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公開番号2024110954
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-16
出願番号2024015042
出願日2024-02-02
発明の名称金属酸化合物含有液
出願人三井金属鉱業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01G 33/00 20060101AFI20240808BHJP(無機化学)
要約【課題】インクジェット法による塗布などの際、ノズル詰まりが発生しにくく、分散性が高く、保存安定性に優れた金属酸化合物含有液を提供する。
【解決手段】本発明の金属酸化合物含有液は、Nb、Ta、Ti、Mo、W、Zr、Hf、Si、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の金属酸化合物と、1気圧における沸点が180℃以上の溶媒1と、当該沸点が180℃未満の溶媒2とを有し、動的光散乱法を用いた粒子径分布測定による粒子径D50が1000nm以下であることを特徴とする。本発明の金属酸化合物含有液は、Nb、Ta、Ti、Mo、W、Zr、Hf、Si、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の金属酸化合物と、1気圧における沸点が180℃以上の溶媒1と、当該沸点が180℃未満の溶媒2とを有し、波長550nm~700nm領域における透過率の最大値が70%T以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Nb、Ta、Ti、Mo、W、Zr、Hf、Si、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の金属酸化合物と、
1気圧における沸点が180℃以上の溶媒1と、
1気圧における沸点が180℃未満の溶媒2と、
を有し、
動的光散乱法を用いた粒子径分布測定による粒子径D50が1000nm以下であることを特徴とする金属酸化合物含有液。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
Nb、Ta、Ti、Mo、W、Zr、Hf、Si、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の金属酸化合物と、
1気圧における沸点が180℃以上の溶媒1と、
1気圧における沸点が180℃未満の溶媒2と、
を有し、
波長550nm~700nm領域における透過率の最大値が70%T以上であることを特徴とする金属酸化合物含有液。
【請求項3】
前記溶媒1が、多価アルコール系溶媒、グリコール系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物含有液。
【請求項4】
前記金属酸化合物含有液中の金属酸含有量がメタル換算で0質量%超50質量%以下であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物含有液。
【請求項5】
前記金属酸化合物含有液中の溶媒1含有量が0質量%超40質量%以下であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物含有液。
【請求項6】
前記溶媒2が水を含むことを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物含有液。
【請求項7】
前記金属酸化合物含有液のpHが7超であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物含有液。
【請求項8】
アンモニアをさらに含有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物含有液。
【請求項9】
有機窒素化合物、およびまたは、過酸化水素をさらに含有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の金属酸化合物含有液。
【請求項10】
請求項1、又は2に記載の金属酸化合物含有液中の金属酸化合物を含有することを特徴とする金属酸化合物含有膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化合物含有液に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ケイ素(Si)、希土類元素等のレアメタルや半金属元素を含有するコーティング剤は、基材の表面に塗布し、薄膜を形成することにより、用途に応じた機能を付与することができる。例えば、酸化ニオブは、高い屈折率及び誘電率を有していることから、半導体材料、表面保護剤、反射防止剤、屈折率調整剤、触媒等として、用いられている。そして、特許文献1に開示されたような、ニオブ酸化合物からなる微粒子が分散媒に分散したニオブ酸水溶液などのレアメタル含有液を含有するコーティング剤を各種部品の表面に塗布することによって、塗膜が形成される。
【0003】
当該コーティング剤を、各種部品の表面に塗布する方法の一つとして、インクジェット法などが挙げられる。インクジェット法は、インクジェット印刷機の仕組みを応用した塗布方法であって、ノズル孔から液滴を吐出し、基材の表面に塗布する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-033912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、当該コーティング剤は、インクジェット法による連続したコーティング剤の吐出時において、ノズル孔周辺での乾燥によって、当該コーティング剤に含まれる固形分が蓄積しやすく、当該固形分がノズル孔に蓄積すると、ノズル詰まりが発生し、安定した吐出を妨げ、また均一な塗膜を形成することが困難になることから、ノズル孔に蓄積した当該固形分を逐一除去しなければならず、塗膜工程の進捗に影響するという課題があった。また、当該コーティング剤は、長期間の保存の際に生じた粒子の凝集や、沈殿物によって、ノズル詰まりが発生しやすくなっていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて、インクジェット法による塗布などの際、ノズル詰まりが発生しにくく、分散性が高く、保存安定性に優れた金属酸化合物含有液を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の金属酸化合物含有液は、Nb、Ta、Ti、Mo、W、Zr、Hf、Si、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の金属酸化合物と、1気圧における沸点が180℃以上の溶媒1と、1気圧における沸点が180℃未満の溶媒2と、を有し、動的光散乱法を用いた粒子径分布測定による粒子径D50が1000nm以下であることを特徴とする。
本発明の金属酸化合物含有液は、Nb、Ta、Ti、Mo、W、Zr、Hf、Si、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の金属酸化合物と、1気圧における沸点が180℃以上の溶媒1と、1気圧における沸点が180℃未満の溶媒2と、を有し、動的光散乱法を用いた粒子径分布測定による粒子径D50が1000nm以下であることにより、分散性に優れており、インクジェット法による塗布などの際、ノズル詰まりが発生しにくい。
【0008】
本発明の金属酸化合物含有液中の金属酸化合物は、Nb、Ta、Ti、Mo、W、Zr、Hf、Si、希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の金属原子、又は半金属原子と酸素原子とが含有液中で多段縮合化したポリ金属酸多核錯体イオンとして溶液中に存在するものと推測する。さらに、当該金属酸化合物は、これらの金属酸化物と、リチウム等のアルカリ金属とイオン結合した状態のイオンとして当該含有液中に存在するものも含む。なお、本明細書において、Siの酸化合物は、特段の説明がない限り、金属酸化合物として説明する。
【0009】
また、本発明の金属酸化合物含有液は、1気圧における沸点が180℃以上の溶媒1と、1気圧における沸点が180℃未満の溶媒2とを有する。溶媒1が、溶媒2と相溶することにより、分散性を阻害することなく、且つインクジェット法による塗布などの際、乾燥によって生じる固形分によるノズル詰まりの発生を抑える。また、溶媒1は、1気圧における沸点が180℃以上である溶媒であり、詳細な説明は後述する。溶媒2は、1気圧における沸点が180℃未満である溶媒であり、詳細な説明は後述する。
【0010】
さらに、動的光散乱法を用いた粒子径分布測定において、本発明の金属酸化合物含有液中の粒子の粒子径D50が1000nm以下であると、基材への成膜性が良好である観点で好ましい。また、当該金属酸化合物含有液中の粒子の粒子径(D50)がより小径であると、経時変化が少ないため安定し、また成膜時における被覆されていない箇所のない良好な塗膜形成や、十分な被膜重量を確保できる観点から好ましい。当該金属酸化合物含有液中の粒子の粒子径(D50)が、900nm以下であるとより好ましく、800nm以下であるとさらに好ましく、700nm以下であると特に好ましく、また600nm以下であるとより好ましく、また500nm以下であるとさらに好ましく、また400nm以下であると特に好ましく、さらに300nm以下であるとより好ましく、さらに200nm以下であるとさらに好ましく、さらに100nm以下であると特に好ましく、加えて80nm以下であるとより好ましく、加えて50nm以下であるとさらに好ましく、加えて30nm以下であると特に好ましく、さらに加えて20nm以下であるとより好ましく、さらに加えて10nm以下であるとさらに好ましく、さらに加えて5nm以下であると特に好ましく、3nm以下であると最も好ましい。このように、本発明の金属酸化合物含有液中の粒子の粒子径(D50)が、動的光散乱法を用いて測定した結果、粒子の粒子径(D50)が1000nm以下である状態の液を、本発明の「金属酸化合物含有液」とする。
(【0011】以降は省略されています)

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