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公開番号2024107828
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-09
出願番号2023011949
出願日2023-01-30
発明の名称クロロプレン系ラテックス組成物、クロロプレン系ラテックス組成物の製造方法、及び水性接着剤
出願人デンカ株式会社
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類C08L 11/02 20060101AFI20240802BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】貯蔵安定性、機械的安定性、さらには、高温保管後の機械的安定性に優れる クロロプレン系ラテックス組成物、該クロロプレン系ラテックス組成物の製造方法、及び該クロロプレン系ラテックス組成物を含む水性接着剤を提供する。
【解決手段】本発明によれば、クロロプレン系共重合体とポリビニルアルコールを含むクロロプレン系ラテックス組成物であって、前記クロロプレン系共重合体は、クロロプレンに由来する単量体単位とカルボキシル基を含むビニル単量体に由来する単量体単位を含み、前記ポリビニルアルコールは、重合度が450未満であるポリビニルアルコールLと、重合度が450~1200であるポリビニルアルコールHを少なくとも含み、前記ポリビニルアルコールLは、けん化度が76~90mol%である、クロロプレン系ラテックス組成物が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
クロロプレン系共重合体とポリビニルアルコールを含むクロロプレン系ラテックス組成物であって、
前記クロロプレン系共重合体は、クロロプレンに由来する単量体単位とカルボキシル基を含むビニル単量体に由来する単量体単位を含み、
前記ポリビニルアルコールは、重合度が450未満であるポリビニルアルコールLと、重合度が450~1200であるポリビニルアルコールHを少なくとも含み、
前記ポリビニルアルコールLは、けん化度が76~90mol%である、
クロロプレン系ラテックス組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ポリビニルアルコールHは、けん化度が60~99mol%である、請求項1に記載のクロロプレン系ラテックス組成物。
【請求項3】
前記クロロプレン系共重合体は、前記クロロプレンに由来する単量体単位、前記カルボキシル基を含むビニル単量体に由来する単量体単位及び前記ポリビニルアルコールに由来する構造を含むグラフト共重合体を含む、請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系ラテックス組成物。
【請求項4】
前記クロロプレン系ラテックス組成物に含まれる、前記クロロプレンに由来する単量体単位を100質量部としたとき、前記カルボキシル基を含むビニル単量体に由来する単量体単位を0.01~5.0質量部含む、請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系ラテックス組成物。
【請求項5】
前記クロロプレン系共重合体は、前記クロロプレン系共重合体を100質量部としたとき、前記ポリビニルアルコールに由来する構造を0.3~5.0質量部含む、請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系ラテックス組成物。
【請求項6】
前記クロロプレン系ラテックス組成物に含まれる、前記ポリビニルアルコールの量及び前記ポリビニルアルコールに由来する構造の量の合計量を100質量部としたとき、前記ポリビニルアルコールLの量及び前記ポリビニルアルコールLに由来する構造の量の合計量が、50~99質量部である、請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系ラテックス組成物。
【請求項7】
HLB値が3~10である界面活性剤を含む、請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系ラテックス組成物。
【請求項8】
前記クロロプレン系ラテックス組成物を100質量部としたとき、前記界面活性剤を0.04~0.36質量部含有する、請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系ラテックス組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤がノニオン系界面活性剤を含む、請求項1又は請求項2に記載のクロロプレン系ラテックス組成物。
【請求項10】
前記クロロプレン系ラテックス組成物を100質量部としたとき、前記クロロプレン系ラテックス組成物に含まれる、前記ポリビニルアルコールの量と前記グラフト共重合体に含まれるポリビニルアルコールに由来する構造の量の合計量が0.3~5.0質量部である、請求項3に記載のクロロプレン系ラテックス組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、クロロプレン系ラテックス組成物、クロロプレン系ラテックス組成物の製造方法、及び水性接着剤に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
クロロプレン系ラテックスは、土木建築、合板、家具、靴、ウェットスーツなどを製造する際に用いられる水性接着剤、労働作業用手袋、実験用手袋、医療用手袋、ゴム糸、風船などの浸漬成形品の材料、土木分野や建築分野における防水用塗膜の材料など、様々な分野で利用されている。
【0003】
特許文献1には、クロロプレンとエチレン系不飽和カルボン酸を、保護コロイド作用のある水溶性高分子の存在下で乳化重合して得られたポリクロロプレンラテックス組成物が開示されている。また、特許文献2には、クロロプレン単独、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体を、HLB値が14~19のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、ポリビニルアルコールの存在下で乳化重合して得られたポリクロロプレン系ラテックス組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3294910号公報
特開2005-008859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリビニルアルコールを乳化剤として使用して製造されたクロロプレン系ラテックス組成物は、粘着性に優れているため、例えば、水性接着剤として利用される。しかしながら、乳化剤としてポリビニルアルコールを使用して製造されたクロロプレン系ラテックス組成物は、ポリビニルアルコール以外の乳化剤を使用したクロロプレンラテックスに比べて、保存安定性や機械的安定性が低い傾向があり、特に、輸送中の振動や、撹拌機やポンプによる機械的剪断力が加わったりすると、凝集物が生成する場合があった。
【0006】
例えば、特許文献1の実施例に示されるように、重合度が高いポリビニルアルコールを乳化剤として使用した場合、製造時に重合溶液が増粘し、攪拌効率が低下して均一に除熱できなくなり、局所的に重合が進行して凝集物が発生する場合があった。また、得られるクロロプレン系ラテックス組成物の貯蔵安定性も悪かった。また、特許文献2の実施例に示されるように、重合度が小さいポリビニルアルコールのみを乳化剤として用いた場合、重合後期の保護コロイド性が不十分となり、重合中の凝集物発生、缶付着の増加につながる場合があった。さらに、得られたクロロプレン系ラテックス組成物の保護コロイド性が低い為、高温環境下で長期保管すると凝集物が発生しやすくなる等、保存安定性、機械的安定性、及び/又は長期保管後の機械的安定性に課題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、貯蔵安定性、機械的安定性、さらには、高温保管後の機械的安定性に優れるクロロプレン系ラテックス組成物、該クロロプレン系ラテックス組成物の製造方法、及び該クロロプレン系ラテックス組成物を含む水性接着剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、クロロプレン系共重合体とポリビニルアルコールを含むクロロプレン系ラテックス組成物であって、前記クロロプレン系共重合体は、クロロプレンに由来する単量体単位とカルボキシル基を含むビニル単量体に由来する単量体単位を含み、前記ポリビニルアルコールは、重合度が450未満であるポリビニルアルコールLと、重合度が450~1200であるポリビニルアルコールHを少なくとも含み、前記ポリビニルアルコールLは、けん化度が76~90mol%である、クロロプレン系ラテックス組成物が提供される。
【0009】
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、クロロプレン系共重合体とポリビニルアルコールを含むクロロプレン系ラテックス組成物において、ポリビニルアルコールとして、重合度が450未満であるポリビニルアルコールLと、重合度が450~1200であるポリビニルアルコールHを用いることによって、得られるクロロプレン系ラテックス組成物の貯蔵安定性、機械的安定性、さらには、高温保管後の機械的安定性が向上することを見出し、本発明の完成に至った。
【0010】
本発明に係るクロロプレン系ラテックス組成物の貯蔵安定性が向上するメカニズムはおおむね以下のようなものであると推測される。すなわち、クロロプレン系共重合体の重合初期では、クロロプレン単量体を含むコロイドが合一及び再分散を繰り返し、各コロイド中の開始剤濃度が均一になることが好ましく、このような状態を形成するには、比較的重合度が低く、けん化度が低いポリビニルアルコールが適していると考えられる。一方、重合後期では、重合体粒子の凝集を防ぐため、保護コロイド性が高いポリビニルアルコール、すなわち、比較的重合度が高いポリビニルアルコールが存在することが好ましいと考えられる。
本発明によれば、ポリビニルアルコールとして、重合度が450未満であるポリビニルアルコールLと、重合度が450~1200であるポリビニルアルコールHを少なくとも併用することによって、重合初期にコロイドの合一及び再分散の活性化をはかることができ、かつ、重合後期に重合体粒子の凝集を防ぐことができ、粒子径、粒子の分散、粘度等の特性が制御された、貯蔵安定性、機械的安定性、さらには、高温保管後の機械的安定性に優れるクロロプレン系ラテックス組成物が得られると考えられる。なお、上記推測メカニズムは本発明を限定するものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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