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公開番号2024112453
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-21
出願番号2023017462
出願日2023-02-08
発明の名称アミロイドを生産可能な形質転換細胞およびアミロイドを生産する方法
出願人国立大学法人信州大学
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類C12N 1/21 20060101AFI20240814BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】安定的にアミロイドを大量生産するための形質転換細胞およびその方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、アミロイドを生産可能な形質転換細胞である。上記形質転換細胞は、エンテロバクター目に属する。さらに、上記形質転換細胞の染色体において、csgD遺伝子の上流に組み換えプロモーターが配置され、かつyccT遺伝子、fepD遺伝子、entS遺伝子、yccU遺伝子、wrbA遺伝子、ymdF遺伝子、fliE遺伝子、fliF遺伝子、yhbT遺伝子、yhbU遺伝子、mdh遺伝子、argR遺伝子、nlpA遺伝子およびyicS遺伝子からなる群ならびに上記群に含まれる遺伝子の下流に配置されている上記遺伝子と同一オペロン内の遺伝子のうち、1以上の遺伝子が不活性化されている。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アミロイドを生産可能な形質転換細胞であって、
エンテロバクター目に属し、
前記形質転換細胞の染色体において、
a)csgD遺伝子の上流に組み換えプロモーターが配置され、かつ
b)yccT遺伝子、fepD遺伝子、entS遺伝子、yccU遺伝子、wrbA遺伝子、ymdF遺伝子、fliE遺伝子、fliF遺伝子、yhbT遺伝子、yhbU遺伝子、mdh遺伝子、argR遺伝子、nlpA遺伝子およびyicS遺伝子からなる群ならびに前記群に含まれる遺伝子の下流に配置されている前記遺伝子と同一オペロン内の遺伝子のうち、1以上の遺伝子が不活性化されている、形質転換細胞。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記組み換えプロモーターが、lacプロモーター、lacUV5プロモーター、recAプロモーター、gapAプロモーター、tacプロモーター、AraBADプロモーター、T7プロモーター、T5プロモーターおよびSp6プロモーターからなる群から選択されるプロモーターである、請求項1に記載の形質転換細胞。
【請求項3】
前記組み換えプロモーターが、T7プロモーター、T5プロモーターおよびSp6プロモーターからなる群から選択されるプロモーターであり、
前記染色体において、さらに、
c)前記組み換えプロモーターに特異的なRNAポリメラーゼがラクトースオペロン制御下に存在する、請求項1に記載の形質転換細胞。
【請求項4】
前記b)において、少なくともyccT遺伝子が不活性化されている、請求項1または2に記載の形質転換細胞。
【請求項5】
前記アミロイドが、CsgAタンパク質を含む、請求項1または2に記載の形質転換細胞。
【請求項6】
前記形質転換細胞が、シトロバクター属、エンテロバクター属、エシェリキア属、クレブシエラ属、パントエア属、サルモネラ属、セラチア属、赤痢菌属またはエルシニア属に属する、請求項1または2に記載の形質転換細胞。
【請求項7】
アミロイドを生産する方法であって、
形質転換細胞を準備する準備工程と、
前記形質転換細胞を培養してアミロイドを生産させる生産工程と、
を含み、
前記形質転換細胞が、エンテロバクター目に属し、
前記形質転換細胞の染色体において、
a)csgD遺伝子の上流に組み換えプロモーターが配置され、かつ
b)yccT遺伝子、fepD遺伝子、entS遺伝子、yccU遺伝子、wrbA遺伝子、ymdF遺伝子、fliE遺伝子、fliF遺伝子、yhbT遺伝子、yhbU遺伝子、mdh遺伝子、argR遺伝子、nlpA遺伝子およびyicS遺伝子からなる群ならびに前記群に含まれる遺伝子の下流に配置されている前記遺伝子と同一オペロン内の遺伝子のうち、1以上の遺伝子が不活性化されている、方法。
【請求項8】
前記組み換えプロモーターが、lacプロモーター、lacUV5プロモーター、recAプロモーター、gapAプロモーター、tacプロモーター、AraBADプロモーター、T7プロモーター、T5プロモーターおよびSp6プロモーターからなる群から選択されるプロモーターである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記組み換えプロモーターが、T7プロモーター、T5プロモーターおよびSp6プロモーターからなる群から選択されるプロモーターであり、
前記染色体において、さらに、
c)前記組み換えプロモーターに特異的なRNAポリメラーゼがラクトースオペロン制御下に存在する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記b)において、少なくともyccT遺伝子が不活性化されている、請求項7または8に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アミロイドを生産可能な形質転換細胞に関する。また、本発明は、アミロイドを生産する方法にも関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
多くのバイオフィルム形成細菌は、繊維状タンパク質であるアミロイドを生産して細胞外に放出する。細菌が生産するアミロイドは、物理的ストレス環境下で高い安定性を有することから、新たな繊維素材として注目されている。
【0003】
近年、細菌が生産するアミロイドに様々な機能を持たせる研究が盛んに行われている。特許文献1には、大腸菌が生産するアミロイドであるCsgAタンパク質に機能性ペプチドドメインを遺伝的に付加することにより、バイオフィルムに特定の能力を持たせる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-22491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような機能性付加アミロイドを工業的に利用するためには、生産性を向上する技術が必要となる。現在は、多コピープラスミドを宿主細胞に導入する手法が汎用されているが、長期培養によってプラスミドが脱落してしまうという課題があった。
【0006】
本発明は、安定的にアミロイドを大量生産するための形質転換細胞およびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが、鋭意検討した結果、特定の遺伝子がアミロイド生産を阻害していることを見出した。さらに、本発明者らは、アミロイド生産に関わる因子の転写機構を改善することにより、本発明を完成させた。
【0008】
本発明によれば、以下が提供される。
[1]アミロイドを生産可能な形質転換細胞であって、
エンテロバクター目に属し、
上記形質転換細胞の染色体において、
a)csgD遺伝子の上流に組み換えプロモーターが配置され、かつ
b)yccT遺伝子、fepD遺伝子、entS遺伝子、yccU遺伝子、wrbA遺伝子、ymdF遺伝子、fliE遺伝子、fliF遺伝子、yhbT遺伝子、yhbU遺伝子、mdh遺伝子、argR遺伝子、nlpA遺伝子およびyicS遺伝子からなる群ならびに上記群に含まれる遺伝子の下流に配置されている上記遺伝子と同一オペロン内の遺伝子のうち、1以上の遺伝子が不活性化されている、形質転換細胞。
[2]上記組み換えプロモーターが、lacプロモーター、lacUV5プロモーター、recAプロモーター、gapAプロモーター、tacプロモーター、AraBADプロモーター、T7プロモーター、T5プロモーターおよびSp6プロモーターからなる群から選択されるプロモーターである、[1]に記載の形質転換細胞。
[3]上記組み換えプロモーターが、T7プロモーター、T5プロモーターおよびSp6プロモーターからなる群から選択されるプロモーターであり、
上記染色体において、さらに、
c)上記組み換えプロモーターに特異的なRNAポリメラーゼがラクトースオペロン制御下に存在する、[1]に記載の形質転換細胞。
[4]上記b)において、少なくともyccT遺伝子が不活性化されている、[1]または[2]に記載の形質転換細胞。
[5]上記アミロイドが、CsgAタンパク質を含む、[1]または[2]に記載の形質転換細胞。
[6]上記形質転換細胞が、シトロバクター属、エンテロバクター属、エシェリキア属、クレブシエラ属、パントエア属、サルモネラ属、セラチア属、赤痢菌属またはエルシニア属に属する、請求項1または2に記載の形質転換細胞。
[7]アミロイドを生産する方法であって、
形質転換細胞を準備する準備工程と、
上記形質転換細胞を培養してアミロイドを生産させる生産工程と、
を含み、
上記形質転換細胞が、エンテロバクター目に属し、
上記形質転換細胞の染色体において、
a)csgD遺伝子の上流に組み換えプロモーターが配置され、かつ
b)yccT遺伝子、fepD遺伝子、entS遺伝子、yccU遺伝子、wrbA遺伝子、ymdF遺伝子、fliE遺伝子、fliF遺伝子、yhbT遺伝子、yhbU遺伝子、mdh遺伝子、argR遺伝子、nlpA遺伝子およびyicS遺伝子からなる群ならびに上記群に含まれる遺伝子の下流に配置されている上記遺伝子と同一オペロン内の遺伝子のうち、1以上の遺伝子が不活性化されている、方法。
[8]上記組み換えプロモーターが、lacプロモーター、lacUV5プロモーター、recAプロモーター、gapAプロモーター、tacプロモーター、AraBADプロモーター、T7プロモーター、T5プロモーターおよびSp6プロモーターからなる群から選択されるプロモーターである、[7]に記載の方法。
[9]上記組み換えプロモーターが、T7プロモーター、T5プロモーターおよびSp6プロモーターからなる群から選択されるプロモーターであり、
上記染色体において、さらに、
c)上記組み換えプロモーターに特異的なRNAポリメラーゼがラクトースオペロン制御下に存在する、[7]に記載の方法。
[10]上記b)において、少なくともyccT遺伝子が不活性化されている、[7]または[8]に記載の方法。
[11]上記アミロイドが、CsgAタンパク質を含む、[7]または[8]に記載の方法。
[12]上記形質転換細胞が、シトロバクター属、エンテロバクター属、エシェリキア属、クレブシエラ属、パントエア属、サルモネラ属、セラチア属、赤痢菌属またはエルシニア属に属する、[7]または[8]に記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、安定的にアミロイドを大量生産するための形質転換細胞およびその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、各大腸菌から作製したサンプルを電気泳動後にCBB染色した結果を示す写真である。
図2は、各大腸菌から作製したサンプルを電気泳動後にCBB染色した結果を示す拡大写真である。
図3は、各大腸菌から作製したサンプルを電気泳動後にCBB染色したときのバンド濃度を定量した結果を示すグラフである。
図4は、各大腸菌の細胞外アミロイド量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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