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公開番号2025004616
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-15
出願番号2023104418
出願日2023-06-26
発明の名称ギ酸回収方法
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類C07C 51/487 20060101AFI20250107BHJP(有機化学)
要約【課題】簡便に、加熱等のエネルギーを大きく消費しなくても、溶液中のギ酸を固体のギ酸塩として回収することができるギ酸回収方法を提供する。
【解決手段】ギ酸及び下記式(1)で示すアルキルアミンを含む溶液と、塩基を含む有機溶媒とを混合して、固体のギ酸塩を回収する回収工程を有する、ギ酸回収方法である。
R1R2R3N (1)
(式(1)において、R1~R3のうち少なくとも2つは独立して炭素数6以上12以下のアルキル基であり、残りは水素原子を示す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ギ酸及び下記式(1)で示すアルキルアミンを含む溶液と、塩基を含む有機溶媒とを混合して、固体のギ酸塩を回収する回収工程を有することを特徴とするギ酸回収方法。






N (1)
(式(1)において、R

~R

のうち少なくとも2つは独立して炭素数6以上12以下のアルキル基であり、残りは水素原子を示す。)
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
ギ酸を含む水溶液から、前記アルキルアミンと、有機溶媒とを使用して、前記ギ酸を、前記アルキルアミン及び前記有機溶媒を含む有機溶媒層に抽出する抽出工程と、
前記有機溶媒層から前記有機溶媒を減圧または常圧にて留去して、前記ギ酸及び前記アルキルアミンを含む溶液を得る留去工程と、を更に有し、
前記留去工程により得られた前記ギ酸及び前記アルキルアミンを含む溶液を、前記回収工程の前記ギ酸及び前記アルキルアミンを含む溶液として使用することを特徴とする請求項1に記載のギ酸回収方法。
【請求項3】
前記塩基は、前記アルキルアミンより強いブレンステッド塩基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のギ酸回収方法。
【請求項4】
前記塩基はアンモニアであることを特徴とする請求項3に記載のギ酸回収方法。
【請求項5】
前記回収工程で使用する前記有機溶媒は、エタノール及び2-プロパノールのうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のギ酸回収方法。
【請求項6】
前記ギ酸を含む水溶液は、電気化学反応器、光電気化学反応器(太陽電池で駆動するものも含む)、または光触媒反応器(太陽電池で駆動するものも含む)から生成したギ酸を含む水溶液であることを特徴とする請求項2に記載のギ酸回収方法。
【請求項7】


~R

は、すべて独立して炭素数6以上12以下のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のギ酸回収方法。
【請求項8】


~R

の炭素数の合計は、12以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のギ酸回収方法。
【請求項9】
前記ギ酸及び前記アルキルアミンを含む溶液中の前記ギ酸の濃度は、0.30mol/L以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のギ酸回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ギ酸回収方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
ギ酸は、防腐剤、抗菌剤、凍結防止剤等の化成品用途に加えて、近年は水素キャリアとしての利用が期待されている。ギ酸は、例えば、酵素を利用する手法や、二酸化炭素から電気化学的または触媒化学的に合成する手法で製造されている。一般に、前述の手法で製造されたギ酸は、低濃度であり、例えば0.001mol/L~0.025mol/L程度の希薄な水溶液として得られることが多い。材料または水素キャリアとしての用途を鑑みると、希薄なギ酸水溶液から、エネルギーを大きく消費しなくてもギ酸を回収し、濃縮する技術が必要である。
【0003】
特許文献1には、ギ酸イオンを含む塩基性溶液を、陽イオン交換樹脂を用いて濃縮する方法が示されている。特許文献2には、相分離によって得られたギ酸とアミンから構成される液相から、蒸留によってギ酸を分取する方法が示されている。特許文献3には、有機酸塩を多価酸と反応させて有機酸とし、ナノろ過膜により分離する方法が示されている。
【0004】
しかし、特許文献1および特許文献3で用いられているイオン交換樹脂やナノろ過膜によるギ酸の分離では、高濃度への濃縮が困難である。また、ギ酸の沸点が101℃であることを考慮すると、特許文献2で用いられている蒸留によるギ酸の回収には加熱のためのエネルギーが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-015684号公報
特表2012-530747号公報
特開2012-193120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡便に、加熱等のエネルギーを大きく消費しなくても、溶液中のギ酸を固体のギ酸塩として回収することができるギ酸回収方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ギ酸及び下記式(1)で示すアルキルアミンを含む溶液と、塩基を含む有機溶媒とを混合して、固体のギ酸塩を回収する回収工程を有することを特徴とするギ酸回収方法である。






N (1)
(式(1)において、R

~R

のうち少なくとも2つは独立して炭素数6以上12以下のアルキル基であり、残りは水素原子を示す。)
【0008】
前記ギ酸回収方法において、ギ酸を含む水溶液から、前記アルキルアミンと、有機溶媒とを使用して、前記ギ酸を、前記アルキルアミン及び前記有機溶媒を含む有機溶媒層に抽出する抽出工程と、前記有機溶媒層から前記有機溶媒を減圧または常圧にて留去して、前記ギ酸及び前記アルキルアミンを含む溶液を得る留去工程と、を更に有し、前記留去工程により得られた前記ギ酸及び前記アルキルアミンを含む溶液を、前記回収工程の前記ギ酸及び前記アルキルアミンを含む溶液として使用することが好ましい。
【0009】
前記ギ酸回収方法において、前記塩基は、前記アルキルアミンより強いブレンステッド塩基であることが好ましい。
【0010】
前記ギ酸回収方法において、前記塩基はアンモニアであることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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