工程の操作は煩雑である。これを解消するため、特許文献2および非特許文献1には、フィブロイン分子に吸着性のあるペプチドを用いて機能付与されたフィブロインの開示がある。付与したい特性を有する分子を繋いだペプチドを非共有結合を介して吸着させることによってフィブロインに吸着させて簡便に機能付与されたフィブロインを作製している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2022-529644号公報
特許第6362878号公報
【非特許文献】
【0006】
Biotechnol Lett 2011、33、1069-107
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなペプチドは分子サイズが大きいためにフィブロインに機能付与する際に立体障害を引き起こしやすいという課題があった。そこで、結合に関わる部位が小さい修飾剤を用いてβシート構造を有するタンパク質を修飾することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
色素などの芳香族化合物は、分子サイズが小さくゲル電気泳動でのCBB染色のようにタンパク質に芳香族化合物を非共有結合的に多く吸着することができる。そこで、発明者らは、βシート構造を有するタンパク質との吸着する芳香族環を含む基を、目的の特性を有する分子構造に付与することに着眼し、本発明に至った。すなわち、本発明は生体分子に由来する構造と芳香族環を含む基を有し、前記芳香族環を含む基は、それぞれ置換基を有してもよい、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ナフチルアゾ基からなる群より選ばれる少なくともいずれかを有し、前記生体分子に由来する構造は、酵素、抗体、抗原、ペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、リガンド、酵素基質、ビオチン、カテコールアミンからなる群より選ばれるいずれかに由来する構造を含む、βシート構造を有するタンパク質の修飾剤を提供する。
【発明の効果】
【0009】
生体分子構造と芳香族環を含む基を有するβシート構造を有するタンパク質修飾剤を用いてタンパク質の機能付与が可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は第一の実施形態として、生体分子に由来する構造と芳香族環を含む基を有し、前記芳香族環を含む基は、それぞれ置換基を有してもよい、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ナフチルアゾ基からなる群より選ばれる少なくともいずれかを有し、前記生体分子に由来する構造は、酵素、抗体、抗原、ペプチド、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、リガンド、酵素基質、ビオチン、カテコールアミンからなる群より選ばれるいずれかに由来する構造を含む、βシート構造を有するタンパク質の修飾剤を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

小野薬品工業株式会社
GCL阻害剤
21日前
築野グループ株式会社
脂肪酸エステル
2か月前
築野グループ株式会社
脂肪酸エステル
2か月前
東ソー株式会社
免疫グロブリン吸着剤の製造方法
3か月前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
1か月前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
2か月前
田岡化学工業株式会社
多環芳香族化合物の製造方法
27日前
学校法人近畿大学
アミロイド線維検出プローブ
1か月前
株式会社トクヤマ
ベンジルヒドラジン誘導体の製造方法
29日前
三菱ケミカル株式会社
アセトキシアリル化合物の製造方法
3か月前
個人
希土類有機錯体及びその製造方法並び応用
20日前
ヤマナカヒューテック株式会社
反応生成物の製造方法
3か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
1か月前
日本特殊陶業株式会社
反応装置
2か月前
東ソー株式会社
アデノ随伴ウイルス結合性タンパク質の精製方法
1か月前
東亞合成株式会社
ペプチドフラグメント及びその利用
1か月前
グリーンケミカルズ株式会社
4-ヒドロキシ安息香酸組成物
22日前
公立大学法人大阪
尿素化合物の製造方法
6日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物、および発光デバイス
27日前
サンアプロ株式会社
金属錯塩色素
1か月前
ノーベルファーマ株式会社
ヒスチジン亜鉛2水和物の製造方法
1か月前
国立大学法人富山大学
抗がん作用を有する化合物
1か月前
株式会社Kyulux
有機発光素子
22日前
三菱ケミカル株式会社
ポリシロキサン及びその製造方法
3か月前
ポリプラスチックス株式会社
ホルムアルデヒドの回収方法
3か月前
株式会社日本触媒
アクリル酸の製造方法
3か月前
東ソー株式会社
抗体結合性タンパク質固定化担体を用いた抗体精製方法
3か月前
ポリプラスチックス株式会社
ホルムアルデヒドの回収方法
3か月前
興和株式会社
新規ニコチンアミド化合物
1か月前
積水化学工業株式会社
オレフィン系化合物の製造装置
6日前
株式会社豊田中央研究所
ギ酸回収方法
今日
学校法人日本大学
化合物、腫瘍崩壊剤及び医薬組成物
2か月前
東洋エンジニアリング株式会社
尿素の製造方法及び製造装置
2か月前
積水メディカル株式会社
アルギニン誘導体
7日前
国立大学法人北海道大学
酵素を用いたペプチドライゲーション
1か月前
イーライ リリー アンド カンパニー
KRAS阻害剤
3か月前
続きを見る